投資には、自分で投資を行う方法と代わりに投資してもらう方法の大きく2種類あります。

忙しい人や投資の知識や経験がない人は、代わりに運用してもらった方が安定した利益が期待できます

代わりに運用してもらう投資について調べていると、投資一任契約という言葉が出てきて、どのような投資方法なのか気になっている人もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、投資一任契約について分かりやすく解説します。

投資一任契約ってどんなもの?

投資一任契約ってどんなもの?

投資一任契約とは、証券会社や信託銀行などと契約することで、証券会社や信託銀行などの担当者が投資のアドバイスだけでなく、実際の発注を代わりに行ってくれるものです。

アドバイスを行って終わりというわけではなく、リアルタイムで相場状況を確認しながらリバランスといったアフターフォローも行ってくれます。

「投資信託とは何が違うの?」と気になった人もいるのではないでしょうか?

投資信託も投資家の資産を代わりに運用してくれますが、決定権はファンドにあるため、投資家は何も意見できません。

しかし、投資一任契約の場合は、決定権は投資家にあり、自分の意見を反映させられるのが大きな違いと言えるでしょう。

どんな人に適しているか

では、どんな人に投資一任契約は適しているのでしょうか?

例えば、仕事や家事などで日々忙しくしている人は、なかなか投資の時間を確保できません。

また、投資に興味はあっても、投資の時間を趣味の時間や家族と過ごす時間などに使いたい人には、全てを任せることができるので投資一任契約が適していると言えます。

投資には興味があるものの、投資に関する知識や経験がなくて投資を始めることに抵抗を感じている、専門家に任せたいという人にも投資一任契約が適していると言えます。

投資一任契約のメリット

投資一任契約のメリット

投資一任契約がどのようなものなのか、またどのような人に適しているのかが分かったと思います。

では、投資一任契約を選んだ場合のメリットには何があるのでしょうか?

投資一任契約を選んだ場合のメリットとして以下の2つが挙げられます。

  • 資産運用を完全に任せることができる
  • 分散投資を行うことができる

それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

資産運用を完全に任せることができる

投資一任契約の最大のメリットは、資産運用を完全に証券会社や信託銀行などの担当者に任せることができるという点です。

仮に、資産運用に対するアドバイスしかしてもらえなかった場合には、自分で購入や売却をしなくてはなりません。

購入するタイミングや売却するタイミングを教えてもらうことができたとしても、自分で発注しなくてはならないため、これまでに自分で発注したことがない人にとっては時間と手間がかかります。

しかし、投資一任契約では、金融商品を選んでくれる、購入や決済も全て行ってくれるため、投資にかかる時間と手間を省くことが可能です

そのため、効率の良い投資方法と言えるでしょう。

分散投資を行うことができる

投資の知識や経験がない人は、1つの銘柄だけを選んで投資する集中投資を行いがちです。

集中投資は、予想通りの価格変動が生じると大きな利益を得ることができる一方で、予想が外れると損失を1点に受けることになります。

そこで登場するのが分散投資です。

分散投資とは、1つの銘柄だけを選ぶのではなく複数の銘柄に投資する投資方法です

例えば、日本株式の場合は1社だけでなく複数の会社、日本株式に外国株式を加える、日本債権や外国債券を加えるなどです。

分散投資は得られる利益が分散されるので大きな利益が期待しにくいというデメリットはありますが、リスクも分散されるので安定した利益が期待できると言えます。

そのため、リスクを抑えながら長期的に資産運用を行いたい場合は、投資一任契約が適していると言えるでしょう。

投資一任契約のデメリット

投資一任契約のデメリット

投資一任契約には、資産運用を完全に任せることができる・分散投資を行うことができるというメリットがありましたが、デメリットはないのでしょうか?

投資一任契約を選んだ場合のデメリットとして以下の3つが挙げられます。

  • 最低投資金額が高い
  • 取引手数料が高い
  • 元本割れする可能性がある

それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

最低投資金額が高い

自分自身で投資を行う場合には、その投資方法を行うために必要な資金があれば問題なく行うことができました。

しかし、投資一任契約は、最低投資金額が別に設けられているので注意が必要です。

例えば、みずほ証券が提供している投資一任契約の1つであるファンドラップの最低投資金額は500万円からとなっています。

資産運用を専門家に行ってもらいたいと思っていても、最低投資金額が高ければ、それだけ敷居が高くなるため、気軽に始めやすいとは言えないので注意が必要です。

取引手数料が高い

自身で株式投資といった投資を行う場合には、証券会社が定めている手数料を納めるだけです。

しかし、投資一任契約の場合、基本報酬に加えて、成功報酬や信託報酬、売買手数料、各種諸費用などが加わるのが一般的です。

トータルでは、運用資産の1~3%が毎年コストとして発生するという点に注意しなければなりません。

先ほどのみずほ証券のファンドラップの手数料を見てみると、ファーストステップというプランで、運用財産の時価評価額に対して最大で年率1.6%(投資一任契約に係る報酬)となっています。

投資一任契約に係る報酬とは別に、年率0.34%~0.55%の信託報酬がかかります

投資の成功時のみ報酬が発生する場合はまだ問題ありませんが、失敗時も報酬が発生する場合は投資家の負担が大きいので十分に注意が必要です。

投資に失敗して損失が生じただけでなく、手数料も引かれて資産が大幅に減少することがないように、どこの証券会社や信託銀行の担当者を選ぶのかしっかりと選ぶことが重要と言えるでしょう。

元本割れする可能性がある

最低投資金額が高く、取引手数料も高いのであれば「元本割れしないのでは?」と投資一任契約に大きく期待した人も多いのではないでしょうか?

しかし、投資一任契約も、人が運用するという点は変わらないため、担当者の技量次第では元本割れする可能性があるので注意が必要です。

投資一任契約は、利益が必ず保証されているわけでも、元本が必ず保証されているわけでもありません

投資一任契約は、あくまでも専門家が投資家の意見を取り入れながら自身の知識と経験を駆使しながら代わりに資産を運用してくれるだけです。

過度に期待しすぎないように注意しましょう

まとめ

まとめ

投資一任契約とは、証券会社や信託銀行の担当者との間で契約を交わして、投資家の意見を参考にしながら、代わりに投資を行ってくれるものです。

そのため、投資に関する知識や経験がない人、忙しくて投資を行う時間を確保できない人、趣味の時間や家族と過ごす時間を大切にしたい人などにはおすすめの投資方法と言えます。

しかし、投資一任契約には、メリットだけでなく最低投資金額が高い・取引手数料が高い・元本割れする可能性があるといったデメリットも伴うので注意が必要です。

投資一任契約は始めるにあたってハードルが高いだけでなく、全ての人に適しているとは言えないため、メリットだけでなくデメリットをよく理解してから投資一任契約を選びましょう。

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