老後に安心して過ごすためには、老後の不足する生活費を補う必要があります。
しかし、補うと言っても支出を抑えて少しずつお金を貯めるだけではとても足りないため、お金を運用して効率良く貯めていく必要があります。
そのような方法はあるのでしょうか?
そこで今回は、お金の運用方法には何があるか、代表的なお金の運用方法と特徴について解説します。
お金の運用方法は大きく2つに分かれる
高齢化の進行により、人生100年時代の到来と言われています。
しかし、年金だけでは老後の生活費が約2,000万円不足するので自助努力が求められています。
2,000万円という金額は、節約やアルバイトなどでお金を貯める程度では老後を迎えるまでに間に合うものではありません。
安心した老後を迎えるためには、お金を運用して効率良くお金を貯めていく必要があります。お金を運用することによって得られる利益は大きく以下の2つに分けられます。
キャピタルゲイン
キャピタルゲインとは、株式投資やFXなどで売買を繰り返していく中で得られる売却差益です。
キャピタルゲインは、大きな利益が期待できるというメリットがあります。
しかし、利益が得られるかどうか不確定であるほか売買して初めて利益を得られるというデメリットがあります。
キャピタルゲインを目的とした運用方法では、大きな利益が期待できるもののリスクも大きくなるため、ハイリスクハイリターンであることを覚えておく必要があるでしょう。
インカムゲイン
インカムゲインとは、株式投資やFXなどで資産を継続して保有し続けることによって得られる利益です。
例えば、株式投資の配当金やFXのスワップポイントなどです。
インカムゲインは、利益が確実に得られるというメリットがあります。
しかし、得られる利益がキャピタルゲインと比べると小さいというデメリットがあります。
インカムゲインを目的とした運用方法では、確実な利益が期待できるものの利益が小さくなるため、ローリスクローリターンであることを覚えておく必要があるでしょう。
代表的なお金の運用方法
お金の運用方法には、キャピタルゲインを目的としたものとインカムゲインを目的としたものがありますが、具体的にどんな方法があるのでしょうか?
代表的なお金の運用方法は以下の6つです。
- 預金
- 国債
- 株式投資
- FX
- 投資信託
- 不動産投資
それぞれの運用方法について詳しく見ていきましょう。
預金
銀行預金はペイオフによって元本が保証されているため、安心してお金を運用できる方法と言えます。
日本円の預金は、価格変動が生じないため、キャピタルゲインは期待できません。
しかし、安定したインカムゲインは期待できます。
一方、外貨預金は、価格変動が生じるため、安定したインカムゲインのほかキャピタルゲインも期待できます。
しかし、外貨預金は、ペイオフの対象ではないので銀行が破綻した場合はお金を失うリスクもあるので注意しましょう。
国債
国債は国への融資であるため、国が破綻しない限りは元本が保証されているため、預金と同様安心してお金を運用できる方法と言えます。
また、日本円の預金と同様価格変動が生じないため、キャピタルゲインは期待できません。
しかし、安定したインカムゲインは期待できます。
国債はメガバンクの日本円の普通預金よりも高い金利が魅力的ですが、普通預金のように自由にお金を引き出せるものではありません。換金可能なのが最短で1年など、流動性が低い点に注意が必要です。
株式投資
株式投資とは、証券取引所に上場している株式の売買によって利益を得る運用方法です。
株式投資は、売買によるキャピタルゲインだけでなく配当金によるインカムゲインも期待できます。
また、商品券などの株主優待も期待できるのも株式投資の魅力です。
しかし、株式投資は預金や国債のような元本保証がありません。
元本割れのリスクを伴うだけでなく、最悪の場合には上場廃止で運用しているお金が0円になるリスクも伴います。
お金を増やす運用方法として株式投資を選ぶ時は、ハイリスクハイリターンであることに注意しましょう。
FX
FXとは、国が発行している通貨の売買によって利益を得る運用方法です。
FXは、株式投資と同様売買によるキャピタルゲインだけでなくスワップポイントによるインカムゲインも期待できます。
株式投資のような商品券などの株主優待はありませんが、レバレッジによって資金以上に運用できるのが魅力です。
しかし、FXも株式投資のように、預金や国債のような元本保証がありません。
元本割れのリスクを伴うだけでなく、国家が破綻するような事態になった場合には運用しているお金が0円になるリスクも伴います。
お金を増やす運用方法としてFXを選ぶ時には、ハイリスクハイリターンであることに注意しましょう。
投資信託
投資信託とは、自ら運用するのではなく、資産運用のプロが代わりに株式投資や国債を運用してくれるものです。
資産運用に対する知識があまりない初心者や、資産運用の時間を確保できない人も価格変動によるキャピタルゲインと分配金によるインカムゲインが期待できます。また、株式投資では運用する銘柄を分ける、FXでは通貨を分けることによって資産運用のリスクを分散できますが、投資信託では運用方法を分散することでリスクを抑えられます。
リスクを抑えながら効率良くお金を増やせるため、リスクリターンのバランスが良い運用方法と言えるでしょう。
不動産投資
不動産投資とは、不動産を売却して得るキャピタルゲインや家賃収入によるインカムゲインが期待できます。
「不動産を購入するにあたってお金が必要になるのでは?」と思った人も多いかもしれませんが、条件次第では銀行からお金を借りながらできるので少ないお金でも運用できる可能性があります。
また、不動産は経年劣化による資産価値の減少を伴うものの、余程のことがない限り資産価値が0円になることはありません。
不動産投資があまりうまくいかなかった場合でも、投資用不動産を売却すればある程度お金を回収できることを考えると、リスクリターンのバランスが良い運用方法と言えるでしょう。
まとめ
お金を増やすには、節約で増やす方法や働いて増やす方法などがありますが、節約できるお金や働ける時間にはある程度限界があります。
そのため、不足する老後の生活費など、ある程度のまとまったお金を貯めるには運用で効率良くお金を増やす必要があります。
しかし、運用と一口に言っても、キャピタルゲインを目的としたものやインカムゲインを目的としたものなど様々です。
メリットやデメリットもそれぞれの運用方法で異なるため、運用方法を理解しながら自分に合った運用方法を選びましょう。