高齢化の進行で「人生100年計画」を立てる必要が出ています。
しかし、人生100年計画を立てる場合は、老後の生活費が2,000万円不足するという予想もあるため、安定した老後を暮らすためにもある程度の資産を持っておくことが重要です。
資産を持っておくと言っても、資産には日本円や外貨、金、株式、不動産といった数多くの資産があります。
どの資産を持つのが良いのでしょうか?
そこで今回は、どんな資産を持つのが良いのか、それぞれの資産の特徴を解説します。
資産を持つことは必須!
人生には、結婚や子供の出産、子供の進学、住宅の購入、退職など様々なライフイベントがあります。
これらのライフイベントには支出を伴うため、ある程度の資産を持つことが重要です。
「老後は退職金が手に入り、年金も得られるので資産を持つ必要はないのでは?」と思った人もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは言い切れません。
退職金を支払っている企業は100%ではなく、少子化の進む昨今では、将来の年金受給額が減額になる可能性もあります。そのため、老後を迎えた時に安心して過ごすには、少しでも多くの資産を持つことが重要と言えますが、給与をそのまま貯金しておけばいいのでしょうか?
どのような資産を持てば良いのか詳しく見ていきましょう。
どんな資産を持つのが良いのか
資産と一口に言っても、日本円や米ドル・ユーロなどの外貨、不動産、金など様々な資産があります。
将来に備えるには、どのような資産を持つのが良いのでしょうか?
資産を持つ際には、以下の3つのポイントを押さえておくことが重要です。
- 流動性
- 安全性
- 収益性
それぞれのポイントについて詳しく説明します。
流動性
流動性とは、もし急にお金が必要になった時にすぐに引き出すことができるかどうかです。
例えば、日本円を貯金している場合は、すぐに銀行から引き出すことができますが、株式や金、不動産として保有している場合には、日本円に交換する必要があるので流動性が低いと言えます。
中途解約できない資産や中途解約できるものの解約費用がかかってしまう資産は、すぐに引き出せないので注意が必要です。
安全性
安全性とは、保有している資産の元本が保証されているかどうかです。
例えば、株式は価格変動による大きな収益が期待できる一方、会社が破綻した場合は価値が0になるというリスクを伴います。
不動産も、火災や地震といった自然災害で資産価値が減少するリスクを伴います。
日本円は基本的に価値が変動することはなく、金も価値は安定しているので長期にわたって価値の安定している資産を保有することも重要と言えるでしょう。
収益性
収益性とは、資産として保有した場合に収益が多く生まれるかどうかです。
例えば、流動性と安全性の高い日本円の普通預金は、三井住友銀行やみずほ銀行などのメガバンクに預けていても、年0.001%程度の利息しか得られません。
しかし、安全性が低い株式では、1日に数%の価格変動が生じるため、収益性という点ではとても優れています。
流動性・安全性・収益性の全てを兼ね備えている資産はまずありませんが、どのポイントを優先するのか、うまく組み合わせるのかを考慮することが重要と言えるでしょう。
資産の特徴を解説
資産を持つ際には、流動性・安全性・収益性の3つのポイントを押さえることが重要ということについて触れました。
では、実際にどのような資産を持つのが良いのでしょうか?
代表的な資産として以下の5つが挙げられます。
- 株式
- 金
- 日本円
- 外貨
- 不動産
それぞれの資産の特徴について詳しく見ていきましょう。
株式
株式とは、企業が発行して証券取引所に上場している債権のことです。
証券取引所を介して取引することが可能です。
株式は価格変動が大きく、好業績や業務提携といったプラス材料が発表された場合、1日に10%以上のプラスが生じることもあります。
しかし、逆にマイナス材料が発表された場合、10%以上のマイナスが生じる可能性も。
取引の多い銘柄であれば流動性も高く、ある程度の収益性も期待できますが、安全性という点ではあまりおすすめできません。しかし、株主優待や配当を受け取れるなど、差益以外にも魅力があるため、資産を持つ際におすすめです。
ただし、リスク管理を徹底する必要があると言えるでしょう。
金
金とは、世界共通の価値を有する資産のことです。
金は埋蔵量が限られており、安全資産の1つと言われています。
そのため、テロや戦争などの地政学的リスクが高まった場合やリーマンショックといった世界経済が低迷した場合には、株式の価値が下がり安全資産である金の価値が上がります。
金を手に入れるには、金を専門的に扱う業者と取引する必要がありますが、家での保管には盗難や火災・地震のリスクが伴うため、そのまま業者に預けておくことも。
しかし、業者に預ける場合には管理手数料が発生します。
安定した価値を有しているため、資産を持つ際にはおすすめですが、必ず収益が得られると保証されているわけではないので注意が必要です。日本円
日本円も資産の1つです。
普通預金に入れていれば必要な時にすぐ引き出して使えるため、最も流動性に優れていると言えます。また、銀行が万が一破綻した場合でも、普通預金や定期預金であれば1金融機関あたり元本1,000万円までとその利息が保証されるため、安全性も優れていると言えます。
しかし、収益性の説明でも触れたように、日本円として保有していても収益性はあまり期待できません。
そのため、収益性を求めているのであれば、日本円以外の資産を保有した方が良いと言えるでしょう。
外貨
外貨とは、日本円ではなく、米ドルやユーロなどの資産です。
日本円にはインフレリスクが伴います。
インフレリスクとは、日本円の価値が下がって物価が上昇する状況です。
日本円の価値は、日本の国の経済状況に左右されます。
日本の労働力が上がっていれば経済成長が見込めるので日本円の価値が上がります。
一方、下がっていれば経済成長が見込めないので価値が下がることに。
少子化の日本では、労働力が下がる可能性が高く、インフレに陥る可能性も高いと言えます。
しかし、日本円の価値が下がったことで外貨の価値が上がるため、外貨を保有すれば差益を得ることが可能です。
外貨預金は金利も高いため、流動性・収益性が期待できますが、日本円のような元本保証が適用されません。
安全性には課題があるので注意が必要です。
不動産
不動産とは、土地や建物などの資産です。
不動産を所有しているだけでは毎年固定資産税や都市計画税などが生じるため、支出が増えてしまいます。
しかし、不動産を活用して駐車場経営やアパート経営などを始めた場合には、所有している不動産から収入を得ることが可能です。
不動産は収益性に優れていると言えますが、火災や地震などの自然災害リスクを伴うので安全性に優れているとは言えません。
また、金額が大きいため、すぐにお金に変えたくても流動性が低いというデメリットも。
そのため、不動産を持つ場合には、ある程度の現金を手元に残しておくなど、対策を練っておくことが重要と言えるでしょう。
まとめ
将来まとまったお金が必要になった場合に備えて、何かしらの資産を持つことは重要です。
しかし、資産と一口に言っても数多くの資産があるため、どのような資産があるのかまずは把握しておく必要があります。
資産には、流動性・安全性・収益性という3つのポイントがあります。
資産を持つ場合にはこれらのポイントと各資産のメリットとデメリットを考慮しながら、自分に合った資産を選ぶようにしましょう。