人生には様々なライフイベントがあります。これらのライフイベントの中には、ある程度の支出を伴うものもあります。
特に家族がいる場合は、出産や子供の進学など何かと支出が多くなるため、気づけば貯金がゼロになっていて悩んでいる家庭もあるのではないでしょうか?
そこで今回は、家族がいても貯金ゼロという家庭があるのか、貯金ゼロの家族の実態を解説します。
家族がいても貯金ゼロ?
家族のいる二人以上世帯の方が単身世帯よりも収入が多いため、貯金も多いと考える人もいるのではないでしょうか?
確かに、二人以上世帯で共働きの場合は収入が多くなるので貯金も多くなりますが、家族が増えることで支出も増えるため、一概に貯金が多くなると言えません。
家族のいる二人以上世帯でも、貯金ゼロの家庭があるのでしょうか?
金融広報中央委員会の知るぽるとに掲載されている平成30年の「家計の金融行動に関する世論調査」の単身世帯と二人以上世帯の貯金ゼロの割合を年代別に見ていきましょう。
20代の家族の実態
20代で預金口座または証券口座を保有していない人の割合は、単身世帯で4.2%、二人以上世帯で1.7%という結果になっています。
また、20代で金融資産を保有していない人の割合は、単身世帯で45.4%、二人以上世帯で32.2%という結果です。
これらの結果を見ると、20代ではアルバイトや仕事で得た給料を振り込んでもらう目的で銀行口座を開設している人や何らかの金融商品を運用するために口座を開設している人の割合が高いことが分かります。
しかし、口座を開設している人の割合は多いものの、20代では奨学金の返済や結婚などで支出も多いため、全体的に貯金ゼロの割合が高いと言えるでしょう。
30代の家族の実態
30代で預金口座または証券口座を保有していない人の割合は、単身世帯で2.5%、二人以上世帯で1.0%という結果になっています。
また、30代で金融資産を保有していない人の割合は、単身世帯で39.7%、二人以上世帯で17.5%という結果です。
口座を保有していない人の割合が減っているため、銀行だけでなく資産運用を行う目的で証券口座を開設する人の割合が多くなっていると言えます。
20代と比べると、収入も安定してきているため、金融資産を保有している人の割合も高くなっています。
しかし、30代の家族のいる二人以上世帯には、出産や住宅ローンの支払いなどで、収入が減るほか支出も増える苦しい時期です。
計画的に過ごさないと、貯金ゼロに陥りやすいので注意が必要です。
40代の家族の実態
40代で預金口座または証券口座を保有していない人の割合は、単身世帯で3.9%、二人以上世帯で0.2%という結果になっています。
また、40代で金融資産を保有していない人の割合は、単身世帯で42.6%、二人以上世帯で22.6%という結果です。
年齢を重ねるとともに、口座を開設する人は増えますが、この年代は一度下がっていた金融資産を保有していない人の割合が上昇するのが特徴です。単身世帯と比較して家族のいる二人世帯以上の方が金融資産を保有していない人の割合の増加率が高いのには、子供の進学や住宅ローンの返済などの支出が大きく影響していると言えるでしょう。
50代の家族の実態
50代で預金口座または証券口座を保有していない人の割合は、単身世帯で2.8%、二人以上世帯で0.3%という結果になっています。
また、50代で金融資産を保有していない人の割合は、単身世帯で39.5%、二人以上世帯で17.4%という結果です。
40代と比較すると、単身世帯も家族のいる二人以上世帯も、どちらも30代の割合に戻っています。
家族のいる二人以上世帯には、子供の大学受験や住宅ローンの返済などの支出がまだ影響している時期です。
貯金ゼロに陥らないようにするためにも、うまくやりくりが求められる重要な時期と言えるでしょう。
60代の家族の実態
60代で預金口座または証券口座を保有していない人の割合は、単身世帯で1.0%、二人以上世帯で0.8%という結果になっています。
また、60代で金融資産を保有していない人の割合は、単身世帯で26.7%、二人以上世帯で22.0%という結果です。
60代になると、二人以上世帯の口座を保有していない人の割合が増えて、ほぼ単身世帯と変わらない状態になっています。
また、金融資産を保有していない人の割合も二人以上世帯の増加率が高くなっており、単身世帯に迫る勢いに。
家族のいる二人以上世帯は、どうしても単身世帯と比較すると支出が多くなるため、収入が減る60代になると、貯金ゼロになりやすい傾向があります。
貯金ゼロにならないためにも、計画的にお金を貯めるよう心がけましょう。
計画的にお金を貯める方法5選
貯金ゼロにならないために、計画的にお金を貯めると言っても、具体的にどうすればいいのでしょうか?
