お金を増やす方法には、資産運用でお金を増やすという方法が挙げられます。
しかし、資産運用でお金を増やす場合には元本割れのリスクと隣り合わせにあるので注意が必要です。
リスクを抑えながら運用できる方法としておすすめするのが個人向け国債です。個人向け国債とはどんなものなのでしょうか?
そこで今回は、個人向け国債とはどのような運用方法なのか、その特徴とポイントについて解説します。
個人向け国債とは
個人向け国債とは、国が発行している債権を個人でも購入できるようにしたものです。個人向け国債は、3年・5年固定金利と10年変動金利の全部で3種類あります。
発行時に決まっていた利率に基づいて、利子を年2回受け取ることが可能です。
銀行預金と似ている部分が多いため、預金先が銀行から国に変わったと考えると理解しやすくなるでしょう。
個人向け国債のメリット
個人向け国債と銀行預金が似ているといっても、国が銀行の代わりを行っているわけではないため、同じようでも異なっている部分が多々あります。
では、個人向け国債にはどんなメリットがあるのでしょうか?
個人向け国債のメリットは以下の4つです。
- 1万円から始められる
- メガバンクよりも金利が高い
- 実質元本が保証されている
- 途中解約できる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
1万円から始められる
個人向け国債のメリットの1つ目は、1万円から始められることです。
社債や国債といった債権は、数十万円や数百万円の資金が必要になるなど、ある程度のまとまった資金が必要になることがあります。
しかし、個人向け国債は、まとまった資金が必要な国債を個人でも購入しやすいようにしたものです。
そのため、運用資金が少ない人でも気軽に始められることがメリットと言えるでしょう。
メガバンクよりも金利が高い
個人向け国債のメリットの2つ目は、メガバンクよりも金利が高いことです。
みずほ銀行や三井住友銀行、三菱UFJ銀行などは規模の大きさからメガバンクとして扱われていますが、メガバンクだからと言って金利がいいわけではありません。
メガバンクの普通預金の金利は0.001%、定期預金の金利は0.01%となっていますが、個人向け国債の最低金利は0.05%に保証されています。それ以下になることがないため、メガバンクに預金するよりも効率良くお金を増やせると言えるでしょう。
実質元本が保証されている
個人向け国債のメリットの3つ目は、実質元本が保証されていることです。
個人向け国債の募集要項は、元本が保証されているとは明記されていません。
しかし、個人向け国債で元本割れが生じることは、国債を発行した国が破綻することを意味します。
国が破綻することはほとんどあり得ないため、実質元本が保証されていると言えます。
預金している金融機関が破綻した場合は、預金保険機構が1金融機関あたり1,000万円と利息を保証してくれますが、それ以上は保証されません。
個人向け国債は、国が破綻しない限りはいくらでも保証されるため、運用額が大きいのであれば個人向け国債の方が良いと言えるでしょう。
途中解約できる
個人向け国債のメリットの4つ目は、途中解約できることです。
一般的な資産運用は、運用期間の途中で解約できないのが原則です。しかし、個人向け国債は、購入して1年経過後は好きなタイミングで途中解約できます。
金融機関の定期預金は、運用期間の途中で解約した場合のペナルティとして最初から普通預金の金利が適用されるというデメリットがあります。
しかし、個人向け国債は、2回分の利息が減額されてもそれ以外のペナルティがないため、急に資金が必要になった場合でも解約しやすいと言えるでしょう。
個人向け国債のデメリット
個人向け国債には、最低1万円から運用できて、最低金利保証や実質元本保証があるなどのメリットが挙げられるため、安心して運用できます。
では、個人向け国債にはどんなデメリットがあるのでしょうか?
個人向け国債のデメリットは以下の2つです。
- ネットバンクよりは金利が低い
- 現金化までに時間がかかる
それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
ネットバンクよりは金利が低い
個人向け国債のデメリットの1つ目は、ネットバンクよりは金利が低いことです。
個人向け国債の金利はメガバンクよりも高いということがメリットでしたが、店舗を構えていない楽天銀行やオリックス銀行などのネットバンクは比較的金利を高く設定できます。
ネットバンクの中には、定期預金の金利が0.1%を超えるものもあります。
最低金利保証とほぼ同じ金利が適用されている現状では、ネットバンクの方が効率良くお金を増やせると言えるでしょう。
現金化までに時間がかかる
個人向け国債のデメリットの2つ目は、現金化までに時間がかかることです。
銀行預金は、普通預金はすぐ現金化できるほか、定期預金も普通預金に組み替えられるのでスムーズに現金化できると言えます。
しかし、個人向け国債を途中解約する場合、解約を申請してから4営業日目に入金されるため、現金化まで時間がかかってしまいます。
急にまとまったお金が必要になった場合でも、すぐ現金化できないことがデメリットと言えるでしょう。
個人向け国債でお金を増やすためのポイント2選
個人向け国債はメガバンクの金利よりも高く、元本保証があるなどのメリットがある一方、ネットバンクよりも金利が低く、現金化までに時間がかかるなどのデメリットがあります。
個人向け国債でお金を増やすにはデメリットとうまく向き合う必要があるでしょう。
個人向け国債でお金を増やすためのポイントは以下の2つです。
- 運用方法を組み合わせる
- 金利変動に合わせる
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
運用方法を組み合わせる
お金を増やすためのポイントの1つ目は、運用方法を組み合わせることです。
例えば、個人向け国債の金利がネットバンクの金利よりも低いのであれば、元本保証の範囲内でネットバンクに預金して、残りで個人向け国債を購入するなどです。
そうすれば、元本保証を活かしながら金利が高い金融商品を運用できるため、より効率良くお金を増やせるでしょう。
金利変動に合わせる
お金を増やすためのポイントの2つ目は、金利変動に合わせることです。
個人向け国債は、購入したら満期を迎えるまで保有していればいいというものではありません。
固定金利で購入した場合には、満期まで金利が固定されているので金利が下がると得をしますが、逆に金利が上がると損をします。そのため、金利が低い時には将来的な金利上昇を期待して変動金利で購入する、金利が高い時には将来的な金利下落を想定して固定金利で購入するなどの対策が必要です。
また、固定金利で購入していて金利が上昇した場合には、解約して購入し直すことも選択肢と言えるでしょう。
まとめ
国債や社債といった債権を購入するには、ある程度のまとまった資金が必要です。
しかし、個人向け国債は1万円から購入できるだけでなく実質元本が保証されているため、気軽に始められるというメリットがあります。
一方で、個人向け国債の金利はメガバンクより高いものの、ネットバンクよりは低いというデメリットが挙げられます。
そのため、個人向け国債投資でお金を増やすには、メリットとデメリットを総合的に考えるほか、運用方法を組み合わせる・金利変動に合わせるといったポイントも忘れないようにしましょう。