これから老後を迎える人の中には、平均寿命が延びたことで生活費が不足しないか不安に感じている人も多いでしょう。

平均寿命が延びて医療費や介護などの生活費が増えても支給される年金の額は変化しないため、しっかりと老後に備えておかないと老後破綻する可能性が高くなるので注意が必要です。

そこで今回は、老後の貧困を回避するための方法について解説します

老後貧困の実体とは

老後貧困の実体とは

「退職時に退職金が貰えて、老後は年金が貰えるのに老後貧困に陥るの?」と疑問を抱いた人も多いのではないでしょうか?

生活保護受給世帯の数を調べてみると、2000年から右肩上がりに増加しており、特に高齢者世帯の増加が目立っています。

2000年に生活保護を受給していた高齢者世帯の数はおよそ33万世帯でしたが、2016年はおよそ84万世帯と2.5倍以上になりました

生活保護受給世帯全体の半数以上を高齢者が占めるようになっているなど、老後貧困が深刻化していることが分かります。

その背景には、非正規雇用者の増加が挙げられます。

賃金労働者の半分近くがパートや派遣などの非正社員で、これらの労働者が無年金または低年金へとつながり、老後の収入が確保できない状況を生み出しています。

また、働いていれば退職金を必ず貰えると思っている人もいるかもしれませんが、退職金に関する規定が雇用契約に盛り込まれていない企業では貰えません。

そうなると、さらに老後貧困に陥る可能性が高くなるため、老後貧困に陥らないように備えることが重要と言えるでしょう。

老後に必要な費用とは

老後に必要な費用とは

老後貧困に陥らないようにするためには、老後にいくら必要なのか把握して、不足する分を貯めておく必要があります。

生命保険文化センターの調査では、夫婦2人がゆとりある老後生活を送るのに必要な生活費は毎月約35万円必要という結果が出ています。

高齢夫婦無職世帯の年金の平均月額は約18万円であることを考えると、毎月約17万円も不足することになります

65~90歳までの25年間元気に過ごしたとすると、約5,100万円不足することになるので注意が必要です。

「5,100万円も貯めるなんて無理」と思った人もいるかもしれませんが、ゆとりある生活を送るために必要な生活費を基準にしているため、節約すればもっと抑えることが可能です。

 毎月の生活費を約25万円に抑えた場合でも、毎月約7万円不足、25年後には約2,000万円不足するため、最低でも2,000万円は貯めておく必要があるでしょう。

老後貧困に陥りやすい人の3つの特徴

老後貧困に陥りやすい人の3つの特徴

老後貧困に陥る人の中には、退職金や年金を貰っていても老後貧困に陥る人もいます。

なぜ、安定した老後の収入があるにもかかわらず、老後貧困に陥ってしまうのでしょうか

老後貧困に陥りやすい人には以下の3つの特徴があります。

  • 過剰な教育費を出してしまう
  • 自立しない子供にお金をかけてしまう
  • 老後の貯蓄を後回しにしてしまう

それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

過剰な教育費を出してしまう

1つ目の特徴は、過剰な教育費を出してしまうことです。

日常生活で伴う大きな支出として、「住居・教育・老後」の3つがあります。

老後の費用を確保するには、住居と教育の支出をいかに抑えるかが重要ですが、住居はある程度限界があるため、教育をどう抑えていくかが重要です。

しかし、「子供にたくさん習い事をさせたい」「私立に通わせたい」など、教育に力を入れる人もいます。

子供を幼稚園から高校まで公立に通わせて、大学のみ私立に通わせた場合でも子供1人当たり約993万円かかると言われています

子供が2人いる場合には2倍の2,000万円、習い事や塾の月謝、幼稚園から私立となるとさらに上乗せになります。

 良かれと思ってしていることでも、自分の老後の首を絞めている可能性もあるので、見直してみる必要があると言えるでしょう。

自立しない子供にお金をかけてしまう

2つ目の特徴は、自立しない子供にお金をかけてしまうことです。

老後に得られる年金の額は、老後に最低限の生活を送るのに必要な生活費に基づいて決められていますが、養う家族の数が多い状態が続いていれば、全く足りなくなります。

子供が高校や大学を卒業したことをきっかけに働きに出れば、子供の生活費がかからなくなると思っている人も多いのではないでしょうか?

