人生には、結婚や出産、子供の進学、住宅購入といった様々なライフイベントがあります。
それらのライフイベントの中には、ある程度の支出を伴うものもあります。
それらのイベントを問題なくこなすためには、計画的な備えておくことが求められますが、貯蓄から投資へ切り替えた方が良いのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、貯蓄から投資への切り替えが重要なのか、貯蓄と投資の違いを解説します。貯蓄から投資への切り替えが重要?
ライフイベントには支出を伴うものも数多くあります。
それらのイベントに備えて貯蓄を行っている人も多いと思います。
しかし、貯蓄だけではイベントに必要な資金を補いきれない可能性があるので注意が必要です。
例えば、40歳の人が65歳までの25年間で老後に備えるために2,000万円の貯蓄を行うには、毎月約67,000円貯めていかなければなりません。
とは言っても、住宅の購入費用や子供の進学費用といった支出も伴うため、毎月これだけの金額を貯めていくのは難しいと言えます。
そのため、将来に備えるには、貯蓄から投資へと切り替えていくことが重要と言えるでしょう。
貯蓄のメリットとデメリット
貯蓄から投資へと切り替えていくにあたって、まずは貯蓄と投資の違いを理解することが重要です。
貯蓄はリスクを抑えながら堅実に資産を増やすこと、投資はリスクを負ってでも積極的に資産を増やすことを意味します。
貯蓄の主なメリットとデメリットは以下の4つです。
- 安定して資産を増やすことができる
- 計画的に資産を増やすことができる
- インフレリスクを伴う
- 大きく資産を増やすことができない
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
安定して資産を増やすことができる
貯蓄の代表的な手段として、預金(普通預金・定期預金)、国債、社債などが挙げられます。
預金はペイオフという制度によって、1金融機関当たり1,000万円までの元本とその利息が保護されています。
また、国債は国が破綻しない限り、社債は会社が破綻しない限り元本が保証されているため、元本割れのリスクが高い投資と比べると安心です。
そのため、少しでも元本割れのリスクを抑えながら確実に資産を増やしていきたいという人には貯蓄が良いと言えるでしょう。
計画的に資産を増やすことができる
預金や国債、社債はあらかじめ決まっている利息を一定の時期に受け取れるため、計画的に資産を増やすことができます。
そのため、子供の進学といった、いつイベントが発生するかあらかじめ決まっているライフイベントに備えるのに適していると言えます。
定年のタイミングも決まっているため、老後に向けて計画的に資産を増やしたい場合にも適していると言えるでしょう。
インフレリスクを伴う
インフレリスクとは、物価やサービスの価値向上で、相対的にお金の価値が下がるリスクを指します。
預金や国債、社債は、預けた元本部分に利息が上乗せされるだけなので、お金であることは変わりません。
そのため、インフレが生じた場合には、そのインフレリスクの影響を大きく受けることになります。
インフレリスクを抑えるのであれば、お金として保管しておかずに、不動産や金などものに交換して保管した方が良いと言えます。
大きく資産を増やすことができない
預金や国債、社債は、元本割れのリスクが低く、安定して資産を増やせるのが大きな魅力と言えますが、リスクが低い反面、得られる利益が少ないというデメリットがあります。
そのため、大きく資産を増やすことができないという点に注意が必要です。
計画的に資産を増やすことができるため、老後に向けてお金を計画的に増やしたい場合にも適していると言えますが、貯蓄では目標金額を達成できない可能性があります。そのため、目標金額によっては貯蓄ではなく投資を選んだ方が良いと言えるでしょう。
投資のメリットとデメリット
貯蓄にメリットとデメリットがあったのと同様、投資にも以下のメリットとデメリットがあります。
- 運用に成功すれば大きく資産が増える
- インフレリスクに備えられる
- 資産が減る可能性もある
- 資産形成が不透明である
それぞれについて詳しく解説します。
運用に成功すれば大きく資産が増える
投資の代表的な手段として、株式投資、FX、不動産投資などがあります。
これらを選択して運用を行ってうまくいけば、大きな利益が期待できます。
預金や国債は年利1%を大きく下回っていますが、社債は年利1%を上回っているものも。しかし、株式投資やFX、不動産投資は年利1%を大きく上回ることが多く、少しでも資産を大きく増やしたい人は投資を選んだ方が良いと言えるでしょう。
インフレリスクに備えられる
インフレが生じるとお金の価値が下がりますが、お金をものに変えてから運用する投資はインフレリスクを抑えることが可能です。
インフレは景気が上向きの場合に発生するため、株価の上昇、不動産価値の上昇などが期待できます。
現在のようにデフレが続いている状況では、インフレに転換する可能性が高く、インフレを考慮して投資を選ぶのも1つの方法と言えます。
資産が減る可能性もある
投資は貯蓄とは異なり、元本保証がありません。
元本割れのリスクを伴うことから、運用に失敗した場合には資産が減る可能性があるので注意が必要です。
そのため、投資を選んだ場合はリスク管理を徹底することが重要です。
例えば、投資方法を1つに絞るのではなく、分散投資を行うことでリスクを分散する、リスクの低い投資方法を選ぶなどの方法が挙げられます。
リスク管理を徹底すれば、資産が減る可能性を少しでも抑えられるでしょう。
資産形成が不透明である
貯蓄は計画的に資産を増やしていくことができましたが、投資は利益が得られるかどうか決まっていないため、資産形成が不透明であるというデメリットがあります。
そのため、いつまでにいくら貯めなければならないという状況にはあまり適していません。
計画的に資産形成を行いたいのであれば、投資よりも貯蓄を選んだ方が良いと言えます。このように貯蓄と投資にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
これらを踏まえて、貯蓄と投資を目的に応じて使い分けることが重要と言えるでしょう。
イベントに応じて使い分けることが重要
計画的に確実に貯めなければならないお金に関しては、貯蓄を選んだ方が良いと言えます。
しかし、老後のお金のように、ある程度のお金を貯めなければならない場合には、貯蓄から投資へ切り替えることをおすすめします。
特に少子高齢化によって、年金の受給額が今後維持されるかどうか分からず、老後の期間が長くなっているなど、老後の不安が大きいのが現状です。
安心して老後を迎えるためにも、貯蓄から投資に少しずつ切り替えて、大きく資産を増やすことも視野に入れることが重要と言えるでしょう。まとめ
貯蓄は元本割れのリスクを抑えながら堅実に資産を増やしたい場合に適しており、投資はリスクを負うものの少しでも資産を大きく増やしたい場合に適しています。
どちらもメリットとデメリットを伴いますが、老後の備えのようにある程度のまとまった資金を必要とするようなイベントには、貯蓄よりも投資を選んだ方が良いと言えます。
そのため、老後の備えとして貯蓄を行っている人には、貯蓄から投資へと切り替えることをおすすめしますが、元本割れのリスクを伴うのでリスク管理の徹底を忘れないようにしましょう。