平均寿命の延びによって、人生100年計画を立てる必要が出ています。
そうなると、現在の年金だけでは老後の生活費を補いきれないため、老後を迎えるまでにある程度お金貯める必要があります。
いつまでにどれくらい貯金が必要なのでしょうか?
そこで今回は、貯金はどれくらい必要なのか、各年代の貯金額と計画的に貯める方法を解説します。
貯金はいつまでにどれくらい必要?
人生には様々なライフイベントがあります。
例えば、結婚、出産、子供の進学、住宅の購入、退職、老後などです。
これらのライフイベントにはある程度の資金が必要になるイベントもあるため、しっかり貯金しておく必要があります。
しかし、しっかり貯金しておくと言っても、いつまでにどれくらい貯金しておけばいいのか分からない人も多いと思います。
そこで、金融広報中央委員会の「知るぽると」に掲載されている平成30年の「家計の金融行動に関する世論調査」の単身世帯と二人以上世帯の結果から、各年代がどれくらい貯金をしているか詳しく見ていきましょう。
20代(単身世帯・二人以上世帯)
調査結果によると、20代の単身世帯の平均貯蓄額は239万円という結果になっています。
一方、二人以上世帯は370万円という結果です。
「まだ、20代でそんなに貯金しているの?」と疑問を抱いた人もいるかもしれませんが、あくまでも平均値です。
平均値では、極端に離れた貯金額の人がいると、そちらに平均値が引き寄せられてしまいます。
そのため、正確な情報を知りたい場合は、中央値を見るのが基本です。
同調査結果によると、20代の単身世帯の貯蓄額の中央値は85万円、二人以上世帯は250万円となっています。
20代は奨学金の返済や結婚などの支出を伴う時期ですが、上記の金額を1つの目安として貯金しましょう。
30代(単身世帯・二人以上世帯)
30代の単身世帯の平均貯蓄額は533万円、二人以上世帯は810万円という結果です。
また、単身世帯の中央値は250万円、二人以上世帯は500万円という結果になっています。
30代は出産や住宅の購入などの支出を伴う時期ですが、住宅の購入は貯金に大きな影響を与えるため、賃貸か持ち家か検討する必要があります。
また、二人以上世帯の場合は、奥さんが出産で仕事を休む分、収入が少なくなる厳しい時期です。
この時期に散財すると、後のライフイベントに必要な資金が不足することになるので注意しましょう。40代(単身世帯・二人以上世帯)
40代の単身世帯の平均貯蓄額は1,177万円、二人以上世帯は1,238万円という結果です。
また、単身世帯の中央値は500万円、二人以上世帯は800万円という結果になっています。
40代は引き続き住宅ローンの支払いや子供の進学に費用がかかる時期です。特に二人以上世帯ではそれらにかかる支出が顕著になっているため、貯蓄額の差が単身世帯と縮まっています。
また、二人以上世帯の場合は、出産後に奥さんが職場に復帰またはパートによるサポートが期待できますが、30代と同様、散財しないように注意が必要です。
50代(単身世帯・二人以上世帯)
50代の単身世帯の平均貯蓄額は1,762万円、二人以上世帯は1,828万円という結果です。
また、単身世帯の中央値は711万円、二人以上世帯は1,186万円という結果に。
50代は子供の大学進学費用がかかる一方で、子供が学校の卒業とともに独立した場合には支出が少なくなる時期です。そのため、50代も単身世帯と二人以上世帯の貯蓄額に大きな差はありません。
二人以上世帯の場合には、ここからが老後の生活費を確保するために、ラストスパートする時期と言えます。
どれくらいお金を貯めるのか目標を決めて、計画的に貯めていきましょう。
60代(単身世帯・二人以上世帯)
60代の単身世帯の平均貯蓄額は2,218万円、二人以上世帯は2,415万円という結果です。
また、単身世帯の中央値は1,100万円、二人以上世帯は1,500万円という結果に。
60代は住宅ローンを完済している、子供が独立しているケースが多く、二人以上世帯でも大きな支出を伴うことが減ります。そのため、再び二人以上世帯の貯蓄額の方が大きくなる傾向があります。
金融庁の審議会によると、老後の生活費が2,000~3,000万円不足すると言われています。
60代は退職を控えている年齢で、その後の収入はほとんど期待できないため、それまでにこの金額を貯めておきましょう。
計画的に貯める方法4選
平成30年の「家計の金融行動に関する世論調査」に基づく年代別の貯金額を見て、「自分はそこまでお金を貯めていない」と不安に感じた人もいると思います。
もちろん、平均値や中央値を必ず満たしていなければならないというわけではありません。
しかし、お金はすぐに貯まるものではなく、後々苦労することになるので注意が必要です。
では、どうすればお金を効率良く貯められるのでしょうか?
お金を効率良く貯める方法として以下の4つの方法が挙げられます。
- 投資信託
- 株式投資
- 不動産投資
- FX
それぞれの方法について詳しく解説します。
投資信託
投資信託とは、自分でお金を運用するのではなく、運用の専門家にお金を預けて代わりに運用してもらう方法です。
自分で運用しないため、資産運用にかかる手間と時間を省ける、ある程度の安定した利益が期待できるというメリットがあります。
しかし、いくら運用の専門家と言っても運用に失敗する可能性があります。
元本保証がなく、最悪の場合には元本割れになってお金を減らす可能性もあるので十分に注意しましょう。
株式投資
株式投資とは、証券取引所に上場されている株式を売買することで利益を得る方法です。
売買によって大きな利益が期待できるほか、配当や株主優待がもらえるというメリットがあります。
しかし、取引できる時間が平日の9時~15時までと日中働いているサラリーマンには取引しにくく、投資信託と同様、元本割れの可能性もあるので注意が必要です。
不動産投資
不動産投資とは、投資用不動産を購入して貸し出すことによって継続的に家賃収入を得る方法です。
株式のように価格変動が大きくない不動産への投資なのでリスクが少なく、入居者がいる限りは安定した収入が期待できるというメリットがあります。
一方、入居者がいないと家賃収入が0になることも。
また、修繕による支出が増えるほか、災害によるリスクと隣り合わせなので、リスク管理や資金管理の徹底が必要とされます。
FX
FXとは、国家が発行している通貨を売買することによって利益を得る方法です。
売買による利益が期待できるほか、スワップポイントと呼ばれる株式投資の配当のような金利を毎日得られるというメリットがあります。
また、土日を除いて24時間取引できるため、日中は忙しいサラリーマンでも取引しやすい環境が整っています。
しかし、レバレッジを効かせると少額で取引できる一方、為替変動リスクが大きくなるというデメリットが。
気軽に始めやすいFXですが、リスク管理を徹底しておかないとあっという間にお金を失う可能性もあるため、しっかりリスク管理を行いましょう。
まとめ
人生には数多くのライフイベントがありますが、それらのイベントにはある程度のお金がかかります。
そのため、お金が足りなくて困ることがないように、計画的に貯金することが必要です。
しかし、貯金すると言っても、どれくらい貯めればいいか分からないという人も多いのではないでしょうか?
この記事に書かれている各年代の貯金額を確認すれば、貯金の計画を立てやすくなります。
お金に困らないようにするためにも、資産運用も組み合わせながら計画的に貯めていきましょう。