株式投資やFXなどは、変動に乗じて取引を行うため、大きな利益を得ることが期待できる反面、損失も大きくなるリスクと隣り合わせです。
しかし、特に資産の使用目的が決まっていない場合は、リスクをそこまで気にせず済むため、リスクを負ってでも資産をできる限り多く増やしたいと思っている人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、キャピタルゲインを狙った資産運用として、どんな方法があるのかについて解説していきます。
資産運用の利益は大きく2つに分類
資産運用の方法には様々な種類がありますが、同じ資産運用でも得られる利益が異なっているものもあります。
例えば、株式投資の場合は、株式の売買で得られる譲渡所得もあれば、株式を保有し続けることで得られる配当所得もあります。
このような資産を売買することで得られる利益をキャピタルゲイン、資産を保有し続けることで得られるインカムゲインと呼びますが、具体的にどんな違いがあるのでしょうか?
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
キャピタルゲインとは
キャピタルゲインとは、資産の売買によって得られる利益のことです。例えば、株式投資における株式の売買、FXにおける通貨の売買、仮想通貨における通貨の売買、不動産投資における不動産の売買などです。
インカムゲインとは
インカムゲインとは、資産を保有し続けることによって得られる利益のことです。例えば、株式投資における配当金、FXにおけるスワップポイント、不動産投資における家賃収入、投資信託における分配金などです。
資産を保有し続けてさえいれば、確実に利益を得られることが決まっているため、安定した利益が期待できます。
キャピタルゲインのメリットとは
キャピタルゲインは、価格変動に乗じて取引を行うため、価格変動が大きければ大きいほど大きな利益を得ることが期待できます。
インカムゲインを目的とした資産運用によって同様の利益を得るためには、多くの資金を準備する必要がありました。
しかし、キャピタルゲインは、資金が少額でも効率良く資産を増やしていくことができるのが大きなメリットと言えるでしょう。
キャピタルゲインのデメリットとは
キャピタルゲインは、価格変動が大きく、大きな利益が期待できるというメリットがありましたが、投資判断を誤った場合には大きな損失を抱えてしまうリスクを抱えています。
また、インカムゲインは資産を保有し続けるだけで、得られる利益は少ないながらも確実に利益を得ることができましたが、キャピタルゲインは利益が保証されていません。
キャピタルゲインの種類
キャピタルゲインを狙った資産運用と一口に言っても、種類は数多くあるため、それぞれの特徴を把握しておく必要があります。
キャピタルゲインを狙った資産運用の方法は以下の通りです。
- 株式投資
- FX
- 仮想通貨投資
- 不動産投資
それぞれの運用方法の特徴について詳しく見ていきましょう。
株式投資
株式投資では、売買によるキャピタルゲインと配当金によるインカムゲインの両方を得ることが期待できます。
株価は、企業の業績のほか、地政学的リスクや世界情勢、チャートの先読みといった影響を受けるため、日々大きな価格変動が生じています。
個人の他に法人として株式投資を行っている機関投資家なども参入しているのが特徴です。
資金が豊富であることから、上記のような価格変動要因だけに限らず、何らかの価格操作で大幅な価格変動が生じる可能性もあります。
FX
FXも、売買によるキャピタルゲインと配当金によるインカムゲインの両方を得ることが期待できます。
通貨の価格は、発行している国の情勢や地政学的リスク、世界情勢などの影響を受けますが、株式投資と同様、チャートの先読みなどの影響を受けるため、日々大きな価格変動が生じています。
こちらも機関投資家などが参入しており、自動売買のシステムの損切を狙った価格操作で大幅な価格変動が生じる場合があるので注意が必要です。
信頼度が高い国の通貨を保有しておけば、大幅な価格変動が生じるリスクを抑えることができますが、地政学的リスクなどが生じた場合には、大幅な変動が生じることもあります。
仮想通貨投資
仮想通貨投資は、注目を集めている資産運用の方法ですが、実体が明確になっていないため、価格相場が不安定なのが特徴です。
2018年は、「仮想通貨元年」と呼ばれるほど仮想通貨が注目を集めた結果、1年で100倍を超える仮想通貨が登場するなど、仮想通貨バブルとなりました。
その後は取引所のセキュリティー面の問題でハッキングが生じるなど、価格変動とは違う面でのリスクが高まり、現在はどの仮想通貨も大幅に値下がりしています。
しかし、仮想通貨が信頼を回復して再度注目を集めるようになった場合は、第2の仮想通貨バブルが生じる可能性があります。
仮想通貨投資に興味がある人は、バブルが到来した際にすぐ取引に参加できるように準備しておきましょう。
不動産投資
不動産投資も、売買によるキャピタルゲインと家賃収入によるインカムゲインの両方を得ることが期待できます。
しかし、不動産投資は、株式投資やFXのように価格に大きな変動が生じるというものではないため、あまりキャピタルゲインは期待できません。
そのため、不動産投資でキャピタルゲインを狙うには少し工夫が必要です。
例えば、キャピタルゲインを狙った取引を行う場合は、需要の高まりとともに不動産価格の上昇が期待できる再開発の可能性が少しでもあるエリアをターゲットにするのがポイントです。
また、中古戸建を購入してリフォームやリノベーションを行うなどの不動産の付加価値を高めるような工夫をおこなってから転売することが成功のポイントと言えるでしょう。
リスク管理をしっかりと行うことが重要
インカムゲインを狙った資産運用の場合は、ただ資産を保有し続けているだけでいいため、大きなリスクが生じることはありません。
しかし、価格変動に合わせて取引を行うキャピタルゲインを狙った資産運用の場合は、必ず利益が得られることが保証されておらず、取引結果によっては大きな損失を抱えてしまうというリスクがあります。
そのため、キャピタルゲインを狙った資産運用を行う場合は、その資産運用の方法にどんなリスクがあるのかをしっかりと把握するだけでなく、リスク対策をしっかりと行ってから取引を開始するようにしましょう。
まとめ
キャピタルゲインを狙った資産運用は、大きな利益を得ることが期待できる反面、インカムゲインのように安定した利益を継続して得られることが保証されていません。
また、大きな利益への期待は、裏を返せば大きな損失を抱えるリスクも意味しているため、キャピタルゲインを狙った取引を行う場合は、リスク管理をしっかりと行った上で始めることで、少しでもリスクを抑えることが重要と言えるでしょう。