住宅を購入する場合は低金利で返済期間の長い住宅ローンを利用できるため、購入するかどうか悩んでいる人も多いと思います。
しかし、将来家賃が下がると予想されているため、住宅を購入するよりも賃貸を選んだ方が住居費を抑えることが期待できます。
持ち家と賃貸ではどちらが良いのでしょうか?
そこで今回は、将来家賃が下がるのか、持ち家よりも賃貸の方が良いのか分かりやすく解説します。
将来家賃は下がる?
学校や就職先が実家から近い場合にはそのまま過ごしている人も多いかもしれませんが、遠く離れている場合や進学や就職をきっかけに賃貸住宅に引っ越す人も多くいます。
その後、結婚して子供が生まれると賃貸のままでは手狭になるため、賃貸のまま別の場所に引っ越して過ごすのか、住宅を購入して過ごすのか検討する必要があります。
住宅を購入する場合には、低金利で返済期間の長い住宅ローンを利用することが可能です。
しかし、いくら低金利でも借金であることには変わらず、返済が負担になる可能性が高いと言えます。
一方、賃貸住宅は利子を支払わなくていいため、住居費を全体的に抑えることが可能です。
また、少子化が進んでいる日本では将来家賃が下がると言われているため、より賃貸の方が住居費を抑えることが期待できます。
では、少子化と家賃が下がることには本当に関係があるのでしょうか?
家賃が下がる2つの理由
家賃が下がる主な理由として以下の2つが挙げられます。
- 人口の減少によって需要が低下する
- 需要の低下によって地価も下落する
それぞれの理由について詳しく解説します。
人口の減少によって需要が低下する
人口が増加している状況では、賃貸住宅の需要が高くなります。
需要が高い状況では、家賃を多少引き上げても「それでも借りたい」という人が多いため、家賃の上昇が期待できます。
しかし、少子化によって少しずつ人口が減少している昨今では需要も低下しつつあるため、空室が目立つように。
空室が生じた場合は賃貸住宅を所有しているオーナーの経営状況が悪化するため、家賃を下げることで入居者を確保しようとします。そのため、将来少子化による人口の減少が予想されている日本では、家賃が下がる可能性が高いと言えるでしょう。
需要の低下によって地価も下落する
少子化が進行して人口が減少すると不動産全体の需要が低下します。
そうなると地価も下落するため、不動産投資を始めやすくなります。
地価が下落した賃貸住宅では、家賃を下げてもある程度の利回りを確保できるため、地価が下落すれば下落するほど家賃も下がることに。結果的に現在よりも将来家賃が下がる可能性が高いため、賃貸住宅の方が住居費にかかるコストを大きく抑えられる期待ができるでしょう。
賃貸住宅をおすすめする2つのポイント
少子化による需要の低下で将来家賃が下がることを考えると、住宅を購入するよりも賃貸住宅を選んだ方が良いと言えますが、他に賃貸住宅には何かおすすめポイントがあるのでしょうか?
賃貸住宅をおすすめするおすすめポイントは以下の2つです。
- 利子が発生しないので住居費を抑えられる
- 住居費にいくらかかるか予想しやすい
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
利子が発生しないので住居費を抑えられる
住宅の購入時には低金利で返済期間の長い住宅ローンを利用できます。
そのため、住宅を購入する時点でお金がなくても購入できるというメリットがある一方で利子が発生するので注意が必要です。
例えば、年利1.5%の元利均等返済、返済期間30年で4,000万円を借りたとすると、返済総額約4,970万円、利子だけで約970万円も多く支払うことに。
賃貸住宅の場合は利子を支払う必要はないため、仮に4,000万円を借りたことを考えると約970万円の節約になります。住居費を抑えることで浮いた分は老後の生活費に回す、部屋が少し大きい住居に引っ越すといった選択ができるようになるため、より有意義な生活を送れるようになるでしょう。
住居費にいくらかかるか予想しやすい
住宅を購入すると住宅ローンの返済が生じますが、それ以外にも支出が生じます。
例えば、外壁塗装の塗り直し、屋根の葺き替え工事などです。
これらの費用は住宅ローンの返済とは別に負担しなければなりません。
しかし、賃貸住宅ではこれらの工事費用は賃貸物件のオーナーが負担するため、基本的には毎月の賃料支払い以外に発生しないため、住居費を予想しやすいと言えます。
そのため、家賃がいくらの賃貸住宅を何年くらい借りるのか事前に予想して貯めておけば、年金暮らしになっても安心して暮らすことができるでしょう。
賃貸住宅が抱える2つのデメリット
賃貸住宅は将来家賃が下がる可能性が高い、利子が発生しないため、住居費を抑えることができるというポイントがありました。
また、住居費にいくらかかるのか予想しやすいというポイントもありましたが、デメリットは何かあるのでしょうか?
賃貸住宅が抱えるデメリットとして以下の2つが挙げられます。
- 高齢になると入居を断られる可能性がある
- 資産が手元に残らない
それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
高齢になると入居を断られる可能性がある
高齢になると、保証人を付けられる可能性が低くなる、また安定した収入がなく家賃滞納の可能性が高いという理由で入居を断られるケースがあります。
また、万が一入居中に亡くなった場合には事故物件という扱いになるため、高齢者の入居を断る賃貸物件のオーナーも多くいます。
もし高齢を理由に更新や契約を断られた場合には、老人ホームへの入居を検討しなければなりません。
しかし、老人ホームへの入居となると賃貸住宅とは異なり費用が高額になるほか、なかなか空きがなく住居探しに苦労する可能性もあるので十分に注意が必要です。
資産が手元に残らない
住宅を購入した場合は、ローンの返済が完了すれば完全に購入した不動産が自分のものになります。
そのため、万が一急にお金が必要になった場合でも、住宅を売却することでお金を確保することが可能です。
しかし、賃貸住宅は利用料を払っているだけで何も手元に残りません。
住宅の購入は住宅ローンを返済することで強制的に積み立てをしているのと同じなので、計画的に資産を貯めることが苦手な人の場合には、賃貸住宅よりも住宅を購入することをおすすめします。
まとめ
少子化が進行している日本では、将来人口減少による需要低下を理由に、賃貸住宅の家賃が下がる可能性が高いと言えます。
そのため、住宅を購入するのではなく、賃貸住宅を選んだ方が良いと考えている人も多いと思いますが、必ずしもそうとは言いきれません。
例えば、高齢になると更新や契約を断られる可能性があるほか、資産が手元に残らないので万が一の事態が生じた時に対応できないというデメリットがあります。
他にも賃貸住宅には、利子が発生しないので住居費を抑えられる、住居費にいくらかかるか予想しやすいというメリットがありますが、メリットだけでなくデメリットも考えてからどの選択肢にするのかしっかり決めましょう。