少しでも給料以外の収入を増やす、老後の年金以外の収入を増やす、資産を増やすといった目的で投資を検討している人も多いと思います。
しかし、投資を始めたものの、元本割れのリスクを伴う方法を選んだことで資産が減っては意味がありません。投資にはどのようなリスクを伴うのでしょうか?
そこで今回は、投資に伴うリスクについて分かりやすく解説します。
投資でリスクを伴うのは当たり前?
投資と聞いてどのような方法が思い浮かぶでしょうか?
投資と一口に言っても、銀行預金、国債、投資信託、株式投資、FX、不動産投資などの数多くの投資方法があります。
銀行預金の普通預金や定期預金は、銀行が破綻した場合でもペイオフで1金融機関につき1,000万円までの元本が保証されています。
また、国債も国が破綻しない限り元本割れすることはないため、銀行預金と国債はリスクをほとんど伴わない投資方法です。
一方、投資信託や株式投資、FX、不動産投資などは元本が保証されていないため、リスクを伴う投資方法と言えます。
「リスクをほとんど伴わない銀行預金や国債を選べばいいだけなのでは?」と考えた人が多いと思いますが、そんなに簡単なものではありません。
その理由は、リスクとリターンが表裏一体の関係にあるためです。
リスクとリターンは表裏一体の関係
銀行預金や国債は元本割れする可能性はほとんどありませんが、銀行預金や国債を選んで投資を始めても金利が低いのでほとんど利益を得ることもできません。
一方、株式投資やFXなどの元本割れの可能性の高い大きなリスクを伴う方法の場合には、価格(為替)変動が激しいので大きなリターンが期待できます。
つまり、リスクとリターンは表裏一体の関係にあり、高いリターンを得るには高いリスクを伴わなければならないことを意味します。
投資である程度の利益を求めている場合は、リスクとうまく向き合わなくてはなりません。
投資でリスクを少しでも抑えるためには、投資にどのようなリスクが伴うのかあらかじめ理解しておくことが重要です。
投資で伴う主な6つのリスク
投資で伴うリスクは、どの投資方法を選んだかによって多少異なります。
今回は投資で伴う主な以下の6つのリスクをピックアップしました。
- 価格変動リスク
- 為替変動リスク
- 金利変動リスク
- 流動性リスク
- 信用リスク
- カントリーリスク
それぞれのリスクについて詳しく解説します。
価格変動リスク
価格変動リスクとは、価格変動が生じたことによって元本割れが生じるリスクのことです。
例えば、株式投資では投資した株式の業績が悪化した、地政学的リスクが高まって投資家の心理状況が悪化したなどの理由で株価が下落する場合があります。
また、不動産投資を行うにあたり購入した投資用不動産の価格が下落する場合もあります。
しかし、価格変動によって利益が生じることもあるため、価格変動リスクは必ずマイナスに働くわけではありません。
価格変動リスクを少しでも抑えるためには、価格変動の少ない投資方法を選択する、企業の業績をチェックする、国内外の情勢を考慮しながら投資方法を選ぶことが重要と言えるでしょう。
為替変動リスク
為替変動リスクとは、日本円と外貨を交換する際のレートが変動するリスクのことです。
例えば、1米ドルが110円の際に1万ドルを外貨預金していた場合に、1米ドルが100円に下がると、110万円の元金が100万円に減少します。
外貨預金だけでなく、外貨建て保険や外国株式や債券への投資、FX、海外が投資対象である投資信託なども為替変動リスクを伴います。
為替変動リスクを伴う投資方法を選ぶ場合には、過去の為替と比べて現在の為替が高いか低いかをよく考える、相関関係にあるポジションを保有するなど、あらかじめ対策を練っておくことが重要と言えるでしょう。
金利変動リスク
金利変動リスクとは、国の金利が上昇することで国の債券価格が下がるリスクのことです。
例えば、インフレになると物価が上昇するだけでなく金利も上昇します。
金利が上昇すると債券が売られて銀行預金を選ぶ人が増えるので債券価格が下がります。
一方、デフレになると物価が下落するだけでなく金利も下落。
金利が下落した場合は、銀行に預けてもお金が増えないので債券が買われて価格が上がります。
金利変動リスクを抑えるためには、現在の経済情勢がどのようになっているのかしっかり把握することが重要です。
その時の経済情勢に適した投資方法を選べば少しでも金利変動リスクを抑えられるでしょう。
流動性リスク
流動性リスクとは、需要と供給のバランスが取れておらず、決済したくてもすぐにできないリスクのことです。
例えば、株式投資で今後の成長を願ってあまり有名でない企業に投資しても、売却したいと思ってもなかなか買い手が見つからず、すぐ売却できない可能性があります。
また、不動産投資では投資用不動産の価格が高く、いくら不動産投資が注目を集めていると言っても、なかなか買い手が見つからない可能性が高いと言えます。
流動性が低い場合は、急に現金が必要になってもすぐ株式や不動産を現金化できないため、安値で買いたたかれる、他の資産を手放さなくてはならない可能性があるので注意が必要です。
流動性リスクに対しては、購入する前の出口戦略としてどのような選択肢があるか、それを行うのが容易なのかどうかを事前に把握しておくことをおすすめします。
信用リスク
信用リスクとは、経営悪化や情勢悪化によって国や会社が破綻するリスクのことです。
例えば、株式投資の場合、株式を発行している会社が破綻すると株式の価値が0円になってしまいます。
大手航空会社の1つ日本航空(JAL)も過去に一度経営破綻して株価が0円になっています。
また、銀行預金の中でもペイオフの範囲外の預金については、銀行が破綻すると元本が保証されません。
信用リスクを抑えるには、経営が安定しているか情勢が悪化していないかなど、周辺状況や会社状況などをよく理解しながら投資することが重要と言えるでしょう。
カントリーリスク
カントリーリスクとは、国の経済情勢やテロや戦争による影響を受けるリスクのことです。
例えば、新興国はこれからの大きな成長が期待される一方、国の経済情勢が不安定でテロや戦争が起きる可能性が高いので注意が必要です。
他にも、市場規模が小さいので流動性リスクが高い、国の経済基盤が整っていないので信用リスクも高いなど、カントリーリスクの高さは他のリスクにも波及しています。
経済が発展したことで安定するかと思えば、急に法制度が変わって財産を没収される、高い税率を課される可能性も。
ある程度のリターンを求める場合はリスクを承知で新興国に投資する必要がありますが、海外資産の占める割合を減らす、リスクの低い投資方法と組み合わせるなど、リスク管理を徹底することをおすすめします。
まとめ
投資と一口に言っても、銀行預金、国債、投資信託、株式投資、FX、不動産投資など多くの投資方法があります。
それぞれの方法によって得られるリターンの大きさは異なりますが、リターンの大きさとリスクの大きさは比例しているため、ある程度のリターンを求めている場合にはリスクを覚悟して投資に臨む必要があります。
投資に伴うリスクは全ての投資方法で同じではありません。
今回紹介したリスク以外にも多くのリスクが存在しています。
少しでもリスクを抑えながら安定して利益を得るためにも、投資を始める際はどのようなリスクを伴うのか、対処方法はあるのかをよく理解してから投資を始めましょう。