年金の受給額が年々少なくなり、年金だけでは老後の生活費を補いきれなくなっています。

そのため、退職後は退職金や貯金などを切り崩しながら生活しますが、寿命が延びたことでそれもいつか底をつく可能性があります。

では、どうすれば老後資金を補うことができるのでしょうか?

そこで今回は、退職後に不足する老後資金を補う資産運用の方法を3つご紹介します

年金だけでは老後の生活資金を補いきれない

年金だけでは老後の生活資金を補いきれない

厚生労働省が発表した年金標準モデルでは、夫が平均的な収入である42.8万円で40年間就業し、妻が専業主婦だった場合の標準的な年金額は約22万円/月としています。

また、日本FP協会が公表している高齢夫婦無職世帯の支出は約26万円/月となっています。

年金収入と支出を比べると1年で約50万円不足し、退職してから20年間元気に暮らすと約1,000万円不足することになるので、しっかり貯蓄しておくことが重要です。

「退職金があるから大丈夫」と思っている人もいるかもしれませんが、退職金に頼ることはおすすめしません。

住宅ローンの契約が遅かった場合には、退職後も残債を支払わなければならないため、退職金で残債を一括返済する人もいます。

また、上記は平均的な1ヶ月あたりの支出ですが、病気などで入院した場合や介護が必要になった場合などにはより多くの支出を伴います。

 このような想定外の大きな支出が生じた場合の費用として、退職金を残しておく必要があるため、年金以外の収入を確保することが重要と言えるでしょう。

退職後の資産運用の方法3選

退職後の資産運用の方法3選

年金以外の収入を確保すると言っても、年齢上の問題で再就職先がなかなか見つからない、給料が少ないなど雇用条件が悪いケースが多いなどの課題があります。

そのため、退職後の生活資金を補うには、年齢などの条件を考慮しなくて済む資産運用が最適です。

しかし、資産運用と言っても、これまで資産運用を行ったことがない人にとっては、1から資産運用を行うことは大変です。

そのため、退職後に初めて資産運用を行う人でも安心して取り組める内容の方が良いでしょう。

また、リスクの高い資産運用を選んだことで元本割れが生じた場合は、老後の生活がさらに困難になってしまうので、なるべくリスクの低い方法を選ぶこともポイントです。

それらを考慮して、退職後の資産運用の方法としておすすめするのが以下の3つです。

  • 投資信託
  • ソーシャルレンディング
  • REIT

それぞれの運用方法の特徴とメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。

投資信託

投資信託

投資信託とは、自身で運用を行うのではなく、資金を運用のプロのファンドマネージャーに預けて、株式や債券などに投資・運用して得られた利益を受け取るという運用方法です。

投資信託にはどんなメリットとデメリットがあるのか見ていきましょう。

投資信託のメリット

投資信託には以下の4つのメリットがあります。

少額から投資が始められる

資産運用はある程度まとまった資金が必要になると思っている人も多いかもしれませんが、投資信託は100円から運用を始められます

運用のプロが代わりに運用

自身で運用を行うとなると、「どの銘柄を買えばいいのか」「いつ買っていつ売ればいいのか」分からないことがあります。

しかし、運用のプロが代わりに運用してくれるため、これまで資産運用を行ったことがない人でも気軽に始められるでしょう。

分散投資でリスクを抑えられる

1つの運用商品に集中投資した場合には、価格変動のリスクを1点に集中して受けてしまうことになります。

しかし、投資信託では、株式投資だけでなく債券など、様々な運用商品に分散投資を行っているため、リスクを抑えられます。

国外の株式や債券に投資可能

個人が国外の株式や債券の取引を行うには、取引に必要な情報が不足してます。

そのため、なかなかリスクが高いという特徴がありますが、投資信託であれば情報収集も全て代理で行ってくれるので安心です。

投資信託のデメリット

投資信託には以下の2つのデメリットがあります。

コストが多くかかる

自身で株式投資などを行う際は、売買にかかる手数料程度で済みます。

しかし、投資信託は、購入時にかかる買付手数料、ファンドに支払う信託報酬、途中換金でかかる信託財産留保額といった多くのコストがかかります。

元本保証がない

銀行預金は元本保証があるため、預けた資金以下になりません。

しかし、投資信託には元本保証がないため、預けた資金が減る可能性があるので注意が必要です。

ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングとは、お金を借りたい企業とお金を貸すことによって運用したい人をマッチングさせるサービスのことです。

