あなたは老後に健康保健額がどのくらい必要になるかご存知ですか?

多くの場合、老後で大きな割合を占めることになるのが「健康保険」などへの支出。

現在の年金制度を踏まえると、健康保険への出費は正しく理解しておくべき。

この国の将来を想像すると、健康保険料に対する不安は強まるばかりです。

今回の記事で老後の健康保険額や種類、計算方法などをしっかりと理解してください

老後に大きく影響を与える健康保険料について

老後に大きく影響を与える健康保険料について

老後に大きく与える出費のひとつが健康保険料です。

しかし、老後の健康保険料に関する話の前に、ひとつだけ知って欲しいことがあります。

それは、老後に国から徴収される支出の全体像です。

老後は様々な費用が国から徴収されることになります。

そこで、具体的にはどんな項目を徴収されるのかを、まず最初に確認しましょう。

①老後に必要な国への出費

下記が老後に国から徴収される出費の主な項目となります。

  • 所得税
  • 住民税
  • 復興特別所得税
  • 固定資産税・都市計画税(土地・建物所有者のみ)
  • 自動車税(車所有者のみ)
  • 国民健康保険料
  • 介護保険料

老後はこれだけの出費を国に対して年金や貯蓄で賄う必要があるのです。

上記の中でも「国民健康保険料」と「介護保険料」が、社会保険料とされています

これらは収入により保険料が変わるのが特徴。

次の項目から国に支払う必要がある健康保険の金額を詳しくみていきましょう。

②国民健康保険と介護保険は徴収額や方法が異なる

健康保険を含めた、社会保険料は年収で徴収額が異なるのが特徴。

また、年齢によって国民健康保険料と介護保険料の徴収方法は異なるのです。

  • 介護保険料:65歳以上は国民健康保険料・介護保険料が別々に徴収される
  • 40歳〜64歳は国民健康保険料の一部として介護保険料が組み込まれている

上記のポイントを踏まえておけばいいでしょう。

③国民健康保険と介護保険の徴収方法は2種類

上記をさらに掘り下げて説明すると、国民健康保険・介護保険の徴収方法は2種類。

  1. 第1号被保険者:65歳以上 国民健康保険料・介護保険料は別々に徴収
  2. 第2号被保険者:40歳〜64歳 国民健康保険料に介護保険料が含まれる

上記を踏まえて、65歳以上の方のケースをみていきましょう。

国民健康保険料と介護保険料は老後、具体的にいくらかかるのでしょうか?

老後の国民健康保険料の計算方法

老後の国民健康保険料の計算方法

国民健康保険料は所得・世帯の住民税課税状況・各自治体で異なります。

今回の記事で例を挙げるのは、あくまで一般的な数値として認識してください。

①老後の健康保険料

健康保険料は「所得割額」と「被保険者均等割額」を合計した金額が対象です

  • 所得割額:「基準総所得金額」に保険料率を掛けた金額
  • 被保険者均等割額:被保険者数に応じて保険料率を掛けた金額

「所得割額」と「被保険者均等割額」それぞれの認識を理解しておきましょう。

②老後の健康保険:所得割額の計算方法

まずは老後の健康保険の所得割額を計算する方法をみていきましょう。

「基準総所得金額」=「所得金額」-「市民税の基礎控除額33万円」

前提として、所得金額とは、あなたの収入から経費を差し引いた金額のこと。

給与所得者は給与基礎控除額を差し引いた金額が対象です。

これは源泉徴収表の「給与所得控除後の金額」の部分のこと。

年金所得者・個人事業主の場合は、確定申告書の「所得金額の合計」を参考にしましょう

それらの所得金額から33万円を引いた金額が「基準総所得金額」になるのです。

例)

夫→厚生年金:年収200万円

妻→国民年金:年収80万円

上記の夫婦を基準に計算すると下記のようになります。

  • 夫の所得金額:200万円-33万円=167万円
  • 妻の所得金額:80万円-33万円=47万円
上記167万円+47万円の合計金額:214万円が「基準総所得金額」となります

