結婚して子供が生まれた場合は、夫婦二人だけの時よりも生活費が増えるため、支出が多くなります。

しかし、支出が多くなる中でも、子供が成長して将来進学した時に備えて貯金を行っておく必要があります。

子供が将来安心して進学するにはいくら貯蓄しておく必要があるのでしょうか?

そこで今回は、子供の将来のために必要な貯蓄額と貯蓄方法について解説します

年代別貯金目標

年代別貯金目標

結婚して子供が生まれた場合は、将来の進学に備えて貯金を行っておく必要がありますが、具体的にいつまでにいくら貯金しておかなくてはならないのか理解できている人は少ないです。

40代前半までに600万円貯金することが1つの目標と言われていますが、40代前半までに600万円も貯金できるのでしょうか?

20代、30代の貯金目標について見ていきましょう。

20代の貯金目標

20代は給料が少ないものの、結婚していない場合にはそこまで生活費が必要になることはありません。

そのため、20代は無駄遣いせずに積極的に貯金を行っていく時期と言えます。

先ほどの40代前半までに600万円という1つの目標を達成するには、1年あたり30万円、つまり1ヶ月あたり2万5,000円貯金すれば、20年後には600万円貯金できていることになります。

20代の金融資産額の平均値は、単身世帯で342万円、二人以上世帯で365万円、中央値は、単身世帯で129万円、二人以上世帯で200万円となっています。

 年齢を重ねると、結婚や出産、冠婚葬祭などで支出が多くなるため、この時期にできる限り貯金した方が良いと言えるでしょう。

30代の貯金目標

30代は給料が増える一方で、人によっては結婚、出産をきっかけに生活費が増える時期と言えます。

また、共働きであっても、出産をきっかけに専業主婦になるケースも多いため、この時期にどの程度貯金できるかが重要になってくると言えるでしょう。

30代の金融資産額の平均値は、単身世帯で732万円、二人以上世帯で600万円、中央値は、単身世帯で350万円、二人以上世帯で405万円となっています。

 目標に向けてうまく貯金できていない場合には、子育てをしながら少しパートに出るなど、夫婦間でどうしていくか話し合っていきましょう。

学校種別の学習費総額

学校種別の学習費総額

40代前半までに600万円という1つの目安について触れましたが、600万円貯金したから安心というわけではありません。

子供の教育に力を入れて、公立ではなく私立に入学させた場合には、より多くの教育費用がかかるので注意が必要です。

公立ではなく私立に入学させた場合は、どのくらい教育費用が必要になるのでしょうか?

学校種別の学習費の総額を文部科学省のデータに基づいて見ていきましょう。

学校種別の学習費総額

公立幼稚園の1年あたりの学習費総額は22万2,264円、私立は49万8,008円

公立小学校の1年あたりの学習費総額は32万1,708円、私立は153万5,789円

公立中学校の1年あたりの学習費総額は48万1,841円、私立は133万8,623円

公立高校の1年あたりの学習費総額は40万9,979円、私立は99万5,295円

 

高校卒業までの合計は、公立で527万2,500円、私立で1,771万512円です。

全てが公立の場合には600万円以下となるため、600万円貯金できていれば十分足りていると言えます。

また、国立大学の1年あたりの合計は64万7,700円、公立は66万6,300円、私立は136万1,600円です。

高校卒業までに私立を含む、あるいは大学進学を視野に入れるとなると600万円では不足します

また、子供が1人ではなく2人となると、高校卒業までが全て公立だったとしても倍の1,200万円が必要です。

子供の将来の進学費用で困ることがないように、上記を考慮しながら計画的に貯めていくことが重要と言えるでしょう。

確実に貯蓄を増やすことが重要

確実に貯蓄を増やすことが重要

子供が中学校を卒業するまでは児童手当が支給されますが、その合計額はおよそ200万円です。

仮に600万円必要とすると、400万円は自分で貯めておかなくてはなりません

子供の教育費は必ず発生するものであるため、400万円を資産運用などで賄おうとするのであれば、リスクが低く、確実に貯めていくことができる方法であることが重要です。

子供の将来のためにお金を増やしていく方法として挙げられるのが、以下の3つです。

  • 銀行預金
  • 学資保険
  • 支出を抑える

それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

銀行預金

「収入-生活費=貯金」という考え方では、収入が増えれば貯金も増えることになるため、いかに収入を増やすかがポイントになります。

収入を増やす方法として資産運用が挙げられますが、子供の教育費は必ず発生するものであるため、リスクを抑えながら確実に増やしていく必要があります。

そこで挙げられるのが銀行預金です。

ほとんどの資産運用は元本保証が付いておらず、最悪の場合には資産運用を行ったせいで資産を失う可能性があります

しかし、銀行預金は預金保険機構によって1,000万円までの元本保証が付いているため、最もリスクの低い運用方法と言えます。

「でも銀行預金は金利が低いのでは?」と思った人も多いかもしれませんが、メガバンクの金利は確かに低いです。

しかし、比較的金利の高いネットバンクであれば、0.2%の金利が適用されるものもあるため、安全かつ確実に貯金を増やすことができます。

リスクの低い運用方法として個人向け国債がありますが、個人向け国債は最低金利保証が0.05%とメガバンクの金利よりは高いものの、ネットバンクよりは低いです。

これらを考慮すると、ネットバンクに貯金するのが適していると言えるでしょう。

学資保険

学資保険とは、子供の教育資金を準備するための貯蓄型の保険です。

毎月一定額の保険料を払うことで、子供の成長に合わせた進学準備金や満期額資金を受け取ることができます

学資保険は、万が一契約している親が亡くなった場合でも、それ以降の保険料の払い込みが免除になります。

魅力的な貯蓄性に加え、税制上の優遇があるほか、受け取るタイミングも設定できるという特徴があります。

万が一の事態が生じた場合は保険料が免除になる一方、自ら途中で契約を解除した場合は受取金額が支払った保険料以下になるケースが多いです。

 学資保険は貯蓄性の高さが魅力ですが、最初の保険料の設定額を誤ると、保険料の支払いが負担になって支払いを継続できない可能性があるため、無理のないプランニングが重要と言えるでしょう。

支出を抑える

「収入-生活費=貯金」という考え方では、収入を増やすことを優先しがちですが、支出である生活費を減らすことで貯金を増やすことも方法の1つです。

例えば、携帯料金の見直しや賃貸住宅の場合は家賃の見直しを行うなどです。

毎月継続的に発生する支出を抑えることができれば、その分確実に貯金を増やしていくことができるでしょう。

しかし、この方法では生活費がメインになってしまうため、無駄な外食や衣服の購入などで、意外と計画的に貯金できないことが多いです。

そこで重要なのが「給与-貯金=生活費」という考え方に変えることです。

この考え方では、貯金がメインになるため、確実に一定額ずつ貯金できるだけでなく支出を抑えることにもつながるため、効率良く貯金を行っていくことができるでしょう。

まとめ

まとめ

児童手当という国からの子供の教育資金のサポートがありますが、このサポートだけでは、子供の将来の教育資金を完全に賄うことができません

高校卒業まで全て公立だった場合には、子供1人当たり500万円程度の費用がかかるため、40代前半を迎えるまでに600万円程度の貯金が必要です。

子供が2人以上の場合や私立の学校に進学する、大学に進学するといった場合にはさらに教育資金が必要になります。

リスクの低い銀行預金や学資保険、支出を抑えるなどの工夫を行いながら、子供の将来の貯金に備えましょう。

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