家族のいる二人以上世帯は、資産運用に時間と手間をかけてしまうと、家族で過ごす時間が短くなってしまうため、手間と時間のかからない方法が一番です。
そこでおすすめするのが以下の5つのお金を貯める方法です。
- 無駄な支出を見直す
- 貯金専用口座を設ける
- 投資信託を始める
- 不動産投資を始める
- ソーシャルレンディングを始める
それぞれの方法について詳しく解説します。
無駄な支出を見直す
まずは無駄な支出を見直すことです。
例えば、年会費の発生するクレジットカードを複数枚持っているのであれば数を減らす、電気代や水道代、ガス代、携帯代といった毎月発生するコストを見直すなどです。
また、住宅ローンを支払っていて、契約時よりも金利が低くなっている場合は、借り換えを検討することもポイント。
無駄な支出を減らすことで、貯金に回せるようになるため、貯金ゼロになることを防げるでしょう。
貯金専用口座を設ける
続いては貯金専用口座を設けることです。
家族のいる二人以上世帯では、何かと支出が多くなりやすいため、生活専用口座と貯金専用口座を分けることをおすすめします。
生活専用口座に入金された給料から、毎月一定額ずつ確実に貯金専用口座に回していけば確実に貯まるため、貯金ゼロから抜け出せるでしょう。投資信託を始める
投資信託は、資産運用の1つですが、運用のプロが代わりに資産を運用してくれるのが特徴です。
そのため、家族との時間を優先したい人、資産運用の知識や経験がない運用初心者に適しているお金の増やし方と言えます。
しかし、先ほどまでのお金の増やし方とは違い、元本割れのリスクを伴います。
しっかりとリスク管理をしながら運用することを心がけましょう。
不動産投資を始める
続いては不動産投資です。
不動産投資では、金融機関から融資を受けることも可能なので、貯金をある程度残しながら運用できるというメリットがあります。また、管理を不動産管理会社に任せれば、家族との時間を優先できます。
まとまったお金が必要な時は、売却すればお金に換えることもできるため、万が一貯金ゼロでも最後の助けになってくれるでしょう。
ソーシャルレンディングを始める
最後はソーシャルレンディングです。
ソーシャルレンディングは、企業に融資することで、利息を受け取ります。
堅実なお金の増やし方ですが、企業の経営が悪化して破綻した場合は元本を回収できなくなるので注意が必要です。元本を回収できなくなると、貯金ゼロに一歩近づくため、担保を提供している企業を選ぶといったようにリスク管理を徹底しましょう。
まとめ
家族のいる二人以上世帯は、共働きであればある程度の収入が確保できるため、貯金ゼロの家庭はほとんどいないと考えている人も多いと思います。
しかし、「家計の金融行動に関する世論調査」によると、家族のいる二人以上世帯の20代~60代では約17%~32%の家庭が貯金ゼロという結果になっています。
老後に必要な費用を確保する自助努力が求められている昨今では、貯金ゼロは大きな問題です。
貯金ゼロで老後に困らないためにも、計画的にお金を貯めていきましょう。