会社に給料を振り込んでもらうため、計画的に貯金するためなど、様々な目的で銀行口座を開設している人がいます。

銀行口座は1つしか開設してはいけないというルールはないため、複数の口座を開設している人もいると思いますが、分散することは重要なのでしょうか?

そこで今回は、貯金は分散が重要なのか、貯金を分散する際のメリットとデメリットを解説します

貯金は分散が重要?

貯金は分散が重要?

様々な目的で銀行口座を開設している人が多いと思いますが、中には「銀行に預けていても利息が小さいのでタンス預金をしている」という人もいるのではないでしょうか?

確かに、メガバンクの普通預金金利は0.001%程度と、100万円預けても10円程度の利息なので、銀行に預ける必要はないとも言えます。

しかし、タンス預金は、強盗にあうリスクや火災などでお金が焼失するリスクを伴うため、銀行に貯金した方が安全です。

また、たとえ0.001%でも利息を受け取れるため、少しでも資産を増やしたい人は銀行に預けた方が良いと言えます。

銀行はお金を預かっているだけではありません。

預かったお金を運用して得られた利益を利息として還元しており、運用に失敗すると破綻に至ることも

過去には北海道拓殖銀行が経営破綻して混乱を招きました。

このような破綻リスクを伴うこともあるため、貯金は分散した方が良いと言えるでしょう。

貯金を分散する2つのメリット

貯金を分散する2つのメリット

「銀行は頻繁に破綻するものではないので、貯金を分散しなくてもいいのでは?」と思った人もいると思います。

しかし、貯金を分散することには以下の2つのメリットがあるため、なるべく分散した方が良いと言えます。

  • 金利変動のリスクを抑えられる
  • 破綻リスクを抑えられる

それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

金利変動リスクを抑えられる

貯金に適用される利息は、どこの銀行でも同じというわけではありません。

銀行によって適用される利息は異なっています。

そのため、少しでも金利が高い銀行に預けた方が良いと言えます。

しかし、金利が高い銀行に貯金していても、その金利がいつまでも適用され続けるわけではありません。

景気や銀行の経営状況によって金利は変動します。これが金利変動リスクです

1つの銀行にだけ貯金していると、金利変動リスクを1点に集中して受けてしまいますが、いくつかの銀行に分散して貯金していれば金利変動リスクを抑えられます。

破綻リスクを抑えられる

銀行も企業なので、経営がうまくいかない時は破綻に陥る可能性があります。

銀行が破綻すると、口座の貯金はどうなるのでしょうか?

通常は破綻すると保証されませんが、ペイオフと呼ばれる預金者の貯金を保護する制度で貯金は保護されているので安心です。

しかし、ペイオフは、貯金全額に適用されるわけではありません

ペイオフでは「1金融機関あたり1,000万円とその利息まで」と上限が決められています。

その金額を上回る貯金に対してはペイオフが適用されないため、1,000万円を上回る貯金は破綻リスクが高くなります

複数の銀行で口座を開設して、分散して貯金すれば、各銀行にてペイオフが適用されます。

そうしておけば、破綻リスクを少しでも抑えられるでしょう。

貯金を分散する2つのデメリット

貯金を分散する2つのデメリット

貯金を分散することには、金利変動のリスクを抑えられる・破綻リスクを抑えられるという2つのメリットがありましたが、何らかのデメリットがあるのでしょうか?

貯金を分散する主なデメリットは以下の2つです。

  • 管理が行き届きにくくなる
  • 金利が低くなる可能性がある

それぞれのデメリットについて詳しく解説します。

管理が行き届きにくくなる

5,000万円程度のお金を有している状況で、金融機関の破綻リスクから貯金を守るには、最低でも6つの銀行に分けて貯金しなければなりません。

しかし、6つの銀行に分けて貯金すると、6つの通帳に6つのキャッシュカードを管理することになるため、管理が大変になります

2018年1月1日に「休眠預金等活用法」が施行されており、引き出しや預け入れ、振込入金や記帳、残高照会などを行っていない口座は休眠口座として扱われるようになりました。

休眠口座になってしまうと、ATMの利用ができなくなる、預金の払い出しに時間がかかるというデメリットがあります。貯金を分散して管理が行き届きにくくなると、休眠口座が生じやすくなるので注意が必要です。

金利が低くなる可能性がある

銀行の定期預金の場合には、貯金の金額で適用される金利が異なるのが一般的です。

銀行は大口預金に対して特典を用意しているケースが多く、貯金を分散するとペイオフの制度が適用される一方で、これらの特典が適用されなくなるというデメリットがあります。

貯金の金額によって適用される金利が低くなる銀行の場合は、分散すると金利が低くなる可能性が高く、効率良く貯金を増やせなくなるので注意が必要です。

貯金以外にも不動産や金を組み合わせる

貯金以外にも不動産や金を組み合わせる

貯金を分散することで、金利変動リスクや破綻リスクから貯金を守ることができる一方で、管理が大変になる、金利が低くなるということがデメリットとして挙げられました。

また、貯金はお金を預けておくことなので、インフレのように物価が上昇してお金の価値が下落するような状況では、貯金は不利になってしまいます。

そこでおすすめするのが、お金をそのまま貯金するのではなく、株式や金、不動産に交換して所有するという方法です。

不動産や金の特徴について詳しく見ていきましょう。

株式

株式とは、証券取引所に上場されている株式を取引することで、差益を得る運用方法です。

株式の価格変動は大きく、大きな利益が狙えるという特徴があります。

また、差益以外にも配当や株主優待が得られるというメリットも。

しかし、価格変動の大きさは損失が大きくなりやすいというデメリットと隣り合わせです。

破綻した場合や上場廃止になった場合には、価値が0円になる可能性もあるので注意しましょう。

不動産

不動産は株式のように価格変動が大きくなく、安定した価値を有しているほか、賃貸として貸し出すことによって家賃収入を得ることができるという特徴があります。

流動性は株式のように高くありませんが、安定した価値を有する資産の1つとして注目を集めています。

金は世界共通の価値を有しているため、不動産よりも流動性が高いという特徴があります。

また、景気が悪くなった時は、安全資産である金の需要が高くなるという特徴も。

つまり、景気が悪くなると、保有リスクが高くなる株式が売られる一方で、安全資産の金が買われるため、両方持っていれば価格変動のリスクを大きく抑えることができるでしょう。

まとめ

まとめ

銀行口座を開設して貯金している人も多いと思いますが、1つの銀行に貯金していると金利変動リスクや破綻リスクを1点に受けることになります。

それらのリスクを抑える方法として複数の銀行に口座を開設して、貯金を分散するという方法が挙げられます。

しかし、貯金を分散すると管理が行き届きにくくなる、金利が低くなるというデメリットも。

また、物価が上昇するインフレが起きると、お金の価値が下落するため、お金を貯金しても損をする可能性があります。

お金として貯金するのではなく、お金を金や不動産、株式などの他の資産に交換・分散していれば、貯金のデメリットやお金のリスクを抑えられるでしょう。

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