不動産投資は安定した家賃収入が期待できるため、老後の私的年金になると言われており、人気のある投資方法の1つです。
不動産投資と一口に言っても、アパート投資やマンション投資、戸建投資といった数多くの種類がありますが、何か違いはあるのでしょうか?
そこで今回は、マンション投資とはどんな投資方法なのか、メリットとデメリットについて詳しく解説します。
マンション投資とは?
マンション投資とは、マンションの1室を購入してそれを貸し出すことで家賃収入を得る投資方法の1つです。
投資で得られる利益は、キャピタルゲインとインカムゲインの大きく2つに分けられます。
キャピタルゲインとは、売買で得られる利益のことで、株式投資では株式の売却益、不動産投資では不動産の売却益などです。
インカムゲインとは、保有しているだけで安定して得られる利益のことで、株式投資の配当、不動産投資の家賃収入などです。
キャピタルゲインは得られる利益が大きいというメリットがある一方、得られるかどうか確定していないというデメリットがあります。
インカムゲインは確実に利益が得られるというメリットがある一方、利益が少ないというデメリットがあります。
しかし、マンション投資で受け取れるインカムゲインは、他の投資方法のインカムゲインと比べると少なくありません。
ある程度のまとまった利益が期待できることから、多くの人がマンション投資に取り組んでいます。
マンション投資のメリット
マンション投資を始めるにあたり、メリットとデメリットが気になる人は多いと思います。
マンション投資のメリットとして、以下の4つが挙げられます。
- 金融機関から融資を受けられる
- 生命保険代わりになる
- 老後の備えになる
- 相続税対策になる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
金融機関から融資を受けられる
マンション投資を始めるには、まずマンションを購入しますが、マンションを購入する際は数千万円の資金が必要です。
「そんな資金をすぐに準備できない」という人が多いと思いますが、条件を満たした場合は金融機関から融資を受けることが可能です。
返済は家賃収入から行えるため、頭金を支払える程度の資金さえあれば、マンション投資を始めることができます。自己資金が少ない人でも、マンション投資を始めやすいのが大きなメリットと言えるでしょう。
生命保険代わりになる
マンション投資では、金融機関から融資を受けられると言いました。
融資を受ける際には、購入したマンションを担保に入れるほか、万が一に備えて生命保険に加入するのが一般的です。生命保険に加入していれば、途中で亡くなっても保険金を返済に充てられるため、残された家族に負担が生じません。
保険金の代わりに受け取った投資用マンションは、入居者がいる間は安定した家賃収入を生み出してくれるため、残された家族の収入確保にもつながるでしょう。
老後の備えになる
高齢化の進行で平均寿命が男女ともに80歳を超えており、人生100年計画を立てることが求められています。
「人生100年計画を立てると言っても年金があるから大丈夫」と思った人もいるのではないでしょうか?
しかし、年金は将来自分が受け取る分を払う積立方式ではなく、現在の高齢者を現役世代が支える賦課方式が採用されています。
つまり、支える子供の数が減少している少子化の昨今では、ただでさえ年金だけでは老後の生活が厳しいと言われているにもかかわらず、さらに受給額が減る可能性も。
しかし、マンション投資をしていれば、家賃収入を年金収入に上乗せできます。
また、急にまとまったお金が必要になっても、売却することでお金が手に入るため、老後のトラブルに備えられるでしょう。
相続税対策になる
相続財産を有している人が亡くなると、基礎控除を引いてまだ残っている場合は相続税が課されます。
現金を相続すると、評価額が100%となるため、基礎控除を引いた後に資産が残る可能性が高いと言えます。
しかし、不動産として相続した場合は、固定資産税評価額は実際の建築費の50~60%低くなることに加えて、借家として貸し出しているのでさらに30%評価額が低くなることに。
評価額を2分の1以上に引き下げることができるため、現金として相続するよりも大幅に相続税を抑えることができるでしょう。
マンション投資のデメリット
マンション投資には、上記のようなメリットがありましたが、メリットだけではありません。
デメリットも伴うため、それらをよく理解した上でマンション投資を始めることが重要と言えます。
マンション投資のデメリットとして、以下の4つが挙げられます。
- 空室リスクを伴う
- 家賃滞納リスクを伴う
- 自然災害リスクを伴う
- 修繕リスクを伴う
それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
空室リスクを伴う
マンション投資で得られる家賃収入は、入居者がいて初めて得られるものです。
そのため、空室が生じている場合には、家賃収入が得られないので注意が必要です。
複数のマンションを所有している場合やアパートを所有している場合、他のマンションや他の部屋の家賃収入があります。
しかし、1室だけの場合、「空室=家賃収入が0」になります。
家賃収入が0ということは、金融機関の融資の返済を家賃収入から行うことができません。
給与所得から返済する、貯金を崩しながら返済することになるなど、必ずしも安定した家賃収入が保証されているというわけではないという点に注意が必要です。
家賃滞納リスクを伴う
入居者がいるからと言って家賃収入が必ず得られるというわけではありません。
入居者の質が悪く、滞納が常習化している場合には家賃収入が得られないので注意が必要です。
「そのような家賃滞納者はすぐ追い出せばいいのでは?」と考えた人も多いと思いますが、日本の法律では入居者を保護しており、余程の滞納が続いていない限りは追い出すことができません。
3ヶ月以上の滞納が生じた場合には、裁判を起こすことで退去も可能になりますが、時間と手間がかかります。空室リスクだけではなく家賃滞納リスクにも注意が必要です。
自然災害リスクを伴う
日本は地震大国なので、いつ地震が発生するか分かりません。
例えば、急に地震が発生して建物に深刻な影響が生じた場合は、建物や部屋の修繕の完了までは家賃収入を得ることができません。
建て直しが必要になるほどの深刻な影響を受けた場合には、マンション全体で建て直しの費用を負担することになるので大きな支出になります。マンション投資は地震の他にも、台風の影響や火山の影響など、数多くの自然災害リスクを伴っています。
火災保険や地震保険などで補うことは可能ですが、修繕や建て直しの間の家賃収入が全く得られないという点に注意が必要です。
修繕リスクを伴う
マンションは、建物の設備の対応年数に応じて修繕を行う必要があります。
それらの費用は修繕積立金という形でマンションの所有者から徴収しています。
マンション投資では、修繕積立金は入居者ではなく、オーナーが負担しなければなりません。この修繕積立金は、あくまでも共用部分の修繕費用なので、部屋の劣化が進んでいる場合はその部分の修繕費用も発生します。
築年数の経過したマンションの場合、修繕積立金が高くなるほか、部屋の修繕費用も増えてキャッシュフローが悪化しやすくなるという点に注意が必要です。
まとめ
マンション投資は、マンションを購入して貸し出すことで安定した家賃収入を得ることが可能です。
マンション投資には、生命保険代わりになる、老後の備えになる、相続税対策になるなどのメリットがありました。
しかし、空室リスクや家賃滞納リスクといった多くのリスクを伴います。
少しでもリスクを抑えるためにも、どのようなリスクを伴うのか事前に知った上でマンション投資を始めましょう。