将来お金が必要になった時に備えるために貯蓄を行っている人は多いと思いますが、少子高齢化の進行によって貯蓄だけでは将来に備えることができない時代になりつつあります。
少子高齢化が進む現代で求められるのは貯蓄の運用です。
貯蓄の運用と言っても、具体的にどうすればいいのでしょうか?
そこで今回は、貯蓄の運用は必須なのか、将来に備えるための方法について解説します。貯蓄の運用は必須?
人生には様々なライフイベントがあります。例えば、結婚、子供の出産、子供の進学、車や住宅の購入、老後などです。
これらのライフイベントの中には、ある程度の支出を伴うものもあります。
それらの支出に備えるために貯蓄を行っている人も多いと思います。
では、そもそも貯蓄と投資はどこが異なるのでしょうか?
貯蓄の特徴について詳しく見ていきましょう。
貯蓄は安全に資産を増やすことができる
貯蓄とは、元本保証のあるまたは元本割れのリスクの低い投資方法を選んで資産を増やすことです。
例えば、銀行預金(普通預金・定期預金)、国債、社債などが貯蓄に含まれます。
銀行預金は、パイオフと呼ばれる制度によって、1金融機関当たり1,000万円までの元本とその利息が保証されています。
そのため、それを上回る金額を銀行に預けない限りは、元本割れすることがありません。
国債は国、社債は会社が破綻しない限り元本と利息を受け取れます。
社債は国債と比べると元本割れのリスクが高くなりますが、他の投資方法と比べると元本割れのリスクが低いと言えます。
そのため、なるべくリスクを抑えながら計画的に少しでも資産を増やしたいという人には、貯蓄がおすすめです。
貯蓄だけでは資産を大幅に増やすことができない
貯蓄はリスクを抑えながら計画的に資産を増やすことが期待できますが、得られる利益が少ないというデメリットがあります。
そのため、将来必要なお金がある程度の金額である場合には、貯蓄だけでは間に合わない可能性があるので注意が必要です。
もし、貯蓄だけでは将来に備えることができない場合には、貯蓄の運用を行うことによってより効率良く資産を増やしていく必要があります。
しかし、貯蓄の運用を行うと言っても、運用でせっかくの貯蓄を減らしてしまっては意味がありません。
そのため、どのような運用方法があるのか理解し、リスク管理を徹底しながら貯蓄の運用を行うことが重要と言えるでしょう。
代表的な貯蓄の運用方法5選
代表的な貯蓄の運用方法として、以下の5つが挙げられます。
- 株式投資
- 投資信託
- 不動産投資
- FX
- ソーシャルレンディング
それぞれの運用方法の特徴について詳しく見ていきましょう。
株式投資
株式投資とは、会社が発行している株式の売買を行うことによって差益を得る投資方法を指します。
証券取引所の開場中しか取引ができず、土日祝を除く平日9時から15時までに取引時間が限られています。
そのため、日中働いているサラリーマンがリアルタイムで取引を行うのはほぼ不可能です。
株式投資の取引対象である株式は価格変動が大きいため、貯蓄の運用方法の中では大きな利益が期待できます。また、株主優待や配当といった差益以外の利益も期待できるのが大きな特徴です。
しかし、価格変動が大きいということは損失も大きくなりやすく、会社が破綻すると株価の価値がゼロになるので注意が必要です。
そのため、貯蓄の運用方法として株式投資を選ぶ際には、分散投資や銘柄選定などのリスク管理の徹底が重要と言えるでしょう。
投資信託
投資信託とは、自分で株式や国債の取引を行うのではなく、運用のプロのファンドに資金を預けて代わりに運用してもらう投資方法を指します。
投資信託では、価格上昇による差益が期待できるだけでなく、配当に似た分配金と呼ばれる定期的に安定して受け取れる利息が期待できます。完全に運用のプロが代わりに運用してくれるため、資産運用の知識や経験がない初心者や資産運用の時間を確保できない人でも気軽に投資を行えるのがポイントです。
しかし、ファンドがいくら運用のプロと言っても、運用に失敗すれば元本割れが生じるので注意が必要です。
そのため、貯蓄の運用方法として投資信託を選んだ場合、どのファンドに運用を任せるのかしっかりと判断してから運用を開始しましょう。
不動産投資
不動産投資とは、アパートやマンションなどを購入して貸し出すことによって家賃収入を得る投資方法を指します。
貯蓄の運用方法と言えますが、貯蓄だけでは投資用不動産を購入する資金が足りないため、貯蓄に加えて金融機関から融資を受けるのが一般的です。
安定した家賃収入が期待できるため、老後の私的年金になるほか、返済完了後は売却すればまとまったお金が手に入るため、急にお金が必要になった場合に備えることもできます。しかし、マンションを1室だけ購入して運用した場合は、空室が生じると家賃収入がゼロになって、返済だけが残るので注意が必要です。
資産価値減少のリスクや空室のリスクを少しでも抑えるためにも、立地条件の良い物件を選ぶことが重要と言えるでしょう。
FX
FXとは、国が発行している通貨を売買することによって差益を得る投資方法を指します。
FXはレバレッジを効かせた取引ができるため、投資に必要な資金を抑えられるのが大きなポイントです。さらに、土日を除いて24時間取引できるため、日中忙しいサラリーマンでも取引しやすい環境が整っています。
スワップポイントと呼ばれる配当に似た通貨間の金利差を毎日受け取れるため、効率良く資産を増やしていくこともできます。
また、レバレッジを効かせた取引では、レバレッジを効かせた分だけ取引によって得られる差益を増やすことが可能です。
しかし、運用に失敗すると損失が大きくなるので注意が必要です。
そのため、貯蓄の運用方法としてFXを選ぶ場合、レバレッジの調整や通貨選びをしっかり行いましょう。
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、お金を借りたい会社とお金を増やしたい個人をマッチングさせる投資方法を指します。
社債に似ていますが、社債は1口が大きいため、なかなかまとまった貯蓄がない人は投資を行いにくいというデメリットがありました。
しかし、ソーシャルレンディングは一口が大きくないため、少額から始められるので容易に始めやすいと言えます。
利回りも5%を超えている案件が多く、効率良く資産を増やせることが期待できます。
ただし、貸付先の会社の経営状況によっては予定通りの利息を受け取れるとは限りません。
また、貸付先の会社が破綻した場合は、利息を受け取れないだけでなく元本割れの可能性もあるため、案件をしっかりと選ぶことが重要と言えるでしょう。
まとめ
老後の備えの場合には、他のライフイベントと比べると必要とする金額が大きく、高齢化が進んでいる現状を考えると、少しでも資産を増やしておいた方が良いと言えます。
そこで重要なのが貯蓄の運用です。
貯蓄は計画的に資産を増やしていくことができますが、そこまで大きく資産を増やすことができません。
しかし、貯蓄の運用を行えば、効率良く資産を増やすことが期待できます。
貯蓄と比べると投資はリスクが高いため、貯蓄の運用を行う際はしっかりとリスク管理を行いながら取り組みましょう。