人生には、結婚、出産、子供の進学、住宅購入といった様々なライフイベントがあります。
それらのライフイベントにはある程度の支出を伴います。
これらのライフイベントが訪れてからお金を貯め始めても間に合わないため、どのようなライフイベントに対していくらかかるのか理解し、将来のために貯蓄することが重要です。
そこで今回は、各ライフイベントにいくらかかるのか、また各年代の平均貯蓄を解説します。
将来の貯蓄は足りてる?
高齢化の進行によって、退職後の期間が長くなっています。
平均寿命を見ても、男女ともに80歳を超えており、人生100年計画を立てる必要が出ています。
「退職後は年金があるから大丈夫」と思っている人も多いかもしれませんが、必ず貰えると保証されていません。
公的年金では、自分が将来受け取る分を積み立てる積立方式ではなく、現役世代が年金受給世代を支える賦課方式が採用されています。
そのため、少子化が進行している現状のままでは、現役世代が年金受給世代を支えきれなくなるので、掛け金の増額や支給額の減額などで将来が苦しくなる可能性も。
将来苦しくならないためには、しっかり貯蓄しておくことが重要です。
しかし、支出を伴うライフイベントもあるため、貯蓄するのは容易ではありません。
まずは、ライフイベントにいくら費用がかかるか把握しておく必要があります。
代表的なライフイベントにかかる費用
日本FX協会によると、代表的なライフイベントにかかる費用は以下の通りです。
- 結婚費用:約463万円
- 出産費用:約51万円
- 教育資金:約993万円(総額)
- 住宅購入費:約3,340万円
- 老後の生活費:約26万円(1ヶ月あたり)
教育資金は子供1人あたりの費用で、高校までは公立に通い、大学のみ私立に通った場合を想定した費用です。
もし、子供が二人の場合は約2,000万円かかります。
このように、将来に向けて貯蓄したくても支出が多いため、貯蓄するのはなかなか容易ではありません。
将来に備えるには、このような状況を理解した上で、計画的に貯蓄することが重要と言えるでしょう。
各年代の平均貯蓄はいくらか
計画的に将来に向けて貯蓄すると言っても、いつまでにいくら貯めるのかが分からないと具体的な計画を立てにくいと言えます。
年代ごとの平均貯蓄はいくらなのでしょうか?
2018年11月に金融広報中央委員会が公表した二人以上世帯の「家計の金融行動に関する世論調査」の結果について見ていきましょう。
二人以上世帯の平均貯蓄
各年代の二人以上世帯の平均貯蓄は以下のような結果になっています。
- 20歳代:平均値249万円、中央値111万円
- 30歳代:平均値660万円、中央値382万円
- 40歳代:平均値942万円、中央値550万円
- 50歳代:平均値1,481万円、中央値900万円
- 60歳代:平均値1,849万円、中央値1,000万円
- 70歳以上:平均値1,780万円、中央値700万円
平均値を見て「そんなに貯蓄しているの?」と気になった人もいるかもしれませんが、この平均値は、極端な貯蓄額の人がいるとそちらに引き寄せられるため、正確とは言えません。
そのため、貯蓄額を順番に並べた場合の真ん中の数値を抽出している中央値の方が現実に近いと言えます。
基本的に年を重ねるとともに貯蓄額は増えていますが、60歳代、70歳以上は貯蓄額が減少しています。
年金では足りず、少しずつ貯蓄を切り崩しながら生活していることが分かるでしょう。
貯蓄ゼロの世帯は意外と多い
年代ごとにいくら貯蓄しているか分かりましたが、貯蓄ゼロの世帯はどのくらいいるのでしょうか?
貯蓄ゼロの世帯の割合は以下の通りです。
- 20歳代:32.2%
- 30歳代:17.5%
- 40歳代:22.6%
- 50歳代:17.4%
- 60歳代:22.0%
- 70歳以上:28.6%
20歳代の貯蓄ゼロの割合が高いのは、給与水準が低いことに加えて、奨学金の返済などが理由として考えられます。
30歳代の割合が低いのは、給与水準が高くなったまたは返済が終わったからと言えます。
なぜ40歳代が高くなっているのでしょうか?
