平均寿命が男女ともに80歳を超えており、「人生100年計画」を立てる必要が出ています。
しかし、人生100年計画を立てる場合には、年金だけでは収入がとても足りません。
そのため、老後までに何とかして貯蓄を増やすことを検討している人や海外移住を視野に入れている人もいると思います。
老後の海外移住にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
そこで今回は、老後の海外移住がおすすめなのか、メリットとデメリットを解説します。
老後の海外移住はおすすめ?
平均寿命の延びによって、人生100年計画を立てることが求められています。
そうなると、年金だけでは2,000万円足りなくなると厚生労働省が発表しているため、不足分は自分で補わなくてはなりません。
しかし、もうすぐ老後を迎えようとしている人がすぐに2,000万円を準備するのは不可能です。
そこで登場するのが老後の海外移住という選択肢です。
実際に老後を迎えると同時に、第2の人生を海外で暮らすという人も増えており、選択肢の1つとして注目されています。しかし、老後の海外移住を全ての人におすすめするわけではありません。
老後の海外移住のメリットとデメリットをよく理解した上で海外移住を選ぶ必要があります。
老後の海外移住のメリット2つ
老後の海外移住にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
老後の海外移住のメリットとして挙げられるのは以下の2つです。
- 支出を抑えられる
- 異なる環境を楽しめる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
支出を抑えられる
日本にずっと住んでいると、日本の物価が当たり前に感じられますが、世界には日本よりも物価の安い国が数多くあります。
例えば、日本でアパートを借りる場合には、最低でも月数万円の資金が必要になりますが、国によっては1万円もあれば一般的なアパートを借りることが可能です。
生命保険文化センターが公表した令和元年度「生活保障に関する調査」によると、最低日常生活費は平均22.1万円となっています。
また、ゆとりある老後生活費は平均36.1万円となっており、年金だけでは補いきれません。
しかし、海外は15万円あれば裕福な暮らしができるケースが多いため、支出を抑えながら無理なく老後の生活を送ることができるでしょう。
異なる環境を楽しめる
老後を迎えると、これまで毎日一生懸命仕事に取り組んでいたのが、急に取り組まなくてよくなるため、日々が退屈に感じられる可能性があります。
老後を日本で暮らしていれば、余計毎日の刺激がないため、より退屈に感じられる可能性も。
しかし、老後に海外移住した場合は、日本とは異なる環境や文化に触れられるため、毎日が楽しく感じられます。
新しい交友関係も広がるため、人生の楽しみが増えると言えるでしょう。
老後の海外移住のデメリット3つ
老後の海外移住には、支出を抑えられる・異なる環境を楽しめるといった2つのメリットがありましたが、何かデメリットはあるのでしょうか?
老後の海外移住のデメリットとして挙げられるのは以下の3つです。
- 言葉の壁がある
- 頻繁に日本に戻れない
- 医療費が高額になる
それぞれのデメリットについて詳しく説明します。
言葉の壁がある
老後の海外移住先として人気のある国で居住していれば、日本人コミュニティがあるため、言葉に困っても助けてもらえる可能性があります。
しかし、日本人コミュニティのある国でも、日常生活で現地の言葉を使う機会はあります。
その時に言葉が通じなくてコミュニケーションが取れない場合は、ストレスの原因になる可能性も。
老後の海外移住でストレスを感じることなく満喫するには、コミュニケーションに必要な最低限の言葉を理解しておく必要があるでしょう。
頻繁に日本に戻れない
現地の生活費は安くても、飛行機で日本と現地を行き来するのに掛かる費用は高額です。
そのため、日本に戻りたいと思っていても、頻繁に戻ることは金銭面の問題でほぼ不可能と言えます。
ちょうど老後を迎える頃になると、子供に孫が生まれた、孫が成長したなどの理由で、孫に頻繁に会いたいと感じる人も。
また、親が病気になった、介護が必要になった、または友人が亡くなったなどの場合には、急に戻りたくても戻れない可能性も。
現在はインターネットの進歩で、日本と海外でも映像を映しながら会話できるため、子供や孫に会えない寂しさを紛らわせることは可能です。
しかし、それ以外のケースで急に日本に戻らなくてはいけなくなった場合でも、すぐに戻ることができない可能性が高いので注意が必要です。
医療費が高額になる
日本に居住していれば、健康保険を適用できますが、海外に居住している場合には健康保険を解除して、現地の保険に加入することになります。
現地の保険には、国営の保険や民営の保険がありますが、国営の保険に加入できない場合は民営の保険に加入することになります。
しかし、中には保険の費用が高いため、保険に加入しない人も。
しかし、保険に加入しないと、高額な医療費を請求される可能性があるので注意が必要です。
医療費が高額で治療が受けられないといった事態に陥らないためにも、しっかりと保険に加入しましょう。老後の海外移住におすすめの国3つ
これまでの記事を読んで、老後の海外移住に興味を持った人もいると思いますが、どの国に移住すればいいか分からずに困っている人もいるのではないでしょうか?
そこで、最後に老後の海外移住におすすめの3つの国をご紹介します。
マレーシア
マレーシアは物価が安く、自然も豊富であることから、海外移住先として人気があります。
また、マレーシアには年齢不問で取得できる長期ビザがあるため、海外移住しやすいと言えます。
ただし、以下のような財産証明や収入証明が必要になるので注意が必要です。
- 50歳未満:50万リンギット以上の財産と月額1万リンギット以上の収入を証明
- 50歳以上:35万リンギット以上の財産と月額1万リンギット以上の収入を証明(年金可)
フィリピン
フィリピンは、現地の言語だけでなく英語が公用語であるため、言葉が通じやすいと言えます。
また、セブ島やボラカイ島といったビーチリゾートは治安が良いので安心して暮らすことが可能です。
フィリピンは、35歳以上になるとリタイアメントビザを取得することが可能です。ただし、360米ドルの年会費が必要になる以外にも以下のような条件が必要になるので注意が必要です。
- 35歳~50歳未満:5万米ドルを政府指定の銀行口座で外貨定期預金にする
- 50歳以上:2万米ドル(年金収入があれば1万米ドル)を外貨定期預金にする
タイ
タイは物価が安く、日系の企業が多いため、日本人が暮らしやすい環境が整っているという理由で人気があります。
タイには、50歳以上で取得できるリタイアメントビザがあります。
ただし、以下のような財産証明や収入証明が必要になるので注意が必要です。
- 預金残高80万バーツ以上
- 年金収入月額65,000バーツ以上
- 年金収入+預金残高が80万バーツ以上
まとめ
人生100年計画を立てるにあたって、2,000万円の自助努力が求められていますが、すぐに2,000万円の資金を貯めることは困難です。
老後を迎えるまでに余裕がある人は、2,000万円の資金を貯めるという選択肢がありますが、他に選択肢はないのでしょうか?
そこで登場するのが海外移住という選択肢です。
海外は物価が安いため、日本の年金収入でも十分豊かな暮らしが期待できます。海外移住を実現するには、各国の条件を満たす必要があります。
老後の海外移住にはメリットだけでなくデメリットもあるため、よく考えてから実行しましょう。