平均寿命が年々右肩上がりになっているので人生100年計画を立てる必要が出ています。
年金制度があっても、少子化で年金制度が破綻する可能性もあります。
では、いくら貯金があれば老後の生活に不安を感じないのでしょうか?
そこで今回は、いくら貯金があれば老後の生活に不安を感じないのか、お金を貯める方法を分かりやすく解説します。
貯金がないと老後の生活が不安?
退職後は、特に何も対策をしていなければ収入がなくなります。
しかし、日本は年金制度のおかげで、老後は働かなくても年金に加入していれば継続的に安定した年金を得ることが可能です。
そのため、「年金制度があるので貯金がなくても老後は大丈夫」と考えている人も多いかもしれませんが、本当に大丈夫なのでしょうか?
厚生労働省が発表した「平成31年度の年金額改定について」によると、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な厚生年金の年金額は221,504円となっています。一方、満額の国民年金は1人あたり65,008円です。
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、老後の最低日常生活費は月額平均22.1万円で、ゆとりある老後生活費は月額36.1万円という結果になっています。
あくまでも老後の最低日常生活費であるため、年金だけで老後の生活費を補うことはほぼ不可能です。
では、老後に不安を感じることなく安心して生活するにはいくら貯金があればいいのでしょうか?
いくら貯金があれば不安に感じないか
厚生年金のモデルケースでは、老後の最低日常生活費に足りましたが、厚生労働省年金局の「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金144,903円、国民年金55,518円とモデルを大きく下回っています。
仮に年金受給額を15万円として老後に必要な生活費を23万円とすると、毎月8万円ずつ不足します。
65~100歳まで35年間過ごすには、3,360万円不足することに。年金受給額と老後に必要な生活費で不足額は大きく異なりますが、老後に不安を感じないためには、最低でも3,000万円は貯金しておいた方が良いと言えるでしょう。
お金を貯める方法は全部で8つ
老後に不安を感じないために、最低でも3,000万円は貯金しておいた方が良いと言っても3,000万円貯金することは簡単なことではありません。
仮に30~65歳までの35年間で、毎月7万円貯めても2,940万円です。不足する生活費を補うには、効率良く貯金していくしかありません。
では、どんな方法があるのでしょうか?お金を貯める方法は以下の8つです。
- 無駄な支出を見直す
- 生活用口座と貯金用口座を分ける
- 退職を遅らせる
- 退職後も働く
- 不動産投資を始める
- 株式投資を始める
- ソーシャルレンディングを始める
- 投資信託を始める
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
無駄な支出を見直す
まずは無駄な支出を見直す方法です。
例えば、電気代やガス代、携帯電話代などは、見直す余地の大きい項目です。
電気やガス、携帯電話などは、これまでは大手企業の独占状態でしたが、格安でサービスを提供する企業の参入によって、安価でサービスを利用できるようになっています。
そのため、特に企業にこだわりがないのであれば、格安企業に乗り換えることで浮いた分のお金を貯金に回すことができるでしょう。
生活用口座と貯金用口座を分ける
続いては生活用口座と貯金用口座を分ける方法です。
生活用口座は、会社からの給料の振り込みだけでなく、ガス代・電気代・水道代などの引き落としが行われます。
生活用口座には、自由にお金を引き出せてしまうため、お金がなかなか貯まりにくいというデメリットがあります。
そこでおすすめするのが貯金用口座を別に設けることです。
貯金用口座に毎月一定額ずつ入金する、定期預金にするなどの工夫をすれば、確実にお金が貯まるほか、金利も良いので効率良くお金を増やせるでしょう。退職を遅らせる
年金の受給は65歳からとなっていますが、退職は就業規則で65歳までと引き上げている企業もあれば、再雇用を受けるか本人に任せる企業もあります。
ここで、60歳で早期退職することを選んでしまうと、その後の5年間は貯金を切り崩して生活することによって、大切な老後の資金を失うことになります。
そのような事態に防ぐためにも、再雇用を受けて少しでも老後に備えておくことが重要と言えるでしょう。
退職後も働く
退職後には、特に何か対策をしない限りは年金収入しか得られないため、不足した場合には貯金を切り崩すことになります。
しかし、退職後もシルバー人材センターといった就労先で働くことで、多少なりとも老後の生活費を補うことが可能です。
「退職後も働きたくない」と思っている人も多いかもしれませんが、老後の不安を少しでも解消したいという人には、退職後も働くという選択をおすすめします。
不動産投資を始める
不動産投資では、投資用不動産を購入して貸し出して家賃収入を得ますが、銀行から融資を受けながら始められる可能性もあるため、自己資金が少なくても始めることが可能です。
管理を不動産管理会社に任せれば、運用に必要な時間と手間を省けます。
家賃収入は老後の年金代わりになる、融資の完済後は売却することでまとまった資金が得られるため、老後の備えに適した資産運用と言えるでしょう。株式投資を始める
株式投資では、証券取引所に上場されている株式を売買することによって利益を得ますが、配当や株主優待を受け取ることも可能です。
そのため、業績が良く配当利回りの良い株式を所有すれば、銀行よりも効率良くお金を貯められます。
しかし、株式投資は平日の9~15時までしか取引できないため、日中忙しいサラリーマンは集中して取引することが困難です。
また、元本保証がなく、最悪の場合は上場廃止になって価値が0になる可能性もあるので注意が必要です。
ソーシャルレンディングを始める
ソーシャルレンディングでは、融資を必要としている企業に融資することによって、利息を代わりに受け取ります。
利息は数%あるため、銀行よりも効率良くお金を貯めることが可能です。
しかし、会社が破綻した場合は、元本を回収できないというデメリットがあります。
中には担保を提供している会社もあるため、不安に感じる場合にはそのような担保の付いている案件に融資すればリスクを抑えられるでしょう。
投資信託を始める
投資信託では、運用のプロが代わりに運用してくれるため、運用の知識や経験がない人でも始められます。
また、資産運用にかかる手間や時間を省けるというメリットがあります。
しかし、経験豊富な運用のプロが代わりに運用してくれても、勝率100%ではありません。
運用に失敗した場合には元本割れのリスクを伴うため、それらを理解した上で投資信託を始めるか決めましょう。まとめ
少子高齢化による社会保障費の負担が大きいため、財源を確保するために消費税が10%に上げられました。
支出がさらに大きくなることを考えると、将来に不安を感じる人も増えているのではないでしょうか?
退職とともに収入がなくなっても、年金に加入していれば退職後も年金を受け取れますが、平均受給額と老後に必要な生活費を比べると不足すると言われています。老後にお金が不足することに不安を感じないようにするためには、ある程度貯金しておくことが重要です。
貯金を増やすには、無駄な支出を抑える、退職後も働く、資産運用をするといった選択肢がありますが、中にはリスクを伴うものもあるため、よく考えてから取り組みましょう。