子供の教育費用や進学費用の足しにしたい、老後の備えを増やしたいなど、資産運用を行う目的は人によって様々です。
明確な目的がない場合は、ある程度のリスクを背負っても問題ありませんが、目的が明確な場合は、目的を達成するために少しでも確実な運用方法を選ぶ必要があります。
そこで今回は、安定した利益が期待できるインカムゲインがどんなものかについて詳しく解説していきます。
資産運用の利益は大きく2つに分類
資産運用と聞くと、株式投資やFXなどで売買を繰り返して利益を得ることを想像している人も多いのではないでしょうか?
しかし、このように売買を繰り返して差益を得るだけが資産運用ではありません。
資産運用は、インカムゲインを狙った運用方法とキャピタルゲインを狙った運用方法とに分けることができます。
それぞれの運用方法の特徴について見ていきましょう。
インカムゲインとは
インカムゲインとは、資産を保有し続けることによって得ることができる利益のことです。
例えば、普通預金や定期預金の利息、債権の利息や株式の配当金、不動産投資の家賃収入もインカムゲインです。
インカムゲインを得るには、ただ資産を保有し続けているだけでいいため、忙しくて運用を行う時間を確保できない人や運用の初心者でも手軽に資産運用を始めることができます。
キャピタルゲインとは
キャピタルゲインとは、資産の売買を繰り返すことによって得ることができる利益のことです。
例えば、株式や不動産の売買による譲渡益、FXの売買による為替差益もキャピタルゲインです。
キャピタルゲインを得るには、インカムゲインとは異なり売買を繰り返す必要があるため、ある程度は運用を行う時間が確保できる人に向いていると言えます。
インカムゲインのメリットとは
インカムゲインにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
インカムゲインのメリットは主に以下の通りです。
- 時間のない人でも手軽に運用ができる
- 経済情勢に関係なく安定した利益が得られる
- ローリスクである
インカムゲインの説明でも触れたように、資産を保有しておくだけで利益が得られるため、資産運用のために特別な時間を確保する必要がありません。
そのため、忙しくて時間がない人でも手軽に資産運用を行うことができます。
また、経済情勢が不安定な場合でも、経済情勢に関係なくあらかじめ決められている利益を安定して得ることが可能です。
確実に利益が得られることが保証されているだけでなく、普通預金や定期預金では元本が保証されていることを考えるとリスクがかなり低く、初心者でも安心と言えるでしょう。
インカムゲインのデメリットとは
インカムゲインには、時間のない人でも手軽に運用ができる、経済情勢に関係なく安定した利益が得られる、ローリスクであるなどのメリットがありましたが、デメリットはあるのでしょうか?
インカムゲインのデメリットは主に以下の通りです。
- ローリターンである
- 資金が多く必要になる
インカムゲインは、ローリスクであるというメリットがありましたが、ローリスクで確実に利益を得ることができる分、リターンも低いというデメリットがあります。
インカムゲインの種類
インカムゲインを狙った資産運用の方法にはどんなものがあるのでしょうか?
運用方法は主に以下の通りです。
- 不動産投資
- 投資信託
- ソーシャルレンディング
- FX
- 個人向け国債
- 定期預金
それぞれの資産運用の方法について見ていきましょう。
不動産投資
不動産投資では、アパート1棟やマンションの1室などを購入して運用することによって、家賃収入を得ることがインカムゲインに該当します。
安定した家賃収入を得ることが期待できますが、アパート1棟やマンションの1室などを購入するとなると、多額の初期投資が必要になります。
しかし、他の資産運用とは違って、金融機関からの融資を受けることができるため、比較的始めやすい資産運用の方法と言えるでしょう。
投資信託
投資信託では、運用のプロに資金を預けて代わりに運用を行ってもらい、運用成績に応じて分配金を得ることがインカムゲインに該当します。
運用のプロに代わりに運用を行ってもらう分、手数料が自分で運用を行う場合よりも高くなります。
しかし、運用のプロに運用を行ってもらえるため、資産運用に関する知識がない初心者でもある程度の利益が期待できる運用方法と言えるでしょう。
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングでは、融資を受けたい企業と資産を増やした投資家をマッチングさせ、投資家は融資した額に応じた利息を受け取ることができます。
企業の中には、融資を受けたいものの、前年の業績が赤字であったりすると、金融機関から融資を受けることができない場合があります。
融資先が倒産した場合には、資産を失ってしまいますが、融資先を選ぶことができるため、リスクをコントロールしつつもある程度の利益が期待できる運用方法と言えるでしょう。
FX
FXでは、金利差をうまく活用することでスワップポイントを得ることがインカムゲインに該当します。
日本円や米ドルなどは金利が低いものの、発展途上にある南アフリカランドやトルコリラ、ブラジルレアルなどは金利が高いという特徴があります。
ある程度の利益が期待できるものの、発展途上にある国の通貨は為替変動が不安定であるため、インカムゲインの中ではハイリスクハイリターンの運用方法と言えるでしょう。
個人向け国債
個人向け国債では、国債を購入することによって、あらかじめ決められている金利を半年に1回得ることができます。
一般的な国債は、個人向けではないため直接購入できませんが、個人向け国債は、直接購入できます。
最低金利が保証されているほか、購入してから1年を経過していれば満期を迎えていない場合でも途中解約できるため、手軽に始めやすい運用方法と言えるでしょう。
定期預金
定期預金では、銀行などの金融機関に預金を行うことによって、あらかじめ決められている金利を得ることができます。
金融機関によって金利は大きく異なりますが、店舗を持たないネットバンクなどは金利が高いという特徴があります。
預金保険機構によって、1金融機関に対して1,000万円までの元本と利息が保証されているため、運用のリスクを最小限に抑えることができる運用方法と言えるでしょう。
明確な目的がある場合に最適
資産運用を行うにあたって明確な目的がある場合には、その目的を達成するために確実に資産を増やしていく必要があります。
そのため、利益を得られるかが不確実なキャピタルゲインを狙った運用方法よりも、確実に利益を得ることができるインカムゲインを狙った運用方法を選んだ方が良いと言えます。
それぞれのインカムゲインを狙った運用方法の中から、資産運用の目的に最も合っている運用方法を選ぶようにしましょう。
まとめ
資産運用を行う目的が老後の備えである場合などには、資産運用で確実に利益が得られる運用方法である必要があります。
そのため、運用目的が明確であって確実に利益を得る必要がある場合は、インカムゲインを狙った運用方法を選択する必要があります。
インカムゲインを狙った運用方法と一口に言っても、その種類は多種多様です。それぞれの運用方法のメリットとデメリットをよく理解した上で、運用方法を選ぶようにしましょう。