上記に加えて、以下の計算も計算する必要があることを忘れないでください。

  1. 医療分保険料率:6.43%
  2. 支援分保険料率:2.02%

これらを掛けた上での合計が「所得割額」になるのです。

  1. 214万円×6.43%=137,602円
  2. 214万円×2.02%=43,228円

上記が老後の健康保険料を計算する方法です。

今回のモデルケースでは、合計額が180,830円という結果になりました。

③健康保険:被保険者均等割額の計算方法

被保険者均等割額の計算方法は、被保険者で保険料率を掛けた金額でした。

次は、上記のモデルケースで被保険者均等割額についてもみていきましょう。

ここでは、被保険者が夫婦2人とした計算をモデルにしています。

例)

  • 医療分保険料:31,740円
    医療給付費分保険料:国民健康保険被保険者の医療給付費用に関する保険料
  • 支援分保険料:10,170円
    後期高齢者支援金分保険料:後期高齢者医療制度の被保険者の医療給付費用支援の保険料

上記2つの均等割額に各人数分を掛けると、合計金額は83,820円。

これが被保険者均等割額となるのです。

④老後の健康保険金額はいくらになるのか?

上記で計算した180,830円と83,820円の合計264,650円。

これが老後の年間の国民健康保険料になります。

上記のモデルケースの健康保険料

  • 夫→厚生年金で年収:200万円
  • 妻→国民年金で年収:80万円
  • 国民健康保険料年額:26.4万円

上記モデルケースの夫婦を年収280万円と仮定しましょう。

すると、年収の9.5%が国民健康保険料になる計算

少しわかりにくいと感じるかもしれませんので、目安となる国民健康保険料を掲載します。

下記の一覧の中で、あなたに近いモデルを参照してみてください。

老後の国民健康保険料の目安

  • 老後の年収200万円
    独身世帯:210,910円(年収の10.5%)
    夫婦世帯:252,820円(年収の12.6%)
  • 老後の年収300万円
    独身世帯:295,410円(年収の9.8%)
    夫婦世帯:337,320円(年収の11.2%)
  • 老後の年収400万円
    独身世帯:379,910円(年収の9.4%)
    夫婦世帯:421,820円(年収の10.5%)
  • 老後の年収500万円
    独身世帯:464,410円(年収の9.2%)
    夫婦世帯:506,320円(年収の10.12%)

上記であなたの老後に最も近いモデルを参考にすればイメージができるはずです。

以上が老後の国民健康保険料の計算方法や年収、世帯別の目安でした。

⑤老後の介護保険料の計算方法は?

老後は健康保険料だけでなく、介護保険料の出費もあります。

介護保険料は65歳まで健康保険料として一緒に計算されると説明しましたね。

つまり、介護保険料は65歳以上では健康保険とは別で計算する必要があります

各自治体で内容は異なりますが、所得金額に応じた段階別負担割合を基準に計算します。

上記の一般的モデルケースで計算すると、基準となる金額は71,880円となります。

また、負担割合は所得金額に応じて13段階に分けられています

例)

  • 夫:厚生年金で年収200万円
  • 妻:国民年金で年収80万円

上記を基準に計算します。

夫婦所得額280万円は所得金額が250万円〜350万円の第9段階に分類されます

第9段階の負担割合は1.55になるので、これを踏まえて計算します。

  • 年間介護保険料:71,880円×1.55=111,410円

なお、独身世帯も夫婦世帯も年収が変わらなければ同じ金額になります

こちらも上記同様に目安となる金額を載せておきますね。

年間介護保険料の目安

  • 年収200万円の場合:91,280円(年収の4.5%)
  • 年収300万円の場合:111,410円(年収の3.7%)
  • 年収400万円の場合:121,470円(年収の3.0%)
  • 年収500万円の場合:140,880円(年収の2.8%)

年収や世帯で異なるものの、年収の約15%ほどが社会保険料と考えましょう。

まとめ

まとめ

今回は気になる老後の健康保険額・種類・計算方法8点の解説でした。

老後は意外にも健康保険料に対する出費が必要になるもの。

これらを踏まえた貯蓄をなるべく早い段階で準備しておくようにしましょう。

特に資産運用などは早い段階からスタートするほど、リスクが抑えられます。

また、早くから資産運用をしていれば、リターンも大きく狙えます。

いずれにしても、老後の健康保険料を正しく理解することが重要なポイント

老後に向けた適切な貯蓄を計画するためにも、当記事を参考にしてください。

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