人々が生活する上で重要なのは「衣・食・住」の3つです。
しかし、この3つを満たすにはお金が必要であるため、お金がないと生活できないことになります。
働いてお金をある程度稼げる状況であれば問題ありませんが、病気やけがなどで働けなくなった場合は安心して暮らせないのでしょうか?
そこで今回は、「お金がない」「生活できない」という状況を防いで、安心して暮らすための方法について解説します。
お金がない・生活できない人は意外と多い
日本では戦後最長のデフレ状態が続いているため、生活が苦しいと感じる人も多いのではないでしょうか?
厚生労働省の「国民生活基礎調査」における貧困率のデータでは、日本の貧困率は15%前後となっています。
約7人に1人が「お金がない」「生活できない」という状況に陥っています。貧困に陥っている人たちの中には、働きたくても病気やけがなどで働けなくなって、お金がない・生活できないという人もいます。
働いていても学歴などが理由で、正規雇用で雇って貰えないことが低所得につながり、生活が苦しくなるケースもあります。
お金がない・生活できない状況から助かる6つの方法
お金がない・生活できないという状況に陥っても決して諦めてはいけません。
お金がない・生活できないという状況でも、以下の6つの方法のいずれかを選択すれば助かる可能性があります。
- 役所に相談する
- 転職を検討する
- 傷病手当金を活用する
- 住居確保給付金・一時生活支援事業を活用する
- フードバンクを活用する
- 一部負担金減免制度・無料低額診療事業を活用する
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
役所に相談する
お金がない・生活できない人には、厚生労働省が生活困窮者自立支援制度という政策を実施しています。
役所に相談に行けば、以下のような内容に対するサポートが期待できます。
- 自立相談支援事業
- 就労準備支援事業
- 家計相談支援事業
- 就労訓練事業
生活困窮者自立支援制度の利用は無料です。
役所に行って相談すれば生活の指導や支援を受けられますが、誰でも生活困窮者自立支援制度を利用できるわけではありません。制度を利用するには条件を満たしている必要がありますが、生活困窮者であれば問題なく制度を利用できるので、役所に相談してみましょう。
転職を検討する
年齢が高齢で転職が容易ではない場合には転職が困難ですが、まだ年齢的にも問題ないのであれば転職することもお金がない・生活できない状況を防ぐことにつながります。
会社の業績が良くないので給料が減給された、手取りが他と比べると少ない、残業代が支給されない、ボーナスが出ないなどの場合には転職を検討した方が良いと言えます。転職してお金が増えれば生活に余裕が生まれるほか、転職して待遇が良くなればアルバイトなどでお金を増やすことも期待できるでしょう。
傷病手当金を活用する
お金がない・生活できない原因が、病気やけがなどで働けない場合には傷病手当金を受け取ることが可能です。
傷病手当金とは、公的医療保険の被保険者が疾病や負傷によって、業務に就けない時に生活保障として保険者が行っている給付です。
傷病手当金は最長6ヶ月間、病気やけがになる前に支払われていた給料の3分の2が支給されます。ただし、国民健康保険の加入者は対象外になるほか、連続4日以上の勤務ができない状況で、医師に仕事ができないと判断されたなど、支給の条件が決まっているので注意しましょう。
住居確保給付金・一時生活支援事業を活用する
お金がない・生活できない人が助かる方法として生活困窮者自立支援制度がありましたが、住む家がなくて困っている場合は、生活困窮者自立支援制度の中の住宅確保給付金と一時生活支援事業を活用することが可能です。
あくまでも一時的に暮らすための保護であるため、支給期間は基本3ヶ月、最長9ヶ月と短くなっています。
65歳未満で、失業が原因で住居を失ったまたは失いそうなどの条件を満たす必要がありますが、最終離職日から2年以内であれば支給を受けられるため、早めに申請しましょう。
フードバンクを活用する
フードバンクとは、NPOやボランティア団体などが運営している2週間分の食料の支援を受けられる仕組みです。
生活困窮者自立支援制度の窓口に相談した場合に紹介してもらえます。
新鮮な食料を提供してもらうわけではありませんが、米やラーメン、ジュースなどの食料が手に入るため、お金がない・生活できない状況でも一時的な空腹を十分に満たせるでしょう。
一部負担金減免制度・無料低額診療事業を活用する
お金がない・生活できない人は、病院に通って治療を受けることもできません。
一部負担金減免制度は、3~6ヶ月の期間内の医療費が免除・減額・猶予されるものです。また、無料低額診療事業は、1~6ヶ月の期間内の医療費が無料または一部免除されるものです。
どちらも国民健康保険加入者でなければ適用されませんが、体調不良が理由で仕事や生活ができない状況に陥っている場合には相談した方が良いと言えるでしょう。
支出を見直すことも重要
働いていて収入があるにもかかわらず、お金がない・生活できない状況に陥っている人は、一度支出を見直す必要があります。
支出で大きな割合を占めているものとして水道光熱費・住居費などがありますが、これらの一般的な家庭より高くなっていないか確認することが重要です。例えば、収入が少ないにもかかわらず、立地条件の良い賃料の高い住居に住んでいる場合や電気やガスを契約している業者の料金プランが高いなどです。
立地条件や間取りを見直す・電気やガスの料金プランの見直すだけでも、お金がない・生活できない状況の改善が少しは期待できるでしょう。
安易にお金を借りない
お金がない・生活できない状況でも、安易に消費者金融などでお金を借りてはいけません。
消費者金融などでお金を借りても、利息などの返済に追われてしまい、結果的に自己破産に陥る可能性があります。自己破産で社会的な信用を失うと、精神的な負担がさらに大きくなってしまいます。
お金がない・生活できない状況に陥った場合には、まずは役所に相談してみましょう。
まとめ
厚生労働省の「国民生活基礎調査」における貧困率の調査によると、約7人に1人はお金がない・生活できない状況に陥っています。
「自分とは無縁だ」と思っていても、会社が破綻して年齢的に再就職が困難になれば、同じ状況に陥る可能性があるので注意が必要です。お金がない・生活できない状況になっても助かる方法があります。
例えば、役所に相談する・転職を検討する・傷病手当金を活用するなどです。
お金がない・生活できないと悩んでいる人は、手遅れになる前にできる限り早く役所などに相談しましょう。