平均寿命が延びており、男女ともに80歳を超えました。
100歳以上の人数も増えており、「人生100年計画」を立てて将来に備える必要がありますが、退職してからお金が持つのか不安に感じている人も多いと思います。
将来に備えるためには、ただ単に貯金するだけではなく投資を組み合わせると効率が良くなります。
しかし、投資はリスクも伴いますが、問題ないのでしょうか?
そこで今回は、将来のために投資は必要なのか、投資のメリットとデメリットを解説します。
将来のために投資は必要?
公的年金制度は自身が将来年金受給世代になった時に蓄えるために掛けているのではなく、現役世代が年金受給世代を支えるために掛けられています。
このような方式を賦課方式と呼びます。
人口がどんどん増えている状況では、現役世代の人数が年金受給世代を上回っているため、将来年金受給世代になっても安心です。
しかし、少子高齢化が進行している昨今では、年金受給世代の人数が現役世代を上回っています。
このままでは、年金を受給するための財源がつきて年金制度が破綻するため、年金受給開始年齢を60歳から65歳に引き上げるとともに、退職年齢も同様に引き上げました。
少子高齢化がこのまま続くと、年金だけでは将来のお金が不足するため、2,000万円程度の自助努力が求められていますが、2,000万円を貯めることは容易ではありません。
毎月仮に8万円ずつ20年間貯めてようやく1,920万円です。ただ単にお金を貯めるだけでは2,000万円貯めるのに時間が掛かってしまいます。
そこで登場するのが投資です。投資のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
投資のメリット
投資を行うことで、より効率良く老後に備えることが可能です。
例えば、毎月8万円ずつ、20年間貯めると1,920万円貯まりました。
しかし、年利2%で20年間同様に積み立てると約2,358万円です。
複利運用することで約438万円多く将来に備えることができます。
また、2,000万円という目標は積み立て始めてから18年目には達成できており、約2年短縮することが可能に。
短期間で将来に備えなければならない、少しでも多く将来に備えておきたいという人には投資で将来に備える方法を選ぶことをおすすめします。投資のデメリット
投資を行うことで、少しでも早く、少しでも多く将来に備えることができるようになります。
しかし、投資にはメリットだけでなくデメリットがあります。
それは元本割れリスクを伴う可能性があることです。
銀行預金はペイオフによって1金融機関あたり1,000万円とその利息が保護されており、万が一金融機関が破綻した場合でも上限を超えない限りは元本が保証されているので安心です。
しかし、株式投資や不動産投資は元本割れリスクを伴います。
例えば、保有している株式の会社が破綻した場合には最終的には価値が0円に。
また、不動産投資で空室が生じた場合や建物が火災や地震で滅失した場合にはキャッシュフローが悪化する、資産価値が減少する可能性があるので注意が必要です。
一部の投資を除き、何らかのリスクを伴っているのが一般的であるため、投資方法の特徴をよく確認してから選ぶことが重要と言えるでしょう。主な投資方法の特徴を解説
投資は効率良く将来に備えることができますが、リスクを伴うため、投資方法の特徴をよく確認してから選ぶことが重要でした。
「言葉は聞いたことがあるものの、内容まではよく分からない」という人も多いと思います。
そこで以下の6つの代表的な投資方法をピックアップしました。
- 預金
- 不動産投資
- 株式投資
- 投資信託
- 国債投資
- FX
それぞれの投資方法の特徴について詳しく解説します。
預金
預金とは、銀行にお金を預ける投資方法です。
銀行は預かったお金を保管しているだけではありません。
預かったお金を融資したり、運用したりすることによって利益を得ています。
その利益が利息として預金にプラスされます。
日本円の普通預金は、メガバンクで0.0001%、ネットバンクはメガバンクよりも高く設定されていますが、1%には遠い状況です。しかし、外貨預金であれば、金利が日本円よりも高く設定されているので効率良く将来に備えられます。
前述した通り、ペイオフで一部元本が保証されているため、安心できる投資先と言えますが、外貨預金はペイオフの対象にはなりません。
元本保証を優先するか、少しでも得られる利息を増やすことを優先するかよく考えてから選ぶことをおすすめします。
不動産投資
不動産投資とは、マンションやアパートなどを購入して貸し出すことによって家賃収入を得る投資方法です。
不動産投資では安定した家賃収入が期待できるため、将来年金収入のみになった場合でも年金に家賃収入を加えることでより豊かな生活を送ることができます。また、急にお金が必要になった場合でも、売却することでまとまったお金が手に入るため、万が一の備えにもなります。
しかし、必ず安定した家賃収入が得られるとは限りません。
空室が生じた場合には、融資の返済を行うための家賃収入が得られず、給料や貯金から返済を行っていくことに。
自然災害リスクの影響で建物が被害を受けた場合は資産価値が低下する可能性もあるため、保険に加入するといったリスク管理が重要と言えるでしょう。
株式投資
株式投資とは、証券取引所に上場されている株式を取得して売却することによって差益を得る投資方法です。
株式投資では差益以外にも株主優待や配当金なども得られます。
価格変動が大きいため、ある程度の利益が期待できる一方、損失を抱える可能性も高いのでリスクの高い投資方法と言えます。
そのため、株式投資を始める際は、将来も安定した成長が期待できる企業かどうかしっかり確認するだけでなく、いくつかの企業に分散するなどリスク管理を徹底することが重要と言えるでしょう。
投資信託
投資信託とは、株式投資や国債投資を自身で行うのではなく、資産運用の専門家に委託して資産の運用を行ってもらう投資方法です。
自身で資産運用を行う場合はある程度の時間が必要になるほか、知識も必要になりますが、投資信託は専門家に任せられるため、効率良く将来に備えることができます。
しかし、いくら専門家に任せられると言っても必ず利益が出るとは限りません。
そのため、運用商品の特徴をそれぞれよく確認してから投資信託を始めることをおすすめします。
国債投資
国債投資とは、国が発行している債券を取得することによって、利息を得る投資方法です。
債券を発行している国が破綻しない限り、利息を受け取れる、元本が返還されるのが大きな特徴です。
しかし、得られる利息は、メガバンクの普通預金よりはいいものの、低い水準なのであまりおすすめしません。
ペイオフを超える金額を保有していて、預け先がない場合の投資先程度に考えておいても良いでしょう。
FX
FXとは、国が発行している通貨を売買することで差益を得る投資方法です。
土日を除いて24時間取引できるため、忙しい人でも取り組みやすいことから人気があります。
ポジションによっては、配当金に似たスワップポイントというお金を毎日受け取れるのも大きな魅力です。また、レバレッジを効かせることで少ない自己資金でも運用できるという魅力も。
しかし、レバレッジを効かせた取引では、ロスカットと呼ばれる強制決済(損切り)が生じやすくなるため、リスク管理を徹底することが重要と言えるでしょう。
まとめ
少子高齢化が進行しており、年金だけでは将来の生活費が不足すると言われています。
将来安心して暮らすためには、ただ単にお金を貯めるだけでは間に合わないため、投資によって効率良く備えることをおすすめします。しかし、投資の中には、元本割れリスクを伴うものもあるので注意が必要です。
投資方法は種類が多くあります。
それぞれの特徴をよく理解してから自分に合う投資方法をしっかり選んで将来に備えましょう。