あなたは老後で最も大きな負担になる負担が家賃であることを知っていますか?
当然、老後の健康状態次第では、医療保険料にお金を使うことも多いでしょう。
しかし、家賃問題は決して避けることはできない大きな問題。
老後は、持ち家と賃貸のどちらで迎えた方が得なのでしょうか?
また、あなたの場合は老後の家賃をどの程度に抑えるべきなのでしょうか?
今回は老後に大きな負担となることが想定される家賃問題についてご紹介します。老後最大の経済負担となりやすいのが家賃!
老後に最も大きな経済負担となる可能性があるのが、家賃です。
当然、老後の住まいは持ち家か賃貸のどちらがベストなのかを見極めることも重要。
この項目では、老後の住まいとして最適なのは賃貸か持ち家かを解説します。
あなたの想定する老後に最適な選択をするためにも、正しい理解を持ちましょう!
老後の家賃問題①老後の住まいをどうするべきか?
家賃問題は老後の経済的な負担となりやすいことをお伝えしました。
持ち家、賃貸のどちらで老後を迎えるべきなのかを事前に検討することは大切なこと。どちらを選んだ方が経済的な得をできるかということを考えましょう。
一般的には持ち家の方が得だといった意見を聞くことが多いと思います。
しかし、その判断は状況によって異なりますので、あなたにあった選択をしましょう。
老後の家賃問題②経費
老後の家賃問題を経費の面からみてみましょう。
持ち家と賃貸それぞれの主な必要経費は以下の項目になります。
【持ち家】
- 諸費用
- ローン返済費用
- リフォーム費用
- 維持管理費
【賃貸】
- 家賃
- 契約更新料
- 維持管理費
- 転居費用
上記を踏まえ、老後の家賃問題をシミュレーションすると・・・。
<持ち家の場合>
- 東京都内3LDK新築マンションを購入すると仮定
- 毎月のローン返済が10万〜15万円で35年程度と仮定
- 毎月の管理費・修繕積立金が2万円と仮定
上記の条件を踏まえると、家賃総額は7,569万円という金額になります。
さらに固定資産税が毎年かかることも忘れてはいけません。
<賃貸の場合>
- 東京都内2LDK~3LDKで毎月14万円の家賃と仮定
- 家賃は30~80歳の50年間支払うと仮定
- 家賃と別に管理費が毎月月1万円と仮定
上記の条件を踏まえると、家賃総額は9,000万円。
さらに更新料や、転居の場合は家賃と別に引っ越し代が必要です。
老後の家賃問題③家賃だけで考えれば持ち家の方が得
上記の結果では、家賃面で考えると持ち家の方が得だということがわかりました。
しかし、賃貸の場合は転居などで家賃の調整が可能というメリットがあります。
家賃という面で重要なのは、持ち家はローンを払い終えれば家賃が消えるということ。賃貸の家賃は住み続ける限りは支払いも永久に続くことになります。
しかし、持ち家のローンを支払い終えた場合、管理費・修繕費以外はお金がかかりません。
これは持ち家購入の最大のメリットであり、家賃が消えることは老後の安定に繋がります。
どちらを選ぶかは、あなたのライフスタイル次第。
老後に向けて、どんなメリット・デメリットがあるかも確認していきましょう。
老後の家賃問題④老後のリスクを想定した家賃にする
老後の家賃問題で大変なのは、老後で収入が途絶えてしまうケース。
こうなると、仕事ができないのに家賃は発生し続けてしまうので最悪です。
あなたやパートナーが病気や事故などで収入が途絶えた場合、家賃を払いきれますか?
老後は色々なトラブルが起こり得ることを想定した事前計画が重要。家賃問題も含め、老後の計画は様々なリスクを想定することを忘れてはいけません。。
老後の家賃問題⑤老後家賃を考えるポイント
老後の家賃問題において、考えておくべき重要な部分は下記がポイントになります。
<老後を持ち家で過ごす場合>
- 頭金・諸費用を早期段階で準備する
- 収入や老後に想定される年金受給額を踏まえた物件を検討する
- 住宅ローンを組む場合は金利を踏まえて計算する
<老後を賃貸で過ごす場合>
- 夫婦の将来・子供の成長を踏まえて住み替えの必要性を想定する
- 定年後も家賃を支払い続けるために必要な貯金額を明確にする
持ち家で老後を過ごすメリット・デメリット
続いて、持ち家で老後を過ごすメリット・デメリットをみていきましょう。
持ち家はローン返済が終われば、家賃が発生しないのが最大のメリットと伝えました。
しかし、それ以外にもメリットはあります。
同じようにデメリットもあるので、正しい理解を持って老後の住居を決めましょう。
【メリット①】ローン返済が終われば家賃がなくなる
繰り返しになりますが、持ち家の最大のメリットはローン返済後の家賃がなくなること。
また、ローンの支払いが終了する時期がわかっているのも実はメリット。
あなたも「●●歳まではローンの支払いがあるよ」という愚痴を聞くことがあるでしょう。
これは一見すると、悪いことのように聞こえますよね。
しかし、実際には家賃を支払わなくて済むようになる時期を正しく把握できている証拠。
それに、ローンは繰り上げ返済も可能なので、返済期間を予定より早めることもできます。
【メリット②】住居や土地は資産になる
これもよく聞くメリットだと思いますが、持ち家は資産になります。
住居や土地には必ず資産価値があるので、資金難などのいざというときに役に立ちます。まとまった資金源としてお金に変えることも、子供に財産として残すこともできます。
老後まで資産を残すことができるというのも、大きな持ち家のメリットでしょう。
