老後生活の中で「いつまで健康でいられるか?」は誰もが関心を寄せるテーマですよね。

特に老後は病気や怪我のリスクの他に、介護が必要になる可能性も考えられます。

そんな時、同居してくれるお子さんがいる場合は、親としては心強いでしょう。

しかし、必ずしも同居に関する意見が、お子さん一致するとは限りません。

老後の親子同居は、後にトラブルに発展するケースも少なくないのです

今回は、そんな「老後を迎えた親子の同居が抱えるリスク」に関するお話です。

老後の親子同居を安易に決めるのは危険

老後の親子同居を安易に決めるのは危険

まず最初に、老後を迎えた親との同居が抱えるリスクをご紹介します。

老後は介護が必要になることも多く、子供が同居してくれることは心強いはずです。

親からすれば、子供との同居が嬉しいでしょうし、何よりも安心できるでしょう

しかし、お子さんがご結婚をされている場合は、嫁姑問題などのリスクが生じます。

他にも、老後の親子同居は、冷静かつ慎重な判断が求められるのです。

そこで、まずはその理由や、考えられるリスクなどを正しく理解しましょう。

老後の親子同居の判断は冷静に判断するべき

あなたは老後の住まいについて、どんなビジョンをお持ちでしょうか?

  • 夫婦水入らずで2人の老後を過ごしたい
  • 息子夫婦と二世帯同居の生活にしたい
  • 独身なので特に老後も変わらない

色々なケースが考えられますが、老後に親夫婦と子供が同居するのは注意が必要です。

老後は健康面の不安もあるので、お子さんがいる夫婦にとって、同居はありがたいですよね。

お子さんとの同居のために、自宅を二世帯住宅にリフォームをする方もいるでしょう。

しかし、何か問題が生じた場合は、再度の転居が必要になることもあります

高齢になるにつれ、介護付きマンションに転居することになるかもしれません。

そのため、老後の住まいは慎重かつ冷静に、未来を見据えて決めましょう。

無駄な支出を増やしてはいけません

お子さんと同居を楽しみな人もいると思いますが、ここは冷静になってください。

リフォームや複数回の転居などは、決して安いとは言えません。

老後は多くの支出が予想される上に、年金だけでは生活は楽にならないはずです。

そんな中で、過大な費用をかけることは、老後資金に打撃を与えてしまうでしょう。

老後の住まいを慎重に決めることの重要性を忘れないようにしてください。

親が老後を迎えた際の子供の選択肢

老後を迎えた際、親子の介護問題は避けられません。

これは子供側からしても、ある程度は覚悟ができているでしょう。

元気なうちは問題ありませんが、10年〜20年後には介護が必要になる可能性は高いです。

実際にその時が訪れた際、子供側にはどんな選択肢があるのか、確認しておきましょう。

親側の意見を尊重する

子供にとっては、自分を育ててくれた、かけがえのない大切な親です。

そんなご両親の意見を尊重して、介護のスタイルを決めるという場合は多いです。

この場合、親側もお子さんの姿勢に感謝しつつ、十分な話し合いをしましょう。

双方が納得するような結論に至れることが、後のトラブル回避に繋がります。

遠距離介護

親側の家に車で30分以上かけて介護に行く場合は、遠距離介護と呼んでいいでしょう。

介護が必要になって間もない頃は、子供側にそこまでストレスを与えないかもしれません。

しかし、いずれ毎日のように訪れる必要が出てくる可能性も考えられます。

こうなった時に、お子様側にかかる負担は予想以上に大きなものとなるでしょう。

そのため、遠距離介護が必要になる状況は、なるべく避けるべきだと言えます。

親と同居して介護をする

老後に介護が必要になる状況を見越して、親子が同居する人も多いでしょう。

老後の親子同居は、親からすればとても安心感があります。

すぐ側に誰かがいてくれるだけでも、精神的にも余裕を持って生活ができるはずです。

しかし、子供側からすれば、親子同居が大きなストレスに発展することもあります。

特に嫁姑問題は、同居前は良好だった関係が、同居を期に壊れてしまうこともあります

そんな関係性の中で、介護が必要になる時期を迎えるのは、お互いに最悪な状態でしょう。

同居は、親側・子供側の双方の逃げ場がなくなるという解釈もできます。

客観的な視点で冷静に同居するべきかの判断を下すべきでしょう。

親と近居して介護をする

老後を迎えた親と子が、24時間365日同じ屋根の下で生活をするのが老後の同居です。

特にお子さんに配偶者がいる場合は、ストレスを与えてしまうことになりかねません。

しかし、親の家の近所に転居をしてくる「近居」なら、ほとんどの問題は解決できます。

親の介護を見据えた、親子の住まい問題のベストな選択肢は近居だといえるでしょう。

毎日のように親の介護が必要になっても、近所であれば負担は減らせます。

