現役世代の人でも間もなく老後を迎える人でも、安心して老後を過ごせるかどうか不安に感じている人も多いのではないでしょうか?
実際に老後を迎えてから「○○しておいたら良かった」と思っても手遅れになるため、老後を迎える前にしっかりと準備しておくことが重要です。
そこで今回は、安心してゆっくりと老後を過ごすために何をするかについて解説します。
老後には様々な不安が生じる
現役世代として働いている時は、子供の養育費や住宅ローン・自動車ローンの支払いなどを稼ぐことに必死で、あまり自分自身の老後に意識が回らない人も多いでしょう。
しかし、子供が成人してようやく落ち着いた頃には、老後の生活費や健康に関する悩みなど、漠然とした悩みが生じます。
「年金や退職金があるから大丈夫」と思っていても、老後に必要な生活費は、夫が定年まで働いて妻が専業主婦だった場合の年金受給額のモデルケースを上回っています。
そのため、「老後の期間が長くなる」「病気で支出が増える」などの場合は、老後の生活が困難になる可能性があるので、早めに対策を練っておくことが重要と言えるでしょう。
生活費の悩みに対するアプローチ
モデルケースに該当するような家庭では、老後にしっかりと備えておかなくては生活費が不足することがほぼ確定していると言えます。
老後の生活費が不足するという理由で、退職後に働こうとしても、年齢的な条件などでなかなか働けない可能性があるので注意が必要です。
そのため、老後の不足する生活費を補うためには、貯金を増やしておくか年金以外の老後の収入を確保しておく必要があります。
そこで挙げられるのが、資産運用を行う方法と節約で貯金を増やす方法です。
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
資産運用を行う
アプローチの1つ目は、資産運用を行うことです。
資産運用を行うといっても、資産運用の種類は多岐に渡ります。
中にはリスクが高いものもあるため、資産運用で老後資金を備える場合には、運用方法の特徴をしっかり把握しておくことが重要です。
資産運用の手段としておすすめするのが以下の3つの方法です。
- 投資信託
- ソーシャルレンディング
- 不動産投資
それぞれの方法について見ていきましょう。
投資信託
投資信託とは、自分自身で株式投資や国債などに対して投資するのではなく、運用のプロに資金を預けて代わりに運用を行ってもらうものです。
運用によって得られた利益や配当を、分配金として受け取ります。
投資信託は、100円から投資できるほか運用のプロが代わりに運用してくれるため、忙しいサラリーマンでも効率良く運用できるのが特徴です。
また、国内外の株式や債券に分散投資を行うことで運用のリスクを軽減できるほか、選んだファンドによっては10%以上の利回りが期待できます。
一方、いくら運用のプロが運用を代わりに行ってくれると言っても、失敗することもあります。
失敗した場合には元本割れを起こすことになるため、老後資金が少なくなる可能性もあるので注意が必要です。
早く老後に備えておくに越したことはありませんが、ある程度の利回りが期待できるため、備えるのが遅くなっても十分に間に合う方法と言えるでしょう。
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、融資を希望している企業に対して融資を行うことで利息を得るものです。
企業の中には、融資を希望しているものの、社債を発行する際の手間や金融機関から許可が出ないなどの理由で、融資を諦めている企業もあります。
5%以上の利回りが期待できる案件も多く、中には返済の途中で破綻した場合の元本保証が付いているものもあるため、安心して運用できます。
また、最近まで借り手の保護の関係上、融資先の会社情報が公開できないため、融資先が分からないまま融資するというリスクがありました。
しかし、2019年3月に金融庁が貸し手の情報開示に舵を切ったため、可能な限り融資先の情報を得られるようになりました。
これにより、大幅なリスク軽減が期待されています。
投資信託と同様に、10%以上の利回りが期待できる案件もあるため、備えるのが遅くなっても十分に間に合う方法と言えるでしょう。
不動産投資
不動産投資とは、不動産を購入して家賃収入を得るものです。
「不動産投資を行えるほどの資金がない」と思っている人も多いかもしれませんが、不動産投資では安定した家賃収入が期待できるため、金融機関から融資を受けながら行えるという特徴があります。
不動産投資を行うことで、得られる家賃収入は老後の私的年金の代わりになります。
また、老後に急なまとまった資金が必要になっても、不動産を売却すれば資金が得ることが可能です。
不動産投資を金融機関の融資を受けながら行うのであれば長期間の返済を伴うため、早めに備える必要があるでしょう。支出を減らすことを心がける
アプローチの方法の2つ目は、支出を減らすことを心がけることです。
老後の資金を増やすには、収入を増やす方法以外にも支出を減らす方法も1つの選択肢です。
貯金を行う際は「収入-支出=貯金」と、収入から支出を差し引いて余った分を貯金するという人が多いと言えます。
しかし、この計画では支出が主体になって貯金額が毎月変動するため、計画的に老後資金を貯められません。
一方で、「収入-貯金=支出」と、収入から貯金を差し引いて余った分を生活費として使用すれば、計画的に貯金できるだけでなく支出の抑制につながります。
「収入-貯金=支出」に切り替えた上でさらに支出を抑えれば、余った分は貯金に回せます。年会費がかかっているにもかかわらず、使用していないカードはないか等、無駄な支出が身の回りに潜んでいないか確認する習慣を身に付けておくと、老後の支出抑制にもつながるでしょう。
健康の悩みに対するアプローチ
大きな病気になると治療費が発生する、介護が必要になると介護費が発生するため、老後の生活費をしっかりと確保していても支出が多ければ不足する可能性があります。
そのため、老後の生活費の備えだけでなく、老後も健康的に過ごせるように備えておくことが重要です。
サラリーマンの場合には会社で定期的な健康診断などを受けられるため、それらの結果で悪かった部分を放置せずに治療すれば急病にかかるリスクを抑えられます。
他にはどんな方法があるのでしょうか?
他のアプローチについて見ていきましょう。
運動する習慣を身に付ける
仕事で忙しい場合には、運動する習慣を身に付けると言ってもなかなか時間の確保が困難ですが、30分のウォーキングなどの習慣を身に付けることが重要です。
それだけでも、生活習慣病の予防に大きな効果が期待できます。
時間に比較的余裕がある人の場合は、水泳やゴルフといったように趣味として続けられる運動に挑戦することもおすすめです。
退職後は、出勤しなくなることで外出する機会が激減するため、家に引きこもりがちです。
まとめ
老後を迎えるまでは勤務先から貰える給与がありますが、退職後は給与がなくなることで何も備えていない限りは年金に頼ることになります。
そのため、生活費が不足しないかなど、老後に不安を感じている人も多いでしょう。
老後の漠然とした不安や悩みを解消するには、じっと構えているのではなく老後のために何をする必要があるかを考えて行動に移すことが重要です。
例えば、生活費の不足が不安な場合には資産運用を行う、健康が不安な場合には運動する習慣を身に付けるなどです。
老後の不安のほとんどは、事前に備えておけば心配ないものが多いため、老後の不安を書き出して一つひとつ対策を練っていくと良いでしょう。