ライフプランの中では、結婚や出産、進学、車や住宅の購入、老後の生活費など、何かとお金がかかるイベントがあります。
そのため、資産を蓄えておかないと、いざという時に資産がないことが理由で何もできない可能性があります。
そのような失敗を防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?
そこで今回は、いざという時に「お金がない」と失敗しないための正しい資産の作り方を解説します。正しい資産の作り方とは
日本FP協会が公表している「主なライフイベントにかかる費用の目安」によると、ライフイベントは主に以下のような費用が発生します。
- 結婚費用:約463万円
- 出産費用:約51万円
- 教育資金:約993万円
- 住宅購入費:約3,340万円
- 老後の生活費:約26万円(1ヶ月あたり)
このようにライフイベントでは数多くの支出が発生します。
教育資金は子供1人あたりの費用であるため、子供が2人になれば倍の費用が必要です。
また、この基準は、大学のみ私立に進学した場合を想定しているため、高校も私立に進学させた場合にはさらに費用がかかります。
住宅の購入費用も戸建購入を想定した平均価格で、マンションの場合には約4,270万円と1,000万円程度高くなります。
どのような費用がかかるのか把握しておけば、事前にお金を貯めておけるため、ライフイベントにかかる費用の目安を理解することが重要と言えるでしょう。「そのうち年収が1,000万円を超えるのでそこまで生活が苦しくないのでは?」と思っている人もいるかもしれませんが、それほど甘いものではありません。
日本の企業は、年功序列の給料体形のところが多く、収入が増えるようになるまでに時間がかかるのが一般的です。
急にお金が増えるものではないため、計画的に資産を増やしていくことが重要と言えるでしょう。
ただ単に貯めるだけでは増えない
例えば、安心して老後を暮らすために2,000万円~3,000万円の資産を作るにはどうすればいいのでしょうか?
仮に3万円ずつ30歳~65歳までの35年間毎月貯め続けたとすると、合計1,260万円の資産を作ることが可能です。しかし、目標の2,000万円~3,000万円までほど遠い状況と言えます。
毎月3万円ずつ貯める場合でも、年利1%で運用すれば1,509万円、年利3%で2,230万円、年利5%で3,422万円となります。
ただ単にお金を貯めるだけでは2,000万円~3,000万円貯めることが困難でも、運用すれば効率良く資産を増やすことが可能です。
そのため、資産を作るにはただ単に貯めるだけではなく、資産運用などの効率的な資産の作り方を組み合わせることが重要と言えるでしょう。
資産運用による効率的な資産の作り方
資産を作るには資産運用などの効率的な資産の作り方を組み合わせることが重要ですが、資産運用と一口に言っても数多くの種類があります。
中には、大きなリスクを伴うものもあるため、資産運用の特徴とリスクを把握しておくことが重要です。
主な資産の作り方として以下の6つが挙げられます。
- 株式投資
- FX
- 仮想通貨投資
- 不動産投資
- ソーシャルレンディング
- 投資信託
それぞれの資産の作り方の特徴とリスクについて詳しく見ていきましょう。
株式投資
株式投資とは、証券取引所に上場している株式の売買をすることによって差益を得る運用方法です。
価格変動が大きいため、大きな利益を狙えるほか株主優待や配当といったものも狙えます。
一方、価格変動が大きいということは、変動の予想が外れた場合には大きな損失を抱えるリスクと隣り合わせであることを意味します。
証券取引所が定めている基準を満たせなくなった場合や経営状況が悪化した場合には、上場廃止になって株価が0円になる可能性もあります。
資産を増やす目的で始めたにもかかわらず、最悪の場合には資産を失う可能性もあるので銘柄をしっかりと選ぶなど十分に注意しましょう。
FX
FXとは、国が発行している通貨の売買をすることによって差益を得る資産の作り方です。
株式投資のように大きな変動が生じるものではありませんが、レバレッジによって最大で資産の25倍まで取引できるので効率良く資産を増やすことが可能です。
また、株式投資の配当のように、FXでもスワップポイントと呼ばれる金利差を毎日得られます。
しかし、FXでレバレッジを効かせた取引をする際は利益を最大25倍にできる一方、損失も最大25倍になるリスクと隣り合わせなので注意が必要です。
また、スワップポイントとは受け取るだけでなく、ポジションによっては支払う必要があります。
毎日スワップポイントが引かれることで、想定以上の損失を抱える可能性もあるので十分注意しながら取引しましょう。
仮想通貨投資
仮想通貨とは、ネット上で発行している仮想の通貨を取引してFXのように差益を得る運用方法です。
国が発行している通貨とは異なり、仮想通貨は実体がない通貨で、価格が乱高下しやすいことから大きな利益を狙えることで注目を集めています。
しかし、FXのスワップポイントのような利益は発生せず、価格が乱高下することで大きな損失を抱えるリスクが高いと言えます。
そのため、仮想通貨投資では、レバレッジを低く設定するなどのリスク管理を徹底しましょう。
不動産投資
不動産投資とは、投資用不動産を購入して運用することで安定した家賃収入を得る資産の作り方です。
まとまった資金が必要になりますが、不動産という担保があるため、条件を満たしていれば銀行から融資を受けながら運用することが可能です。
1棟投資では、全て空室にならない限り空室がいくつか生じても家賃収入が0になることはありません。
しかし、1室投資の場合には、空室になると家賃収入が得られず、返済だけが残ってしまいます。
キャッシュフローの悪化で不動産を手放さなくてはならないケースもあるため、投資する物件選びをしっかり選びましょう。
ソーシャルレンディング
社債という運用方法を知っている人もいるかもしれませんが、社債は会社が発行する債券を購入して利息を受け取ります。
ソーシャルレンディングも社債を発行するわけではありませんが、会社への融資で利息を受け取ることが可能です。5%以上の利息を安定して得られる案件が多いため、効率良く資産を増やせますが、会社が破綻した場合は融資を回収できなくなるので注意が必要です。
ソーシャルレンディングの中には、担保が付いていて最悪の場合でも資金を回収できる案件もあります。
ソーシャルレンディングを始める際には、万が一のリスクに備えて担保がついているのか確認しましょう。
投資信託
投資信託とは、自身で株式投資や国債投資するのではなく、運用のプロに代わりに資産を運用してもらって、利益に応じた分配金を得る資産の作り方です。
運用のプロが代わりに運用してくれるため、運用の知識や経験・時間がない人でも気軽に始めやすいと言えます。
しかし、いくら運用のプロが代わりに資産を運用してくれると言っても、勝率100%というわけではありません。
場合によっては、マイナスが生じて元本割れする可能性もあるのでそのようなリスクと隣り合わせにあることを忘れないようにしましょう。
まとめ
資産を作るためには、お金をまずは貯めていく必要があります。
しかし、ただ単にお金を貯めるだけでは効率が悪いため、効率の良いお金の作り方がないか考える必要があります。そこで登場するのが資産運用です。
資産運用と言っても、様々な運用方法があるため、それぞれ特徴とリスクが異なります。
資産の作り方の選択肢を間違うと、資産を増やす目的で始めた資産運用でも最悪の場合は資産を失う可能性があります。そのため、そのような失敗をしないためにも、事前にしっかり資産運用の特徴とリスクを把握してから資産運用を始めるようにしましょう。