その理由は住宅を購入するための費用、車を買い替えるための費用、子供の進学などが重なったことなどが考えられます。
60歳を超えてくると貯蓄ゼロの割合が増えてくるため、将来安心して暮らすには少しでも多く貯蓄することが重要と言えるでしょう。
将来に向けて貯蓄するおすすめの方法5選
ただ単にお金を貯めるだけではお金を効率良く増やすことはできません。
では、どうすればいいのでしょうか?
将来に向けて貯蓄するおすすめの方法は以下の5つです。
- 投資信託
- 株式投資
- FX
- 外貨預金
- 不動産投資
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
投資信託
投資信託とは、自身で資産を運用するのではなく、運用のプロに資産を預けて代わりに運用してもらう貯蓄方法です。
代わりに運用してもらうため、運用する時間を確保できない人や経験や知識の少ない人に適しています。
投資信託ではある程度の利回りが期待できますが、元本は保証されていません。
元本割れが生じる可能性もあるため、理解した上で選びましょう。
株式投資
株式投資とは、証券取引所に上場されている株式を売買することによって差益を得る貯蓄方法です。
価格変動が大きいので大きな利益が期待できる一方、損失も大きくなる、破綻した場合には価値が0円になるといったハイリスク・ハイリターンの貯蓄方法なので注意が必要です。
しかし、株式投資は定期的に配当金が得られるほか、株主優待も得られます。
リスク管理を徹底しながら配当金や株主優待を長期的に受け取ることも1つの選択肢と言えるでしょう。
FX
FXとは、国が発行している通貨を売買することによって差益を得る貯蓄方法です。
運用に回せる資金が少ない場合でもレバレッジを効かせることによって少額から運用できるほか、土日を除いて24時間取引できるというメリットがあります。
一方、レバレッジを効かせた取引では、ロスカットという強制決済(損切り)が生じやすくなるので注意が必要です。
しかし、FXでは保有したポジションによっては、スワップポイントという利息を毎日受け取ることが可能です。
少しでも将来の貯蓄を増やしたい人に向いていると言えるでしょう。
外貨預金
外貨預金とは、日本円で貯金するのではなく、外貨に換えて貯金するという貯蓄方法です。
FXと何が違うか気になった人もいると思いますが、FXは実際に外貨を保有しない一方で、外貨預金は実際に外貨を保有します。
そのため、外貨預金では外貨を引き出すことが可能です。
外貨預金のメリットは、もし将来インフレが生じて円安が進行した場合に外貨が高くなるため、為替差益が期待できることです。
また、金利も高いので日本円として預けておくよりも効率良く将来に備えられます。
しかし、ペイオフの対象にならないため、銀行が破綻した場合には元本が回収できない可能性も。
そのため、外貨預金を選択する際は、外貨の年利がいくらか比較するだけでなく、安心して任せられる銀行を選ぶようにしましょう。
不動産投資
不動産投資とは、マンションやアパートといった投資用不動産を購入して貸し出すことで家賃収入を得る貯蓄方法です。
安定した家賃収入が得られるため、将来の不足する収入を補う効果が期待できます。
しかし、空室が生じた場合には安定した家賃収入が得られません。
また、火災や地震などで建物が影響を受けた場合にも、家賃収入が得られないだけでなく、資産価値が減少するので注意が必要です。
まとめ
少子高齢化が進む昨今では、いつまでも年金収入だけに頼っていられません。
将来安心して暮らすには、計画的に貯蓄しておくことが重要です。
しかし、計画的に貯蓄すると言っても、様々な支出を伴うライフイベントがあるため、どのライフイベントにいくら費用がかかるのか把握しておく必要があります。
ただ単にお金を貯めるだけでは非効率的です。
そこでおすすめするのが、株式投資や不動産投資といった資産運用です。
しかし、資産運用の中にはリスクが高いものもあるため、それらをよく理解してから選びましょう。