老後に不足するであろう生活費を補う方法として、投資や資産運用が挙げられます。

中でも、投資の一つ、金貨投資という方法をご存知でしょうか?

金貨投資とは、現金を金貨に変えて保有しておく資産運用ですが、金貨投資にはどんな魅力があるのでしょう。

そこで今回は、老後の備えに金貨投資はどうなのか、金貨投資の魅力について解説します

老後の備えになる金貨投資とは

老後の備えになる金貨投資とは

金貨投資と一口に言っても、投資方法は様々で、少額からできる純金積み立てや、金ETF/投資信託、金地金、金先物取引などがあります。

金貨投資を始めるには、金地金として直接金貨を購入する方法と、純金積み立てである程度貯まった分を金貨に交換するという2つの方法があります。

老後の備えに現金を少しでも多く残しておきたいという人が多いと思いますが、現金で残しておくことは意外とリスクが高いので注意が必要です。

日本は現在少子高齢化となっており、労働人口の減少といった理由から徐々に経済状況が衰退していくことが予想されています。

経済状況が衰退していくということは、日本円の価値が下がることを意味しています。

老後を迎えた時に100円で買えたものが150円になっていると、現金として残していても価値が3分の2に減っていることになります。

しかし、金貨投資であれば、保有している金貨はその時の貨幣価値で換金されるほか、値上がりによる利益も期待できるため、老後の備えに適していると言えるでしょう。

金貨投資のメリット

金貨投資のメリット

金貨投資が老後の備えに適しているということは分かりましたが、金貨投資はどのようなメリットがあるのでしょうか?

金貨投資の主なメリットは以下の2つです。

  • 世界経済の影響を受けにくい
  • 無価値にはならない
  • 少額から始めやすい

それぞれのメリットについて見ていきましょう。

世界経済の影響を受けにくい

1つ目のメリットは、世界経済の影響を受けにくいことです。

北朝鮮問題や中国の貿易戦争、イギリスのEU離脱など、世界経済に影響を与えるようなニュースが発表された場合には、為替や株に大きな変動が生じます。

2008年9月、アメリカ第4位の資産規模を誇る証券会社であったリーマン・ブラザーズが経営破綻したリーマンショックでは、株価・金価格の両方下落しました

株価は下落前の水準に戻るまで2年半の月日を要しましたが、金価格はリーマンショックの3ヶ月後には元の水準に戻っていました

イランの核開発問題の浮上、南海トラフ地震といった災害や戦争、テロが起こるリスクが潜んでいることを考えると、影響を受けにくい金貨投資が安定していると言えるでしょう。

無価値にはならない

2つ目のメリットは、無価値にはならないことです。

株式投資をしていても、株式を発行している企業が倒産した場合には、その価値が0になってしまう可能性があります。

しかし、金貨投資は世界共通の価値を有する現物資産への投資であるため、無価値にならないのが特徴です。

また、世界経済の影響を受けにくいことはメリットの1つ目で触れましたが、有事の際に資金が流入しやすい、有限資源なので価値が安定していることも老後の備えに適している理由の1つと言えるでしょう。

少額から始めやすい

3つ目のメリットは、少額から始めやすいことです。

金の延べ棒を購入するとなると、多くの資金が必要です。

例えば、金の延べ棒1本の重さを1kg、1gの単価を5,000円としても、購入するには500万円の資金が必要になります。

一方、金貨は金の延べ棒よりもサイズが小さいため、一番小さいもので1~2万円程度から手に入れることが可能です。

少額からコツコツ積み立てていきやすいだけでなく、手元に置いて鑑賞して楽しめることも金貨投資の魅力と言えるでしょう。

金貨投資のデメリット

金貨投資のデメリット

金貨投資には、世界経済の影響を受けにくい、無価値にはならない、少額から始めやすいといったメリットがありましたが、デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

金貨投資の主なデメリットは以下の3つです。

  • 為替の影響を受ける
  • 利息や配当がない
  • 盗難・災害のリスクがある

それぞれのデメリットについて見ていきましょう。

為替の影響を受ける

1つ目のデメリットは、為替の影響を受けることです。

金の価格は金そのものの需要によって変化が生じるだけでなく、金を仕入れる際に米ドルで取引している関係上、為替の影響を受けるという特徴があります。

例えば、円高ドル安では金価格が下がっていきますが、円安ドル高では金価格が上がっていきます。

「金価格が上がっているので買い」と思っていても、円安ドル高の進行で価格が上がっているだけの場合もあります。

また、金貨投資は世界経済の影響を受けにくいというメリットがありましたが、米ドルに影響が出るような状況では世界経済の影響を受けます

そのため、金投資を始める際は、金価格がどのように決まるのかなど、仕組みを理解してから始めた方が良いでしょう。

利息や配当がない

2つ目のデメリットは、利息や配当がないことです。

老後の備えとして株式投資や投資信託、不動産投資などが挙げられますが、これらの運用方法は譲渡益だけでなく、配当や分配金、家賃収入といった継続的に安定して得られる利益が期待できます。

銀行預金は、売却益は期待できないものの、継続的に安定した利息が得られます。

しかし、金貨投資の場合には金の価値が上昇することによる譲渡益は期待できるものの、利息や配当といった継続的に安定して得られるものはありません

また、自分が保管している場合は費用がかかりませんが、管理を金の販売業者に依頼している場合には管理料が発生します。

そのため、利息や配当で確実に老後の資金を増やしておきたいという人にとっては、金貨投資はあまり適していないと言えるでしょう。

盗難・災害のリスクがある

3つ目のデメリットは、盗難・災害のリスクがあることです。

金貨を自分自身で保管している場合には、盗難や災害で紛失するリスクに対して何らかの策を練っておく必要があります。

例えば、保険に加入する、または貸金庫に預けるなどです。

他にも、金の販売業者に管理を依頼するという方法がありますが、いずれも必要がかかるので注意が必要です。

先日も、医師が別荘に置いていた金の延べ棒が盗難にあう事件が発生しましたが、これらは他人事ではありません。

コツコツ貯めていても、盗難や災害で紛失すれば一瞬でそれまでの努力が無駄になってしまいます

金貨投資を始める際は、どのような保管方法があるか、どのくらいの管理コストがかかるか事前にしっかりと確認しておきましょう。

まとめ

まとめ

現金で老後の備えを貯めていても、現在のような少子高齢化の日本では、労働人口の減少で経済状況が悪くなるなど、貨幣価値が下落する可能性が高いと言えます。

そのため、老後に備えるには、現金として貯蓄するのではなく、金貨として貯蓄した方が良いと言えます。

金貨は、金の延べ棒のように多額の費用を要するわけではなく、少額から購入できるほか、世界経済の影響を受けにくい、無価値にはならないといったメリットがあります。

一方で、為替の影響を受ける、利息や配当がない、盗難・災害のリスクがあるといったデメリットもあるので注意が必要です。

安心して老後に備えるには、老後の資金をいくら確保するか考えるだけでなく、現金として確保するか、金貨のような現物資産として確保するかよく考えておきましょう。

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