【メリット③】自由度の高い居住空間が作れる
持ち家は賃貸と違って、あなたの意思で間取りを変えたりリフォームもできます。
あなたのライフスタイルが変化したときに、自分の好みに合わせられるのもメリット。今のあなたと、老後のあなたの価値観は大きく異なっているはず。
老後になった時に、自由に生活しやすい空間を作れることは意外にも助かります。
老後を見据えて家賃面以外にもメリットがあることを忘れないでください。
【メリット④】老後の精神的な安定を与えてくれる
持ち家の大きな問題はローンであり、ローン返済が終われば基本的にメリットだらけ。
ローン返済が完了すれば、あなたの持ち家は完全にあなたのものになります。これによって安心して一生住み続けることができる保証が得られることになるのです。
安心は家賃などの金銭的なメリットと違って目には視えませんが、大事なこと。
老後の精神的な安定感を与えてくれることも、持ち家のメリットです。
【デメリット①】環境の変化に対応しにくくなる
持ち家のデメリットは赴任などで環境変化に対応しにくくなること。
特別な事情で転居をすることになった場合、持ち家は売るか賃貸に出すことになります。
また、住居は購入後の時間経過と共に資産価値が下がっていきます。
そのため、売却時には売却した額で残りのローンをまかなえるかが問題になります。
賃貸に出すにしても、売却するにしても、ローン返済を視野に入れて決断しましょう。
【デメリット②】差し押さえられる可能性がある
ローンの支払いが滞った場合、金融機関から督促状の通知が届きます。
その上で、さらに滞納が続いた場合、あなたの住居は差し押さえられることに。
こういったリスクがあることは忘れてはいけない持ち家のデメリット。
競売にかけられたり差押えられるリスクがあるのは持ち家のデメリットです。【デメリット③】売却時は最短で数ヶ月以上の時間がかかる
持ち家の売却は簡単にはできません。
最短でも数ヶ月以上の期間をかけて売り手や賃貸を探したり、手続きが必要なのです。
相続の場合は名義変更の手続きなどもあります。
持ち家を売ろうと思った時にすぐにお金になるわけではありません。
賃貸で老後を迎えるメリット・デメリット
同じように賃貸で老後を過ごすメリット・デメリットをみていきましょう。
賃貸のメリット・デメリットも把握して、老後の家賃問題に備えてください。
【メリット①】自由に住居を変えられる
賃貸の最大のメリットは転居を自由にできるということでしょう。
収入に合わせて家賃を変更したり、老後も収入に見合った家賃を選ぶことが可能です。また、単身赴任などの事情にも臨機応変に対応できるのもメリット。
特に老後は事故や病気のリスクが高く、収入額も減ってしまうのが一般的。
そんな時に家賃を抑えて安い家に転居するなどして対応することができるのです。
【メリット②】家賃支払いのみで住居の借金がない
持ち家はローンを組んで購入するのが一般的ですが、ローンはつまり借金のこと。
対して、賃貸の場合は家賃の支払いをするだけなので、借金がない状態が保てます。
これは精神的に安心するためにも大きなメリットと言えるでしょう。
家賃の支払いをし続ける必要はありますが、その分、住居への借金はないのです。
【メリット③】固定資産税を支払う必要がない
賃貸の場合は家賃を支払ってはいますが、その物件の持ち主ではありません。
そのため、あなたの所有物ではないので、固定資産税を支払う必要がないのもメリット。
現役時代も老後も、税金はできる限り抑えたいもの。
そういった意味では賃貸は支払うべき税金が減ることを忘れてはいけません。
【デメリット①】老後も家賃を支払い続ける必要がある
賃貸の場合は老後も家賃を支払い続ける必要があることが最大のデメリット。
また、年金だけでは家賃の支払いが難しくなる場合もあります。
現在の平均年金月額は約15万円と言われているのが現状。
さらに国民年金の平均年金月額は約5.5万円。
しかも、上記の受給額はあくまで平均値。
あなたの場合は上記よりも少ないかもしれません。
仮に平均額がもらえても、年金だけで家賃や生活費をまかなうことは大変。
老後も家賃を支払い続けることを想定して事前に十分な貯蓄をしましょう。
【デメリット②】更新料・引っ越し代が掛かる場合がある
賃貸の場合は更新料や引っ越し代などの費用が必要になる場合があります。
引っ越し代は転居さえしなければ抑えることができます。
しかし、大家さんの都合で転居が必要になったりする可能性も考えておくべき。
さらに単身赴任などを理由に転居することになる可能性もあるでしょう。
更新料は同じ住居に住み続ける以上は必要になることも忘れてはいけません。
【デメリット③】老後の転居は審査に注意
老後の賃貸は、審査に落とされてしまうリスクがあります。
老後を迎えると収入や貯蓄状況によっては、審査に通りにくくなってしまいます。いざ、安い家賃の賃貸に転居しようとしても、審査に落ちては転居できません。
このような視点で見ても、老後までには十分な貯蓄が必要なことは明白です。
まとめ
今回は老後の家賃問題についてのお話をさせていただきました。
老後の住居を持ち家か賃貸のどちらにするのかは、安定した老後に必要な選択。
この選択を間違えると、老後は苦しい日々を過ごすことになりがちです。
あなたのライフプランにあった正しい選択ができるようにしましょう。今回紹介した内容を踏まえて、あなたにあった老後の住居を見極めてください。
少しでも今回の記事があなたの老後の家賃問題の対策になれば幸いです。