40代になると、収入がある程度増えて生活が安定してくる反面、住宅ローンの返済に加え子供の成長に伴う生活費や教育資金の増加など、何かと支出が増えてしまいます。
また、老後の備えも必要になるので、しっかりと貯金を行っていくことも求められています。
そこで今回は、40代の平均貯蓄がどのくらいか知るとともに貯蓄体質を身に着ける方法について詳しく解説していきます。
40代の年収別貯蓄状況について
金融広報中央委員会が発表した「家計の金融行動に関する世論調査(2018年)」によると、40代の平均貯蓄額は942万円という結果になっています。
2017年の調査結果では643万円だったことを考えると、大幅に増加していることになります。少ない順または多い順に並べた時の真ん中の数値である中央値は550万円となっており、こちらも2017年の220万円から大幅に増加していることになります。
その一方で、貯蓄ゼロの世帯が22.6%いることを考えると、バラツキが大きいと言えるでしょう。
40代の年収別貯蓄状況についてまとめると以下の通りです。
- 年収300万円未満
貯蓄ゼロ:43.1% 平均貯蓄額:261万円 中央値26万円
- 年収300万円~500万円未満
貯蓄ゼロ:22.8% 平均貯蓄額:617万円 中央値407万円
- 年収500万円~750万円未満
貯蓄ゼロ:17.2% 平均貯蓄額:934万円 中央値649万円
- 年収750万円~1,000万円未満
貯蓄ゼロ:7.2% 平均貯蓄額:1,417万円 中央値1,308万円
- 年収1,000万円~1,200万円未満
貯蓄ゼロ:15.6% 平均貯蓄額:1,852万円 中央値1,500万円
- 年収1,200万円以上
貯蓄ゼロ:3.1% 平均貯蓄額:3,369万円 中央値2,400万円
年収300円未満の半数近くが貯蓄ゼロという結果になっていますが、この貯蓄ゼロの人も含めて40代の平均貯蓄額と中央値を算出しているため、資産がある人の平均貯蓄額と中央値はこの結果よりも多くなります。
どのくらいの差が生じるのか詳しく見ていきましょう。
40代の資産がある世帯の資産割合について
40代の資産がある世帯(貯蓄ゼロを除く)の平均貯蓄額は1,238万円、中央値は800万円という結果になっています。
貯蓄ゼロも含めた平均貯蓄額の942万円、中央値の550万円と比べると、大幅に増加していることになります。
40代の資産割合についてまとめると以下の通りです。
- 金融資産保有額100万円未満:6.2%
- 金融資産保有額100万円以上200万円未満:5.5%
- 金融資産保有額200万円以上300万円未満:4.5%
- 金融資産保有額300万円以上400万円未満:3.5%
- 金融資産保有額400万円以上500万円未満:7.6%
- 金融資産保有額500万円以上700万円未満:13.3%
- 金融資産保有額700万円以上1,000万円未満:12.5%
- 金融資産保有額1,000万円以上1,500万円未満:13.5%
- 金融資産保有額1,500万円以上2,000万円未満:9.6%
- 金融資産保有額2,000万円以上3,000万円未満:9.2%
- 金融資産保有額3,000万円以上:7.6%
- 無回答:7.2%
この結果を見ると、金融資産保有額が500万円~1,500万円の世帯が全体の約4割を占めていることになります。
自分の資産の保有状況と比べてどうかを把握しつつ、生活費などを調整しながら老後に向けた貯蓄を増やしていく必要があるでしょう。
貯蓄体質になるには
もらった給与から住宅ローンなどの支出を指し引いて、余ったお金を使ってもいいお金ととらえてしまうと、いつまでたってもお金が貯まりません。
貯蓄体質を身に着けるには、以下の2点に気を付ける必要があります。- 貯金する目的を明確にする
- いくら貯金するのか明確にする
それぞれの貯蓄体質を身に着ける方法について詳しく見ていきましょう。
貯金する目的を明確にする
「周りが貯金しているから自分も貯金しなきゃ」と貯金する目的が明確になっていないと、いつまでにいくらを貯めるという肝心の部分が不明瞭になってしまうため、貯金をしたりしなかったりと、なかなか貯金が増えない原因になってしまいます。
そのため、まずは何のために貯金しなければならないのかを明確にすることが重要です。
例えば、「老後にお金の心配をすることなく夫婦でゆっくり暮らしたい」「子供が私学でも学費が大丈夫な状態にしたい」などです。
いくら貯金するのか明確にする
日本FP協会が発表している子供一人当たりの教育資金は、約993万円という結果になっています。
この約993万円は高校まで公立高校、大学だけ私立に行った場合の平均値です。
また、同様に高齢夫婦無職世帯の1か月の支出は、約26万円という結果になっています。
このように必要な資金のおおよその目安は調べることによって分かるため、その資金からいくら貯金が必要になるのかを明確にしておくことが重要です。
例えば、年金から老後の生活資金が2,000万円不足することが分かっていれば、不足分を貯蓄によって補う必要があります。
40代では退職までの約20年で2,000万円貯めなければならないなど、より具体的な貯金の計画を立てやすいと言えるでしょう。
貯金を増やす方法とは
収入から支出を引いて残ったお金を貯金に回していくとなると、貯金の額は支出に大きく左右されることになるため、安定して貯めていくことができません。
そのため、少しでも貯金を安定して増やしていくには以下のような方法があります。
- 必要なものと欲しいものに分ける
- 収入から貯蓄を引いて支出を算出する
それぞれの貯金を増やす方法について詳しく見ていきましょう。
必要なものと欲しいものに分ける
買い物などのレシートをすぐに捨ててしまう人もいると思いますが、レシートには自分の買い物の傾向が表れているため、残しておいて確認することが重要です。
買い物の内容は、大きく必要なものと欲しいものに分けることができます。必要なものは減らすことができませんが、欲しいものは必要としているものではないため、減らしても問題がないものと言えます。
例えば、それらが必要というわけではないものの、たまたまセールで価格が安かったから買ったというものがある人も多いのではないでしょうか?
結果的にそのようなものは、いくら安くても支出を伴っていることには変わりないため、貯金に回すことができるお金を減らしてしまいます。
収入から貯蓄を引いて支出を算出する
収入から支出を引いて残額を貯金に回すという考え方では、「今月は残額に余裕があるから外食をしよう」というように、支出を優先にしてしまいがちです。
そのため、確実に貯金を殖やしていくためには、収入から貯蓄を引いた残額を支出として使うという考え方に切り替えることが重要です。
まとめ
40代は、仕事でもらえる給与が安定してくる年代でもありますが、同時に子供の教育費や住宅ローンの返済など支出が多くなります。
また、老後の備えも考えると、少しでも多く貯金を残しておくことが重要です。
しかし、「お金が手元にあると使ってしまう」など、中にはお金を貯めることが苦手という人もいます。
収入から支出を引いて余った分を貯金に回すのではなく、どのくらい貯める必要があるか明確にした上で、収入から貯蓄を引いて余った分を使うようにすると、貯金が苦手な人も安定して貯金を殖やすことができるでしょう。