コツコツと貯金を続けていたところ、ある程度のまとまったお金ができたので資産運用を行ってみようと考えている人もいるのではないでしょうか?
運用額が少額の場合は、運用方法が限られますが、ある程度のまとまったお金の場合は、運用方法の選択肢が増えるため、悩んでしまいます。
そこで今回は、まとまったお金の運用方法について詳しく解説していきます。
運用前の準備
「使う予定のないお金で、そのままではなく運用した方がいいと思った」など、特に目的が明確でない場合は、運用に回すのではなくそのままにしておいた方が良いと言えます。
資産運用は必ずリスクを伴うため、資産運用を行うことに対して明確な目的がなければ、運用方法も選ぶことができません。
そのため、まずは運用前の準備がしっかりできているかどうかを確認することが重要です。
運用前に必要な準備は以下の3つです。
- 運用目的を明確にする
- 目的に応じた利回りを検討する
- 利回りに応じた運用先を検討する
それぞれの準備について見ていきましょう。
運用目的を明確にする
運用目的にはどのようなものがあるでしょうか?
例えば、
「安定した老後生活を送るためにおよそ○○万円を〇年後までに貯めておきたい」
といったことです。
上記の運用目的をよく見てみると、「いくら」という金額だけでなく「いつまでに」という期限についてもしっかりと盛り込まれています。
資産運用を行う場合は、これらの運用目的にしっかりと金額や期限が盛り込まれているかどうかが重要です。
目的に応じた利回りを検討する
利回りとは、資産運用を行うことによってどのくらいの利益を得ることができるかということです。
例えば、メガバンクの金利などは、0.001%となっていますが、100万円をメガバンクに預けたとしても、1年間で10円しか利息が付かないことを表しています。
必要な利回りを計算するにあたって必要となるのが、先ほどの運用目的の金額と期限です。
元手はいくらあるか、運用期間は何年か、目標金額はいくらかなどを求める必要があります。
20年後に100万円を元手に資産運用で400万円にしたい場合には、およそ7%の利回りの運用方法を選ばなければなりません。
利回りに応じた運用先を検討する
少額の場合には運用先がある程度限られてきますが、まとまったお金の場合には運用先が豊富にあるため、ほぼ自由に選ぶことができます。
しかし、選んだ運用先によっては目標を達成できない可能性があるため、しっかりと利回りを確認しておくことが重要です。
例えば、運用方法には証券投資(株、債権、投資信託、FX、仮想通貨)や不動産投資(区分マンション、一棟アパート、戸建住宅)、銀行預金(普通預金、定期預金、外貨預金)などです。
株式投資やFXは、10%以上の利回りが期待できる運用方法と言えますが、その分リスクが高いため、必ずその資金を貯めなければならない場合は適しているとは言えません。しかし、投資信託の場合には、リスクを抑えながら4~8%程度の利益を狙うことが可能です。
このように資産運用の目的から金額や期限、目標金額を明確にして、逆算によって利回りを求めることができれば、どの資産運用を選ぶべきかが明確になるでしょう。
まとまったお金を運用する際のポイント
まとまったお金は、一気に運用した方が大きな利益を得ることができるように思いますが、実際には一気にまとまったお金を失うリスクと隣り合わせにあるため、工夫して運用する必要があります。
まとまったお金を運用する際のポイントは以下の3つです。
- 投資対象を分散する
- 投資タイミングを分散する
- 長期運用する
それぞれのポイントについて見ていきましょう。
投資対象を分散する
資産運用には「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があることをご存知でしょうか?
卵を1つのカゴに盛っていてカゴを落としてしまった場合には、全ての卵が割れてしまうということです。
資産運用もこれと同じ仕組みで、1社や1か国、または1つの運用方法に絞って資産運用を行っている場合は、もし投資対象が暴落すると、損失を1点に集中して受けてしまうことになります。
投資タイミングを分散する
ほとんどの資産運用は、価格変動が生じるものを投資対象としています。
そのため、安いと思って購入したものの、そこからさらに下落して大きな損失を抱えてしまう人は、この価格変動の波にうまく乗れていないことを意味しています。
しかし、価格変動を確実に予想できる人はほとんどいません。
そのため、多くの投資家は、この価格変動のリスクと隣り合わせであるため、価格変動のリスクを抑えるためにも、投資タイミングを分散するという方法を取ります。
投資タイミングをずらして資産運用を行う方法はドルコスト平均法と呼ばれていますが、タイミングをずらすことによって高値掴みするリスクを抑えます。
長期運用する
資金が少額の場合は、ある程度利回りが高い運用方法に対して積極的な取引を行っていく必要があります。
しかし、まとまったお金の場合は、利回りが低くても安定した利益を得ることが期待できるため、短期運用よりも長期運用に適していると言えます。
特に先ほどの投資対象の分散や投資タイミングの分散を意識してまとまったお金の運用を行うのであれば、積立投資信託が適しています。
積立投資信託とは、投資信託を定期的に積み立てる運用方法です。
1つの銘柄で複数の国の企業や債券に投資できるため、分散投資に該当します。
また、100円から積み立てることができるため、継続しやすく、積み立てることで投資タイミングの分散に該当します。
ある程度のまとまったお金を運用する場合には、この3つのポイントを意識しながら運用方法を選ぶと良いでしょう。
ロボアドバイザーも選択肢の1つ
ロボアドバイザーとは、AI(人工知能)による投資診断や投資アドバイス、運用などを行うサービスのことです。
投資信託の場合には、自分自身で数多くある投資信託の商品の中から自分に合ったものを選ぶ必要がありましたが、ロボアドバイザーは全て自動で行います。
最初にロボアドバイザーの簡単な質問に答えるだけで、投資家の投資スタイルなどを判断して、後は自動で売買を行ってくれるため、投資リスクを抑えることができます。
そのため、より自分の運用スタイルに合った、効率の良い運用が可能になると言えるでしょう。
まとめ
資金が少額の場合は、運用方法が限られますが、ある程度のまとまったお金がある場合は、選択できる運用方法が多いため、どの運用方法にするか悩んでしまいます。
運用方法を決める際は、運用目的を明確にする、目的に応じた利回りを検討する、利回りに応じた運用先を検討するといった点を考慮しながら選んでいきます。
また、まとまったお金を運用する際には、投資対象を分散する、投資タイミングを分散する、長期運用することで資産運用のリスクを抑えることが重要と言えるでしょう。