お金を貸した人は、金利による利息を受け取ります。

ソーシャルレンディングにはどんなメリットとデメリットがあるのか見ていきましょう。

ソーシャルレンディングのメリット

ソーシャルレンディングには以下の3つのメリットがあります。

利回りが高い

銀行預金の金利は良くても0.1%程度ですが、ソーシャルレンディングの金利は8%程度であるため、利回りが比較的高いという特徴があります。

手軽に運用できる

株式投資などを自身で行う際は手間がかかりますが、ソーシャルレンディングは投資する案件を選んだ後は、ただ保有しておくだけで利息を得られるので手軽に運用できます。

元本割れのリスクが低い

「お金を貸すなんてリスクが高い」と思っている人もいるかもしれませんが、業者が案件をしっかり確認しているため、元本割れのリスクが低いという特徴があります。

ソーシャルレンディングのデメリット

ソーシャルレンディングには以下の2つのデメリットがあります。

途中で換金できない

ソーシャルレンディングで融資した資金は、契約上の返済期間満了までは換金できません。

そのため、万が一の事態が生じた場合に使う資金を運用に回せないので、まとまった資金の運用にはあまり適していません

デフォルトのリスクを伴っている

いくらソーシャルレンディングを行っている企業が融資先の確認を行っていると言っても、貸し倒れや返済遅延などのデフォルトのリスクを伴うので注意が必要です。

REIT

REIT

REITとは、マンションやオフィスビルなどを運用している不動産投資法人に対して資金を提供することで、家賃収入や売却益を分配金として受け取るという運用方法です。

REITにはどんなメリットとデメリットがあるのか見ていきましょう。

REITのメリット

REITには以下の3つのメリットがあります。

少額で不動産投資が可能

不動産投資を自身で行うには数千万円などのまとまった資金が必要ですが、REITは数万円程度から投資を行うことが可能です。

分散投資によるリスク軽減

不動産投資では、1棟だけの運用を行っていると、自然災害のリスクや空室のリスクなどを1点に集中して受けます。

しかし、REITでは複数棟の運用を行っているため、リスク軽減につながります。

不動産投資の手間を省ける

不動産投資を行う際は、物件の選定や物件の管理などの様々な手間が生じますが、REITであれば全て代わりに行ってくれるので、手間を省くことが可能です。

REITのデメリット

REITには以下の2つのデメリットがあります。

上場廃止・倒産のリスクがある

上場しているREITでも、不動産投資の運用がうまくいかなくないなど、資金繰りが困難になった場合は倒産してしまいます。

倒産すると、上場廃止になって元本が返ってこないので注意が必要です。

分配金が変動する可能性がある

分配金の割合は、不動産の運用状況によって変動します。

そのため、投資を開始した直後の金利が最後まで続くとは限らないので注意が必要です。

まとめ

まとめ

退職後の老後資金は、年金ではとても足りないため、資産運用によって少しでも老後資金を補う必要があります。

しかし、資産運用であれば何でも良いというわけではありません。

安定して退職後の資金を貯められるように「リスクが低い」「少額で始められる」「初心者でも手軽に運用できる」といった条件を満たしている必要があります。

それらの条件が揃っている運用方法が「投資信託」「ソーシャルレンディング」「REIT」です。

それぞれメリットとデメリットがあるため、どの運用方法が自分に合っているか総合的に判断しましょう。

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