しかし、実際には両親と一緒に暮らしながら会社に通うことも多く、以前と変わらず子供の生活費がかかる可能性があります

 就職していても経済的に自立していない、高学歴ニートの子供の場合には、いくら退職金や年金を貰っていても老後貧困に陥る可能性が高いので注意しましょう。

老後の貯蓄を後回しにしてしまう

3つ目の特徴は、老後の貯蓄を後回しにしてしまうことです。

日常生活で伴う大きな支出には「住居・教育・老後」の3つがあることについて触れましたが、老後費用はいくら必要かが分かりにくいため、どうしても住居・教育の方に比重を置いてしまいがちです。

そうなると、「老後資金を貯めなければ」と気づいた時は既に遅く、退職金も住宅ローンの返済に回ってしまって年金のみに頼る生活になってしまいます。

 高齢化が進んでおり、人生100年時代を立てる必要が生じていることを考えると、「住居・教育・老後」の中で老後に比重を置く必要が生じていると言えるでしょう。

老後貧困を防ぐための方法2選

老後貧困を防ぐための方法2選

老後貧困を防ぐためには、最低でも2,000万円を貯めておく必要があります。

仮に、20歳~60歳までの40年間で2,000万円貯めるには、毎月41,667円ずつ貯めないと2,000万円に到達しません

しかし、初任給20万円で住居費や食費などの生活費、税金を納めていると毎月約4万円を貯めていくのは困難と言えます。

そのため、老後資金を貯めるには、ただ貯めるのではなく資産運用で効率良くお金を貯めていく必要があります。

老後貧困を防ぐ方法は以下の2つです。

  • 不動産投資
  • 投資信託

それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

不動産投資

1つ目の老後貧困を防ぐ方法は、不動産投資です。

「不動産投資を始めるには、多くの資金が必要になるのでは?」と思った人もいるかもしれませんが、条件が合った場合には銀行から融資を受けながら始められるため、自己資金が少なくても始められます。

返済は安定して得られる家賃収入で対応できるほか、返済完了後は家賃収入が老後の私的年金代わりになります

また、病気や介護などで急に大きな資金が必要になった場合でも、売却すればまとまったお金が手に入るので万が一にも備えやすいでしょう。

投資信託

2つ目の老後貧困を防ぐ方法は、投資信託です。

投資信託は、少額から運用できるだけでなく毎月少しずつ積み立てていくこともできるため、効率良くお金を増やしていくことが可能です。

日中働いているサラリーマンが株式投資を始めるには、取引時間が平日9時~15時なので、リアルタイムでの取引はほぼ不可能です。

土日を除いて24時間取引できるFXはサラリーマンでも取引しやすいですが、知識や経験を必要とするため、「始めるまでに時間がかかる」「リスクが高い」と言えます。

しかし、投資信託は、運用のプロが代わりに株式や国債などに対して運用してくれるため、運用の手間を省けるだけでなく運用のリスクを抑えられます

投資信託の中には、利回りが10%を上回るものもあることを考えると、効率的な運用方法と言えるでしょう。

まとめ

まとめ

老後貧困に陥った時は生活保護を申請するのも一つの方法ですが、生活保護は申請すれば誰でも受けられるものではありません。

そのため、老後貧困に陥らないように老後に備えておくことが重要です。

老後貧困を防ぐには、最低でも2,000万円貯めておく必要があります

ただ貯めるだけでは簡単には貯まらないため、不動産投資や投資信託といった資産運用をうまく組み合わせて計画的に貯めていきましょう。

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