しかも、同居するわけでないので、親子関係も良好に保てる可能性が高いのです。

二世帯住宅への建て替えにも注意

老後を迎えるにあたり、二世帯住宅の建築を検討する人も多いでしょう。

子供側も、二世帯住宅であれば、同居をしてもいいと考えることもあるはずです。

しかし、二世帯住宅だからといって、トラブルが確実に回避できるわけではありません。

この場合、嫁姑問題の他に、相続関係での揉め事も生じやすくなります

また、1度同居を初めてしまうと、同居解消の決断はとても難しいです。

嫁姑問題が生じている場合、さらに関係がこじれる原因になってしまいます。

同居ではなく近居がおすすめ

特別な理由があり、親子双方が納得している場合でない限りは、同居は避けましょう。

ベストな選択は、老後を迎えた親の近所に子供側が転居することです。

親側は、現状の生活に加えて、家族による介護が期待できます。

これだけでも安心感が得られますし、これまで以上にコミュニケーションも取れます。

ただし、子供側の仕事や、お孫さんの教育などに負担をかけないように意識しましょう

介護が必要になれば、子供側に負担を強いることになるのは確実です。

せめて、介護が必要ない間は、子供側への負担を減らせるように意識してください。

譲れない部分より妥協点を見極めることが大切

いくら近居と言えども、嫁姑間での問題が生じる可能性はあります。

しかし、24時間365日いつも同じ屋根の下で二世帯同居をするわけではありません。

同居と近居で、嫁姑問題のリスクを比較してみれば、その差は圧倒的と言えるでしょう。

老後の住まいを決める際は、そういった「判断の妥協点」を定めることも大切です。

親子双方にとって、老後の住まいの選択は重要な決断になるでしょう

お互いの意見を尊重し合い、妥協する部分も踏まえて、納得するまで話し合ってください。

同居と近居のメリット・デメリットを比較

同居と近居のメリット・デメリットを比較

ここまでにお話したように、親の介護を見据えた場合、ベストの選択肢は近居です。

特別な理由がない限り、同居は避けた方が幸せな老後生活を送れるでしょう。

近居は、親側・子供側の双方が良好な関係を保てるポイントになるといえます。

メリットが多くて、デメリットが少ないことも、近居をおすすめする理由です。

詳しくは、この項目を参考にして、最終的な決断にお役立てください。

同居のメリット

老後の両親と同居する最大のメリットは、親側の安心感です。

体調を崩したときや、万が一の時に、すぐにサポートしてもらえる安心感が得られます。

また、孫の成長を間近で見守れることも、親側のメリットといえるでしょう。

近居のメリット

近居には、子供側の配偶者のストレスや負担を軽減できるメリットがあります。

同居前は良好だった嫁姑の関係が、同居を期に崩れてしまうケースは少なくありません。

しかし、同居をしなければ、その可能性は避けることができます。

同居でないにしても、近所に住むことができるため、介護の面でも不安がありません。

また、子供側も何かあったときに、お孫さんを親側に預けられるメリットがあります。

親子双方にメリットがあることが、近居を最もおすすめに挙げる理由です。

同居のデメリット

老後に親子同居を始めるデメリットは挙げればキリがないほどあります。

まず、親心から子供・孫への支出が増えてしまうリスクが考えられます。

無自覚に支出を増やし続ければ、長年頑張ってきた貯蓄も水の泡になることもあります。

また、ここまでもご紹介してきた通り、嫁姑問題も避けられない問題です。

仮に問題が大きくなった場合、再び転居を検討する可能性もあるでしょう。

同居のための改築費用や、転居費用のすべてが、無駄なってしまいます。

老後生活において、無駄な支出は死活問題なので、最低限に抑えるべきです

不要なリスクを避けるためにも、同居という選択はあまりおすすめができません。

近居のデメリット

ズバリ、近居という選択肢にデメリットはありません。

あるとすれば、親子のどちらかが近所に転居をする際の費用くらいでしょうか。

これまで話をしてきたように、近居にはメリットが多く、デメリットがありません。

最後まで読んでいただけたなら、近居という選択肢は有力な候補になったと思います。

あとは、あなたのご家族が双方の意見を尊重しながら、すり合わせていくだけです。

まとめ

まとめ

老後の親子同居が危険な理由はご理解いただけたのではないでしょうか。

また、メリットの多さ、デメリットの少なさから見ても、近居の選択がおすすめです。

そうすることで、不要なトラブルや支出を避けることができます。

介護面でも、近所に住んでいれば子供側の負担も減らせるでしょう。

親側、子供側が納得できるなら、老後は親子が近居することを検討してみてください。

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