資産運用について色々と調べていると保険が貯金につながるという内容を見つけて疑問に感じた人も多いのではないでしょうか?
保険とは、もちろん万が一の事態が生じた場合に備えておくためのものですが、最近は投資に近いタイプの商品も増えてきています。
そこで今回は、少しでも貯金を増やしたい方に向けた投資方法として注目を集める保険がどんなものなのかについて詳しく解説していきます。
保険がなぜ貯金につながるのか
保険会社は、保険に加入している人から集めたお金だけで保険金の支払いに充当しているわけではありません。
サービスを拡充するために、集めたお金を運用して資金を潤沢にしています。集めるお金が少なくなると、運用の予算が少なくなり、安定したサービスの提供を行えなくなるため、途中解約をいかに抑えることができるかが保険会社の課題と言えます。
そこで登場したのが貯蓄型の保険です。
一般的な保険は掛け捨て型になっていて、加入中に万が一の事態が発生した場合には保険金が得られますが、何もなかった場合には保険料が回収されてしまいます。
貯蓄型の保険は、万が一の事態が発生しても保険金が支払われるだけでなく、何もなくても解約返戻金や満期保険金が得られるため、貯金と同じ効果が期待できます。
保険に投資するメリットとは
保険に加入することが貯金につながるという仕組みは分かりましたが、具体的にはどんなメリットがあるのでしょうか?
保険に投資するメリットは以下の通りです。
- 気軽に始められる
- 定期預金よりも金利が高い
- 万が一に備えることができる
- 自動的に貯金される
- 節税効果が期待できる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
気軽に始められる
株式投資やFXを自身で行うには、ある程度の知識や経験が伴っていない状態ではリスクが高くなってしまいますが、保険に投資する場合には、毎月一定の掛け金を拠出するだけです。
普通に保険に加入しているのと同じ状況であるため、資産運用を行っていると気負うことなく、気軽に始められるのがメリットと言えるでしょう。
定期預金よりも金利が高い
気軽に始められる資産運用には、銀行の定期預金があります。
しかし、マイナス金利政策が行われているような状態なので、定期預金の金利も過去最低水準まで落ち込んでいます。
貯蓄型の保険は、30年間かけた場合に110%で還元されるといったような仕組みになっています。定期預金も貯蓄型の保険も、提供している機関が破綻しない限り保護されることを考えると、定期預金よりも貯蓄型の保険の方が優れていると言えるでしょう。
万が一に備えることができる
貯蓄型の保険は、貯金ができる投資としての側面があるものの、従来の保険としての役割もしっかりと果たしてくれます。
そのため、もし万が一の事態が発生したとしてもしっかりとサポートが受けられるのがメリットです。
例えば、貯蓄型の保険の1つである学資保険は、万が一の事態が生じても入院給付金や手術給付金などが受け取れるだけでなく、残りの保険料の支払いが免除になるなど、サポートがしっかりしていると言えるでしょう。
自動的に貯金される
自分で意識して貯金を行っていく場合には、給料が振り込まれた口座から生活費を引いて別口座にお金を移すなどの手間が生じます。
しかし、貯蓄型の保険の場合には、登録した口座から掛け金が自動で引き落とされることになっているため、毎月入金するといった手間を省くことができます。
手続きに手間がかかるだけなので「投資を行っている」と意識することなく、気軽に貯金につなげられると言えるでしょう。
節税効果が期待できる
貯蓄型の保険は、万が一の事態に備えた保険としての効果があるだけでなく、貯金としての効果が期待できるだけではありません。
保険に加入する際に払った保険料は、生命保険料控除という控除が受けられます。所得税・住民税から税金が控除されるため、節税効果にも期待できるでしょう。
保険に投資するデメリットとは
保険への投資には、万が一に備えることができる、節税効果が期待できるなどのメリットがありましたが、何かデメリットがあるのでしょうか?
保険に投資するデメリットは以下の通りです。
- 保険料が掛け捨てよりも高い
- 元本割れする可能性がある
- 長期間の加入が必要
- 予定利率が変わる可能性がある
それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
保険料が掛け捨てよりも高い
掛け捨て型の保険と貯蓄型の保険を比べると、掛け捨て型の保険の方が低く掛け金を設定されているのが一般的です。
そのため、貯蓄型の保険を選ぶと、1回あたりの負担が大きくなってしまいます。
貯蓄型の保険は、支払った掛け金が解約返戻金や満期保険金として戻ってきますが、途中で支払いをやめてしまうと、その恩恵を受けることができません。
元本割れする可能性がある
貯蓄型の保険は、返礼率が高いタイミングや満期を迎えるタイミングまで加入していれば、元本割れするリスクは保険会社が破綻する以外にほとんどないと言えます。
しかし、返礼率が低いタイミングでの解約や満期を迎える前に解約を行った場合には、元本割れが起きる可能性があります。
長期間の加入が必要
終身保険を一括で払うといったケースを除いて、貯蓄型の保険は、長期間の加入が一般的になっています。
例えば、5年や10年などのように、保険商品ごとに加入期間が設定されています。上記で触れたように、貯蓄型の保険は掛け金が高いだけでなく、途中解約の場合には元本割れするリスクも伴います。
予定利率が変わる可能性がある
予定利率とは、現在の経済状況などから予測した利率です。
そのため、経済状況が良くなる場合には、予定利率が引き上げられますが、経済状況が悪くなる場合には、予定利率が引き下げられます。
貯蓄型の保険は、解約返戻金や満期保険金が元本部分を上回っているため、元本保証されているのと同様の安心感がありますが、もし経済状況が悪化して予定利率が引き下げられた場合には、それらを下回ってしまう可能性もあります。
また、経済状況が悪化している場合には、保険会社の運用が不安定になり、破綻による元本割れのリスクを伴う可能性もあります。
まとめ
保険と聞くと、万が一に備えておくために加入しておくもので、掛け捨てというイメージがありますが、貯金につなげることができる貯蓄型の保険もあります。
貯蓄型の保険の中には、解約返戻金として元本+利息を得られるものもあれば、満期保険金として元本+利息を得られるものもあります。比較的リスクが低いことから、投資方法の1つとして選ばれることが多くなっていますが、メリットだけでなくデメリットもあるため、それらを総合的に考えた上で、加入するようにしましょう。